
このブログレポートをお読みになると解って戴けると思いますが、トヨタのハイブリッド機構は凄く複雑な動きをコンピュータが統合管理し、瞬時の切替えを繰り返しています。
その動きは、良く注意していないと殆ど解らない程の振動だけが知らせてくれます。エンジン音は極くかすかで、ホント熊倉さんの言葉通り、『溜息』そのものです。
特に3.5リッターの6気筒ガソリンエンジンを起動させたり停止させたり、それは目まぐるしいもので、高速時にエンジン停止状態から瞬時に起動、回転数を合わせて駆動系統に繋ぐという、機械系には過酷な作業です。
燃費を良くするためのカギは、この過酷さを出来るだけ和らげた走りを心掛けてあげる事にあるのかも知れません。プリウスやインサイトのような、CROWNに比べるとかなり軽量な車体のクルマにこのパワフル+重量級ボディが対抗するのは無理としても、ある程度まで近づくには、幾らかやり方を頭で考える必要がありますね。
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●総走行距離1,059km時
②エンジン停止→バッテリー充電中
-滑走中、回生ブレーキ稼動中
この状態は、時速79kmで空走し、エンジンは停止、回生ブレーキが効いていてバッテリーに急速に充電しています。
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●総走行距離1,060km時
⑤エンジン起動中→バッテリー充電中
-エンジン動力による走行中
この状態は、時速73kmでエンジンが起動し、専らエンジン動力のみで後輪を駆動、同時にバッテリーに電気をチャージしています。
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●総走行距離1,061km時
⑦エンジン起動中→バッテリー充電中
-エンジン動力による走行中
-エンジン動力でモーターを稼動
-後輪駆動にモーターアシスト中
この状態は、高速走行中に更にアクセルを踏み増した為、起動中のエンジンが後輪駆動用とモーター稼動用になりました。モーターはエンジン動力を得て、それを後輪駆動アシストしながら、同時にバッテリーに電気をチャージしています。
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●総走行距離1,063km時
①エンジン停止中→バッテリー放電
-EV走行中
この状態は、時速61kmでEV走行しているところです。上記の状態のあと、アクセルを強く踏む必要が無くなった為、比較的パーシャル状態で減速しないようにアクセルに足を乗せている感覚です。
ここでアクセルを踏むのを止めると、すぐに回生ブレーキが効き始め、ブレーキを踏まずともゆっくりですが多少減速しながらバッテリーにもチャージ開始します。
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●総走行距離1,063km時
②エンジン停止→バッテリー充電中
-滑走中、回生ブレーキ稼動中
この状態は、時速52kmで空走し、エンジンは停止、回生ブレーキが効いていてバッテリーに急速に充電しています。
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●総走行距離1,064km時
⑧エンジン起動中→バッテリー放電中
-エンジン動力による走行中
-エンジン動力でモーターを稼動
-バッテリー動力もモーター稼動に参加
-後輪駆動にモーターアシスト中
この状態は、高速空行中/回生ブレーキ稼動中にアクセルを踏み込んだ為、エンジンが起動し専らエンジン動力で後輪駆動したのち、間を置かずエンジンが後輪駆動用とモーター稼動用に変わり、同時にバッテリーからモーターに電力供給開始、モーターはエンジン動力と電力の双方を得て、その力を後輪駆動のアシストに全力投入しています。
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●総走行距離1,066km時
①エンジン停止中→バッテリー放電
-EV走行中
この状態は、時速73kmでEV走行しているところです。上記の状態のあと、アクセルを強く踏む必要が無くなった為、すぐエンジン停止し、速度を維持する為にパーシャル状態で減速しない様、アクセルに足を乗せて走っています。
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以上、中速域主体の15kmほどの走行を実況中継みたいに掲載してみました。
市街地での低速走行時にエンジンを積極的に起動させると、パワフルな3.5Lの6気筒と重い車体が燃費悪化にすぐ影響します。然し中速~高速走行でのエンジン起動では、此れ迄の常識に照らしてそんなに燃費が悪いエンジンではありません。
一方、ハイブリッド機構を積極的に活動させて更に飛躍的に燃費良く走るには、上記の①と②、つまり充電とEV走行を交互に繰り返す一定の走りのコツを掴むと、カタログ10・15モード燃費値の周辺での走りも出来そうです。
こちらの画像はこの走りの際の過去30分間の区間燃費グラフです。精確では無いものの、この30分間だけの平均燃費は少なく見積もっても20.5km/L以上である事が解っています。
