
【再々レビュー】(2019/10/25)
TEINさんへのフィードバック第2回目
【お願い事項】今回使用させて頂いた新製品EnduraProPLUSは200系クラウンロイヤル/アスリート用に開発されたもので、受け側の形状が同じ仕様のため取付は可能ですが、基本的に重量が約180kg程重い204GWSクラウンハイブリッドは適合対象外です。
従ってTEINさんとしての製品保証は受けられませんが、あくまでクラウンハイブリッドに装着したらどうなったか、という参考にお願い致します。
○組み合わせたスプリングの種類
GWS204-AEXZH(S)搭載純正スプリング
○EnduraProPLUSの減衰力段階設定(全16段)
Fr:最強位置から3段下、Rr:同1段下
○乗り心地、走行性能に関係するショックアブソーバ以外のカスタマイズ
TOM’S フロントアッパーパフォーマンスロッド
TOM’S ロアボディーブレース
TOM’S フロントサスペンションメンバーブレース
TOM’S リヤサスペンションメンバーブレース
YAMAHA パフォーマンスダンパー(GWS204専用)
THINK DESIGN リアサスペンションメンバーカラー(前後)
LEXUS IS-F用リヤサスペンションスタビライザー
TRD ドアスタビライザー
※但しタイヤはエコタイヤ(Yokohama ADVAN dB V552 225/45R18-91W)
○街中での乗り心地についてのインプレッション
冷間起動後、クルマを駐車場から出して住居敷地内から沿道に押し出す。
この最初の5分くらいは、微速始動と緩速停止を繰り返すので、コイルスプリング/ショックアブソーバ減衰力が柔らかく穏やかな車両ほど、車体が前後にお辞儀する方向の揺れが生じ易い。204GWSクラウンハイブリッドの純正ショックアブソーバ(KYB48510-30801RHV、窒素ガス封入式、AVS電動可変2段階対応型)と純正コイルスプリングの組み合わせは、V6-3.5LエンジンにHVシステムを搭載し車両重量が1,840kg(車両総重量2,115kg、公表諸元)と、同じクラウンアスリートと比べて180kgほど重量が嵩んでおり、それを支えるために基本的にはかなり強度を持たせるよう設計されていると思われる。
それは、リヤアクスル直上に重いバッテリーを搭載している点も影響し、歩道切り下げ部分の縁石のような極く低い段差を、微速でもすうっと乗り越えようとすると突然「ガン!」とびっくりするような強い衝撃がダイレクトに後席に伝わることからも明らかであるが、サスペンションに対する初期入力時の摺動の素早さと柔らかさ、その後のショックアブソーバ減衰力とのバランス調整には苦労したのではないか。それがAVSの減衰力2段階設定のうち柔らかい側(Nomal Mode)でも解消出来ず、開発の最終調整でリヤスタビをぐっと細くしたり、ブッシュを柔らかくしたりで、Nomal ModeでもSport-Modeでもフワフワとしたショックアブソーバの仕上がりに影響しているのではないかと勝手に想像している。
然し、実際に走らせてみると純正ショックアブソーバと純正コイルスプリングの組み合わせで極低速でのピッチングは殆んど無く、前述のフワフワ感も、ある程度負荷のかかる速度で走ったときに起こる。また、現行より以前のモデルのPRIUSに見られるようなカックンブレーキ現象も、同様に回生ブレーキを導入している204GWSクラウンハイブリッドの場合2008年登場時から綺麗に消し去っていること、またシフトレバーをNからDに入れた際も、ブレーキペダルをきちんと踏み込んでいればトルコンに見られるリヤサスの沈み込み現象は一切発生しない(その瞬間何も起きない)ことから、市街地の一般道でアクセルのオン・オフを繰り返すような場面でも、同乗者が気持ち悪くなるような車体の上下動・お辞儀といった挙動を発生させずにスムーズに走り回ることが出来る。
TEINのEnduraProPLUSに換装してみてどう変化があったか。勿論、純正コイルスプリングを流用しているし直進制動時のノーズダイブは有るが、純正ショックアブソーバに比べかなり抑えられた極く僅かな最初の沈み込み以降はその位置に留まったまま路面ギャップを受けての上下動に移っていく。
