2017年09月17日
ホンダがマクラーレンに愛想をつかされたようで、F1におけるパートナーシップは
解消されるとの報道がありました。
うまくいかなかったことの原因はいくつもあるかもしれませんが
マクラーレンが期待していたほどのパフォーマンスを、
ホンダが提供することができなかった。
パワーユニットのパフォーマンスというよりも、
ホンダの企業としてのF1に対する姿勢が、現在のF1のパフォーマンスに
そぐわなかった、と、考えています。
欧州の新自由主義経済下に置かれたF1というビジネスモデルが
どういうものになっているのかを、ホンダの日本の経営陣はよく把握できていなかったのか。
レース活動をしながらホンダの社員の能力を高める、そんな甘いことは、
資本の運動の全てをお金に換えていくことに最大限の注力をしている世界では通用することではなかった。
レース活動という見た目で見失いがちなのは、F1という巨大なビジネスモデルが
資本の新自由主義経済下で、この20年どのような変化をしていることか、でしょう。
F1のビジネスは、欧州の資本主義経済のモデルと直結していると考えるのは
遠いことではないと考えています。
トロ・ロッソでは上位チームを目指していくといっていますが、
そのようなことが可能になる条件は、外部コンサルタントの導入と
パワーユニットの研究所を欧州にも準備をする、もしくは日本国外への移転。
ここからは情緒的な見方になります。
マクラーレンで最も嫌われたホンダの行動は何だったのだろうかと想像してみます。
それは、メカニックの方々の声からだったのではないかと考えます。
壊れるとわかっているパワーユニットを、徹夜をして組み付けてセットアップして
そしてそれが予定通りに壊れるという作業を、何度繰り返させたのか。
例えば、壊れるにしても現場の意見が優先されていたならば、もう少し違いがあったのかもしれません。
さくら研究所のモニター越しに、送られてくるデータを見ながら現地のチームに
車を止めさせる指令を出す。
このことがマクラーレンの現場のスタッフの士気を下げさせていることに
ホンダは気付くことができないのでしょう。
アロンソやバトンを座らせながら、どうせ壊れるのならば、彼らに壊してもらえば良かったのです。
うまく走らせることができるドライバーは、壊し方も一流です。
日本人F1ドライバーは壊し方も二流なので、ドライバーも二流とも言えます(自分のことだ)
アロンソが、どうせ止めるならばパワーを上げてレースをさせろ、といったのは
現場にもいない人間が、データだけを見て決めているということに、不信を抱いていたからでしょう。
壊れることを一概にマイナスの要因として考えるのは、レースの世界でも違うことでしょう。
むしろ壊れたことによって、想定通りに壊れたとか、思ってもいなかったところが壊れたとか、
壊れることによって得られる知見というものは数多くあるはずです。
ましてやドライバーが、へっぽこ日本人ドライバーなどではなく(毒)
年間チャンピオンを経験している二人がドライバーだったのですから、
その「壊し方」は、素人が想像できるものではないでしょう。
ホンダが人材を育てる、という思想が本当にあったのならば、この3年間に彼らに
どんどん壊させるべきでした。
机の前に座って画面で計算している人たちの、現実社会との距離を実感させてあげる絶好の機会でした。
これこそが、レースの経験を車造りに生かす、そのように思えてなりません。
人にストレスを過大にかける方法は、
積み木を積ませて、それを崩し、また同じ作業を繰り返させることだそうです。
結果がないのに作業をする、そのストレスを現場に与えていたことをホンダはどれだけ理解できていたか。
当然、F1という狭い村社会ですから、トロ・ロッソのメカニックたちにも情報は共有されているでしょうし
何よりも、それを側で見ていたのですから、現場のメカニックの方々の士気は上がるのかどうか、
出始めからマイナスの出発となることでしょう。
入れ替わりの激しい世界ですから、トロ・ロッソは新しくメカニックを募集しているのかもしれません。
ただ、ホンダのパワーユニット、が、明らかにマイナスイメージを伴っていることは、否めません。
最後に、来年のパワーユニットの使用規定が、年間通して3基、という情報を目にしました。
これが本当ならば、20戦近くあるレースで割り振ると7戦に1基の計算になります。
コスト制限だとか、チームの戦力の均衡化だとか、綺麗事のお題目のために色々失われています。
どれ一つ達成できていないあたりが、綺麗事が好きな方々の結果です(毒)
綺麗事が好きじゃなくて、拝金主義が趣味の人たちが収益率を高めようとすればするほど
その人たちの考えでは、ますますビジネスモデルが縮小してしまうのは
彼らが作り出した経済の参考書の内容が間違っているから、なんてことは
よもや考えてもおられません。
もうF1じゃなくてもいいんじゃないでしょうか。
Posted at 2017/09/17 13:25:50 |
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