現状はまだEco-Mode だけでしか走っていませんので、慣らし後に各Mode でいろいろな組合せを試してみたいと思います。特に、Power-Mode ですが、Eco-Mode でこれだけ加速力が有ると、Power-Mode で全開走行したらどんな加速になるのか、興味津々です。また、どのMode が一番Eco なのかを見てみるのも楽しみです。
Posted at 2010/07/21 20:27:15 | |
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燃費レビュー | クルマ
2010年07月21日

前回、CROWN HYBRID の燃費記録と共に、THS-Ⅱシステムで日常どのように走っているかブログアップしました。
その後、もっと詳しくお伝え出来るよう準備して、機会を探っていましたが、何とかストーリーになりそうですので2回目のブログアップです。
今回はその続編という事で、業務で或る日の域内走行をした際の15km程の距離を切り取って、その間のハイブリッド機構がどのように作動したかを画像付きでご紹介します。
自宅からほど近い自動車専用道路に入り、目的地まで20km程を往復、一般道で20km往復といった行程でした。燃費数値は給油計算等では無く30分間の推定なので、精密ではありません。
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CROWN HYBRID は、LEXUS GS450h と共通のパワートレーンをビルトインしています。唐突な加速移行、多少のショック等をほぼ消し去り、燃費改善を行う等熟成させていますが、V6・3.5Lの 296ps+モーター 200ps という強力な組合せ、加えて2t級の重量は、プリウスクラスのハイブリッドに比してかなり燃費を稼ぐ上でハンデが有る事は自明の理です。
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先日、初代プリウスで延べ2日程走ってみて、①パワー以前にこの2tという車重のハンデを如何に減衰させるか、②距離を走る際は、高速走行時に如何にハイブリッドの効果を発揮させ空走距離を伸ばすか、がカギになるという事が解りました。
プリウスは絶対的な車重が軽いので、普通にアクセルを踏んでもクラハイみたいにすぐエンジン起動しないで、EV走行のままどんどん加速して行きます。
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クルマの慣らし中でもありますが、まずはEco-Modeに設定して、上記を念頭に走ってみました。もっとも、ゆっくりズルズル加速、のんびり滑走、の例の『自己満足Mode』に陥ってしまうと周りのクルマに迷惑を掛けるので、加速は流れに合わせてきちんと行い、定常走行に入ってから上手な走りを探るように致しました。
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こちらの画像は、前回最初の燃費レビュー報告した際の最後の30分間が記録表示されたVDモニターです。
この時は満タン給油法で10.1km/Lの結果でしたが、もっとメリハリの利いた走り方でも、更にもっと値は向上しそうな予感がありました。
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概ね、CROWNのTHS-ⅡシステムはECO-Modeで8通り程の組合せを体験しました。以下、画像ごとの状態を①から⑧まで表示します。
今回のレビューは、総走行距離が
1,052kmから1,067kmまでの15km程を取り上げています。
●総走行距離1,054km時
⑥エンジン起動中→バッテリー充電のみ
-滑走中、回生ブレーキ稼動中
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●総走行距離1,056km時
①エンジン停止中→バッテリー放電
-EV走行中
この状態は、時速55kmでEV走行しているところです。比較的スピードが出ている時には、道路勾配がきつい登りにならなければ絶対的な車重の慣性に助けられ、多少のアップダウンはこのまま走破します。
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●総走行距離1,058km時
③エンジン停止中
この状態は、時速71kmで空走しているところです。エンジンは停止、回生ブレーキは効いておらず、バッテリー側も電気の出し入れの無い時間です。非常にパーシャルな状態にありますが、それ程長い時間は続きません。
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●総走行距離1,059km時
④エンジン起動中→バッテリー充電のみ
-滑走中
この状態は、時速78kmで空走していますが、エンジンが起動してバッテリーに電気をチャージしています。
Posted at 2010/07/21 20:24:22 | |
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燃費レビュー | クルマ
2010年07月21日