204GWSクラウンハイブリッドの脚廻りは、タイヤからの路面情報がほとんど伝わって来ない。いわゆる高級車というのは確かに、その風格を持たせるために振動・騒音の排除が大事な要素である。街中を大人の速度で流す際に、経年地盤沈下等で周囲から飛び出たマンホール、路盤の継ぎ目、橋脚等のジョイントを越える際の振動・ショック音を極力抑えるために、エアショック、コンフォートタイヤ、ステアリングダンパー、ダッシュサイレンサー等のボディ内部遮音/吸音材、二重ガラスといった対応策のほか、ボディ構造強化や溶接方法の改善、構造接着剤の使用、ブレース追加など様々な手法が用いられている。
クラウンは、このうちブレース追加、コンフォートタイヤについては製品化に於いて採用しているが、他にはサスペンションブッシュ・ドライブトレインのマウント等が主たる対処策となっている。このブッシュによって、また奥歯にものを挟んだステアリングラック、ステアリングが脚元のラックケースと物理的に連携しない電動パワーステアリングによって、そのパワーステアリングもセンター部分に何cmかの空転部分(遊び)が有ることで、走行中のステアリングインフォメーションは著しく減殺されている。
そのような設計思想・構造設計で企画されているクラウンは、ゴツゴツと不快になるような硬い振動をドライバーに伝えないようになっており、AVSの純正ショックアブソーバ減衰力強度をノーマルにしてもスポーツにしても、脚の張りは強くなっても乗り心地がどちらも丸いのは、おそらくそうしたことが理由だろうと思う。
純正ショックアブソーバはAVS機能付で定価1本あたり35,000円以上するので、保証外で4本交換すると別途工賃約80,000円が加算され結構なお値段になる。
因みに純正ブッシュやエンジンマウントもゴム製品主体で、新車製造出荷時から10年も経てば経年劣化や熱・紫外線による硬化・ひび割れ・緩み、及びそれらを原因とする異音発生など、確実に劣化が進んでくる。そうした点について、正規ディーラーでそれら長期使用個体についてブッシュ交換整備など対応しているかを聞いたところ、劣化したブッシュを抜いて新しいブッシュを打ち換える作業は対応していない、やるとすれば該当ブッシュの着いている部品をまるごと新品(メーカーストック品)に交換する方法だけとのこと。鉄製の純正サスペンションアームは1本1本の値段はそう高いものでもないが、5マルチリンクは部品点数も多く、なんかだと結構まとまったお値段になる。
この純正ショックアブソーバに対し、TEINのEnduraProPLUSに換装したあとにこうした街中を流すいわゆる普段使いで比べるとどうか。
このEnduraProPLUSは車高をノーマルのまま、コイルスプリングも純正流用にて減衰力アジャスターのみ16段付という仕様で、2018年にFr:最強位置から3段下、Rr:同1段下で設定してから変えることなく現在まで乗り続けた。
もともと、AVS機能付きKYB純正ショックアブソーバはカスタマイズせずそのまま乗り続ける予定でいた。トヨタの保証制度ではこのクルマをリリースしたあとで、ショックアブソーバについてはシール油漏れ対応で無償交換が付与されていたし、一旦他社のショックアブソーバに換装してしまうと、その保証制度は途切れてしまうということがあった。
また、VDIM統合システムの一翼をなすNavi Ai AVS(ナビの地図情報から前方のコーナーの大きさを判断し、予めショックアブソーバの減衰力を最適化するシステム。これには学習機能があり、高速道路を走った際に路面の凹凸情報を記録し、次に走る際にはその情報を元に減衰力を適正化することで、乗り心地を確保する)も、ショックアブソーバをAVS非対応製品に換装することでその機能を失う事になる。この点で、随分悩んだ。
然しながら、一般道で40~50km/h程度で定速走行中、ステアリングを左右に小刻みに振り続ける動作を試してみると、AVS機能付きKYB純正ショックアブソーバではSport-MODEでも派手にお尻を振って踊り出してしまい、以前試乗したAUDI S4様のようにどこまでもステアリング操作に忠実に、お尻を振って踊ったりなどせず、左右小刻みにいつまでも道路の路面をひっつかんで進み続けるというスタビリティと比較すると涙が出そうなプアーさにどうしても我慢が出来ず、納車7年目にして遂に、純正以外のカスタムパーツメーカーの製品に換装することを真剣に検討し出した。
クルマを趣味とする人ならだいたい、性能の評判が高いショックアブソーバと言えば、ビルシュタインをはじめとする国内外有名メーカーの製品に思い至ると思うが、それらは何しろ販売価格が高く、前後合わせて4本の交換工賃も考慮するとなかなか気軽に手を出せるシロモノでは無い。またたいがい、車高ダウン用コイル/スプリングとのセット交換が多いので、それも一度にまとまった金額が必要になる原因でもあり、実際この高価なパーツを買って取り付けてから「これ違う、失敗だった」と後悔してももう遅い。
そこで「みんカラ」のショップキャンペーンで気になったのがTEINのEnduraProPLUSという、ノーマル車高は変更せず純正コイル/スプリングをそのまま使い、ショックアブソーバだけお試しで交換する新製品のモニター。
この製品なら、スタビリンクやらその他の脚廻り関連パーツを一切いじることなく、スポーツタイプのショックアブソーバを自分所有のクルマで体験できる。手動だが減衰力調整ツマミがあり16段に亘り変更できるし、何より1本あたり16,000円少々というコストが魅力。気に入らなかったら、諦めやすい。
但し、ディーラーで整備士に交換を依頼する場合、4本取付作業で70,000円以上かかるから、しっかり考えて納得してから作業を依頼したほうが良い。
動き始めから、マンション敷地内の細かいウネりのある路盤上を、極低速で動き始めると、もうその段階でFr:最強位置から3段下、Rr:同1段下という設定のショックアブソーバが硬い顔をのぞかせる。TEIN EnduraProPLUSのこの設定は、204GWSクラウンハイブリッドの純正KYBショックアブソーバのSport-MODEに比べて感覚的には1.5倍程度の減衰力の強さを示し、この段階で硬さを実感する。
ショックアブソーバ以外のカスタマイズは冒頭に挙げた通りTOM’S製のボディ補強ブレースとTHINK DESIGN製ブッシュ・サブフレームカラーによる強化、スタビライザーはリヤのみLEXUS IS-F用に換装し、フロントスタビライザーは204GWS純正のまま、コイルスプリングは4輪とも純正パーツのまま。Yamahaパフォーマンスダンパーとドアスタビライザーを装着、これで既にクラウンのオール純正モデルに比べてかなりの剛性アップを果たしており、それは低速走行中でも実感するが、それでもBMW 3シリーズやAUDI S4さま💛で走った際に感じた塊感のあるボディ剛性に比べると、まだまだそこまではという感じ。あの、ピラーより上、ルーフ部分がまるで硬い箱のように、歪まないでその形のままユサ、ユサと動く高級欧州車の感覚に対して、クラウンのそれは適度に歪んでまた元に戻る、って感じの柔らかさが出てる感じ。
そのボディを強く揺する感じは、最初にギャップに乗り上げてボディが浮き上がる瞬間、純正ショックアブソーバに比べてマイルド、その一瞬あとの跳ね方は純正のそれより強い。
AVS可変機能には非対応であるとはいえ、16段の強度調整アジャスター付のTEIN EnduraProPLUSというショックアブソーバは、単体価格設定が204GWSクラウンハイブリッドの純正ショックアブソーバ(KYB48510-30801RHV、窒素ガス封入式、AVS電動可変2段階対応型)の約半額。純正のほうが高いのである。当然、AVS機能付きであること、強度・耐久性ともに長大な使用期間を通じてユーザーに保証しなければならないという純正パーツが課される制約によって1本30,000円以上の価格設定がされているのであろうが、それについては後述することにする。
さてマンション敷地内からゲートをくぐって歩道切り下げに車体を押し出し、切り下げと敷地前面アスファルト舗装道路の段差(10m/m~15m/m)を降りる際の「ドンッ」という衝撃の強さは、実は純正KYBショックアブソーバ装着時のそれとほぼ同等。ここだけは、純正品でもTEIN製でも乱雑に乗り越えると大きな衝撃が来るので、後輪が段差にかかる直前にほぼ停止までブレーキ制動をかけて、勢いを削ぐようにしている。
一旦、アスファルト舗装道路に車体が出てしまうと、フロントコイルスプリングが柔らかな純正品のままということがあるが、路面ギャップ(亀裂・段差・マンホール突起)にタイヤがかからない限り、いわゆるクラウンが有する独特の上質でスムーズな走りとなる。
この周辺道路定速クルーズの際には、ブレーキングによるノーズダイブは、純正KYBショックアブソーバ装着時でもそうだったが気持ち程度。