第10回に引き続き側面ビューの比較です。
←こちらの画像は CROWN HYBRID の右側サイドスカートを斜後方から撮ったショットです。
第13代CROWNシリーズの中で、MC前のHYBRIDモデルはCROWNアスリートのデザインから派生させたボディシェルを架装しています。
まあ、ちょっと昔のエアロボディオプション仕様が純正で装備されます。
これ、クラウン?と、永田町界隈や民間法人の役員さんが目をパチクリさせたとしても驚かない位いアクティブなデザインなので、MC後はブルークリヤーレンズのリヤコンビネーションランプも一緒に教育的指導を受けてしまいました。
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CROWN HYBRID 3.5 右斜後方より。
第13代CROWNの車体デザインは、このアングルから見るとその特徴が一番解ります。Fグリルからリヤエンドに向かってかなりきつい楔形を形成しています。そのためリヤタイヤハウスの上部、Cピラー迄のボディサイドは結構長いので、クーペボディの好きなスポーツカーマニアから見るとここのデザインがやや間延びしていると感じるかも知れません。
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AUDI A4L V6-3.2L quattro 右斜後方より。
一連の新AUDI セダンシリーズは、サイドウィンドウ下端部のラインがかなり水平に近い点、近年の日本車に多いウェッジデザインとは異なります。このデザインは一見、ちょっと昔に日本で流行ったのと似ていますが、躍動的なFグリル/リヤセクションデザインとのパッケージによって、斬新さと安心感を持たせる落ち着きが同居する秀逸なカタチを産み出しています。
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CROWN HYBRID 3.5 右側Cピラー近影。
CROWNの最大の特徴を成すこのデザイン。良くも悪くも『ザ・クラウンピラー』と言って過言ではありません。知らない人も、この画像を見ればクラウンだと解るこのカタチ(でもそう言えばMARK-Xってそっくりです)。
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AUDI A4L V6-3.2L 左側Cピラー近影。
こちらもザ・セダンタイプですが、頭上クリヤランスを確保しつつルーフライン全体を曲線で結んだ結果、外観視覚的には角張って見えない優れデザインです。
車体がもっと長大な A6L、A8L でもこの手法によって、ボディサイドとルーフセクションの繋がりが破綻を生じず、まとまりのあるフィニッシュを可能にしています。
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CROWN HYBRID 右側Fドアオープナー。
表面は鏡面仕上のメッキ化粧パネルを貼っています。
こちらは一連のキーレスエントリー設計によるタッチセンサーが付いており、指先で触るだけでドアロックを解除します。
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AUDI A4L V6-3.2L 右側Fドアオープナー。
表面はボディ塗装色と同色カラー塗装です。
このオープナーもキーレス遠隔スイッチ式ロック解除機能が付いています。
CROWNもAUDI も、今回モデルのドアオープナーはコンシールドタイプでは無く、把手がボディサイドラインより外に出ているタイプです。このカタチの良いところは、ドアオープナーに掌を上から乗せて開ける事が出来る点です。
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CROWN HYBRID 右側Rドアオープナー。
因みにドアエッジに付いてる透明なプラスチック部品は、試しに付けてみたドアエッジプロテクターです(かなり前の画像を使いまわしてしまいました)。結局、現在プロテクターは使わず机に仕舞い込んでいます。
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AUDI A4L V6-3.2L 右側Rドアオープナー。
Posted at 2010/07/21 12:26:17 | |
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クルマ比較 | クルマ
2010年07月21日

第10回からはAUDI A4L V6-3.2L quattro と CROWN HYBRID 3.5 の側面各部アングル比較です。
足回りを除くボディ架装部の形状を掲載します。
←こちらの画像は、AUDI A4L のサイドスカートです。
右側サイドポンツーン部分に取り付けられていますが、一般的なボックスタイプをイメージさせる形状では無く、幅約30mm程のリブ状のものが飛び出ているようなデザインです。
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AUDI A4L V6-3.2L quattro 右斜前より。