その後、街中の一般道路を速度40km/h~60km/h程度までで普通に走らせてみると、比較的大き目なうねりを乗り越える際には純正KYBショックアブソーバに比べて硬めの印象があるが、小さな段差・亀裂・橋脚の継ぎ目を乗り越える際の振動や衝撃は、純正KYBショックアブソーバの時に比べて少し丸い。丸いという表現は、乗り越えの跳ねの強さは多分ちょっと強めだが、「ガンっ!」という衝撃の伝わり方がマイルド。
これは、KYBショックアブソーバの特徴なのか、AVS機能付きという点で複雑な機能を付加している分ちょっと衝撃をダイレクトに伝えてしまうのか、それとも今回装着して1年経過したTEIN製ショックアブソーバより年数が多く経過しているから多少劣化しているということなのかは不明。新品の純正KYBショックアブソーバと乗り比べないと、少し不公平かもしれない。
それから一般道での走りでは、純正ショックアブソーバのSport-MODEより常時強い(硬いというと、本当にごつい感じだが、初期摺動が柔らかいのでごついとは違う)ため、コイルスプリングが純正でもロールはやや抑制され、その後の納まりは早い。前後ピッチングに関してはアクセリングとブレーキングの乱暴さ加減にもよるが、スムーズさに徹して操作する範囲内では、ほとんどピッチングを意識させずに走り続けることが出来る。これは同乗者に乗り物酔いをさせない面ではかなりのメリットとなっている。
同様に街中の一般道路を速度40km/h~60km/h程度で走行中、ステアリングを左右に小刻みに振り続ける動作を試してみる。すると、AVS機能付きKYB純正ショックアブソーバではSport-MODEでも派手にお尻を振って踊り出して収束しなくなってしまうのに対し、TEIN EnduraProPLUS装着後は多少フロントタイヤがちょっと跳ね気味からもとに戻る、というきらいはあるものの、ほぼステアリング操作に忠実に左右への動きをトレースし、お尻が跳ね気味に踊り出すということはなくずうっとその操作を繰り返しながらも前に進むというところまでのスタビリティを発揮した。勿論、以前試乗したAUDI S4様のようにピターっと左右小刻みにいつまでも道路の路面をひっつかんで進み続けるあの安定感は出せなかったが、昨年試乗した15代目クラウンRS2.5にそのステアリング操作を課したときとほぼ同じスタビリティを発揮出来た。
このように書くと、クラウンの13代目以降の変遷を知らないヒトは「何だ、それだけお金を掛けて手を加えても、ノーマルクラウンと変わらないのか」と思うかも知れないので、もしそう思われたヒトは一度、ちょっとで良いから15代目クラウンRS2.5に試乗してみて欲しい。あれは、確かにBMW3尻やMB様が見せるボディ剛性の高さと脚廻りのレベルには届いていないが、14代目クラウンまでのそれと違ってフロント周りのステアリング操作に対する追随性はグっと上がっている。下から覗くと、太さ20m/mくらいもあるスタビライザーが装備されているのが見えるし、フロントサスペンションを受けるボディのマウント基部はただ板金に穴が穿たれている従来モデルと違い、アルミダイキャスト製(鋳物成型)のガッチリした塊が付いている。
すなわち今回装着したTEIN EnduraProPLUSというショックアブソーバは、それ単体が1本16,000円程のコストで、最新型クラウンの脚に近いスタビリティを発揮してくれるという意味で非常にコストパフォーマンスの高い製品だということ。
勿論、我が家の13代目クラウンは冒頭のボディ補強ブレース等のカスタムパーツも併せて全体として今の脚廻りになっている訳で、100諭吉掛けてそこまでにしかならないの?・・・という疑問符が浮かぶ向きも有るかもしれないが、その間、2世代・開発期間10年という時間の経過を考えれば、これだったらちょっと古くても我慢できるレベル、と思える。
○高速道路での乗り心地および安定感についてのインプレッション
高速道路での70~80km/h前後定速走行時の乗り心地は、もともと204GWSクラウンハイブリッドの脚廻りのブッシュだったりコイルスプリングが他のハイパフォーマンスセダンに比べてかなり柔らかい設定であることや、ブロックパターンが新しく摩耗の少ない段階のコンフォートタイヤを履いているということがあるが、路面ギャップが無い区間では兎に角静かでスムーズネス。100km/h程度ではエンジン音より風切り音のほうが音量が大きいくらいなので、路面が新しくまだ綺麗な区間では、エンジンが回っているのが判らないくらい。ドライバーが唯一、アクセルやシフトレバーに床から伝わるエンジン振動で、エンジンが回っているのを感じるくらい。
このときのTEIN EnduraProPLUSは初期摺動で細かい路面ギャップをよく吸収し、その直後の収まりが早いので、純正KYBショックアブソーバのコンフォート設定と変わらない吸収力をSport-MODE以上の踏ん張りのなかで発揮している。
急な減速操作を試してみると、最初の制動開始の瞬間にフロントサスペンションが鼻先をすっと僅か沈め、その後はその姿勢を維持し、沈み過ぎない状態で減速区間を耐える。その鼻先の沈め方が、AVS機能付きKYB純正ショックアブソーバのSport-MODEよりも少ないのと、KYB純正ではピッチングがちょっと出てしまうところ、TEIN EnduraProPLUSは揺れ戻しを抑えて安定させてしまうので、急制動時でも怖さが無い。このように、KYB純正のSport-MODEを上回る減衰力設定が可能な点が、このショックアブソーバをクラウンにアフターパーツとして換装する際の優位点。街中でも路面ギャップを極力避ける、或いは丁寧に乗り越える運転を常に心がけて走っていれば、減衰力設定は一定のままで充分通用する。これであれば、Nomal- MODEは不要と考えて良い。
90km/h~100km/hの速度域で比較的急激な車線変更を試してみたところ、一般道で試したのと同様に、この速度域でもステアリング切り始めに僅かなロールからスっと鼻先が方向を変え、隣の車線に安定して移動し、ステアリングを切り戻すと揺り戻しは殆んど発生しないまま直進開始出来た。
この操作をKYB純正のSport-MODEで行うと、相応に踏ん張りは強くなっているものの、ステアリングを切った時に鼻先の抜きを変える瞬間と揺り戻す際にそれぞれちょっとボディ全体がふわ付く挙動がどうしても出てしまう。その後はすぐ収まるが、TEIN EnduraProPLUSに比べると安定性は少し劣る。
ただ、これはショックアブソーバやスタビライザーの効き具合と関係ないが、204GWSクラウンハイブリッドのもともとのパワーステアリング機構がステアリングセンターに結構幅の有る不感症地帯を持っていて、車線変更の際もコーナリングの際もステアリングを切ってから一瞬、実は何にも怒らない瞬間というか、曲がり始めるまでの間に一瞬空走時間があるもんで、装着した脚廻りパーツのホントの動きが掴みにくい。これはパーツのせいじゃなくて、クルマ本体のせいだよね。
このパワステでガンガンに左右細かく切り返しが続くワインディングとかを速く走れるモータージャーナリストの人って、本当に凄いと思う。
○ワインディング、サーキットでのインプレッション(該当しない場合は任意)
実はまだTEIN EnduraProPLUSを装着してから、ワインディングでまともに走っていない。1度箱根に行く機会があったが、当日はその前の日に雪が降ったために道路がグダグダで、登って降りるだけで精一杯。後日の機会に。
○同乗者の方の乗り心地についての感想
他のトヨタモデル、代車として借りたアリオンやPRIUSと比べて、縦揺れがほとんどないのでクルマ酔いにならない、とのコメントがあった。
○EnduraProPLUSはお友達にすすめられるダンパーですか?
今回の製品は200系ロイヤル/アスリート用に開発されたもので、それらより180kg以上重いハイブリッドに装着しているからあくまで参考となるが、街乗り主体であれば記述したように204GWSクラウンハイブリッドでも充分な乗り心地とスタビリティを実現できるので、200系ロイヤル/アスリートにだったら尚更お勧めである。
AVS機能が使えなくなるから、それがネックであればこの製品は選択肢にならないが、204GWSクラウンハイブリッドの場合で私の様に常時純正Sport-MODEよりも高いスタビリティが欲しいユーザーには、しかも非常にコストパフォーマンスの高い製品として、是非お勧めしたい。
※但し、204GWS用では無いので、メーカー保証が欲しいとなれば、この製品ではなく204GWS専用に開発された製品をTEINさんにご相談ください。
以上、長々と失礼しましたm(_ _)m