日本国内に輸入されているA4のスタイルに比べて、A4Lはそれ程バカ長い訳ではありません。A6L、A8Lまで行ってしまうと完全にリムジン仕様の長さですが、A4Lの場合逆にバランスの取れたスポーティなスタイルです。
オーバーハングが短く、車幅(外寸)が広く、グリル前端から後端までストレートにスーっとラインが引かれ、その上に半月形の丸いデッキがポンと乗っています。Fタイヤハウスエンドからボディ側面を走るプレスラインは後半、上に向かってカーブするAUDI一連のデザインです。
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CROWN HYBRID 3.5 右斜前より。
前の主要諸元編に掲載した車体寸法値の通り、A4L と 13代CROWNシリーズの車体はほぼ近いサイズです。こちらの車体もFオーバーハングは短く詰められています。そしてこの13代CROWNデザインの特徴は、『日本のザ・セダン』なのに極くダイナミックなフロントマスクを持ち、グリル前端から後端に向かってグワっと斜め上向きのウェッジラインが盛り上がり、その上に、後席乗員のヘッドクリヤランスをしっかり取る為角度の付いた正統なるセダンルーフが乗っかります。
このアングル実車画像有りませんでした。
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AUDI A4L V6-3.2L quattro 右真横より。
A4に比べるとリヤドアーの前後長がより長くなっており、見掛けの差は歴然です。この寸法拡大によって、A4L はCROWNの車体と肩を並べるサイズになりました。
このサイズ迄は、スポーティセダンとして通る範囲と思います(全長が5mを超えるようなクルマは、もう走り云々では無くなって来ます)。
後席頭上のルーフ形状は見掛けスムーズに丸いカーブですが、実質のヘッドクリヤランスはしっかり確保されています。
前述の通り、AUDI FOLUM BEIJING 展示ホールの独特な形状と配置のせいで、A4L のこのアングルショットは撮影出来ませんでした。
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CROWN HYBRID 3.5 右真横より。
Fグリル前端から後端に向かってグワっと斜め上向きのウェッジラインが盛り上がり、然しルーフは後席頭上クリヤランスをしっかり取る為の角度が付いたザ・セダンルーフです。
ボディ側面には、AUDI の様なプレスラインは有りません。13代クラウンシリーズはこうして真横から離れて一見すると、セダンとしての荷室容積を確保する為にリヤオーバーハングがバランスとして長めなのが解ります。
然し乍らこのモデルはHYBRIDなので、288V定格電圧の長大なニッケル水素バッテリーをリヤセクションに搭載しており、ラゲージスペースはその分制約を受けています。
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AUDI A4L V6-3.2L quattro 左ミラー周辺。
最近のクルマデザインではバックミラーの空力特性、風切騒音抑制、ピラー周辺のドライバーからの視界確保等の理由により、サイドバックミラーをピラー基部から距離を取って据え付けるモデルが増えています。然しA4L については最新モデルも従来通り、この画像のようにピラー基部に設置しています。
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AUDI A4L V6-3.2L quattro 右ミラー。
ウィンカー点滅レバーを操作すると、この様にミラー本体カバーにビルトインしたLEDライトが点滅します。空力デザイン上/風切騒音抑制上は、こうした造形を加える事はマイナスになります。
然し、このサイドミラーボディがLEDで輝くデザインは多くの人に気に入られているようです。
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CROWN HYBRID 3.5 右ミラー周辺。
『うさぎさん』が跨っているので解る通り、13代CROWNのサイドバックミラーステイは空力上/風切騒音抑制上有利な最近のデザインを採用し、ドアパネルから生えています。
更にCROWN HYBRID 3.5 は徹底した騒音低減設計が採られており、タイヤ音、風切音、エンジン音の抑制と車外騒音防音措置、及びアクティブノイズコントロールシステム(車内こもり騒音を拾って同調カウンターノイズをスピーカーから流す)等の採用によって、走行中はもの凄く静かです。
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CROWN HYBRID 3.5 左ミラー。
CROWNのミラーにもAUDI A4L 同様、サイドターニングランプが装備されていますが、この画像のミラー下に光っているランプは、夜間にドライバーがクルマに近づくと自動的に光って足元/手元を照らしてくれる『足元ランプ』です。
Posted at 2010/07/21 05:27:54 | |
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