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惰眠のブログ一覧

2008年08月02日 イイね!

回顧的備忘録・元日産デザイナー、前澤義雄

回顧的備忘録・元日産デザイナー、前澤義雄前澤義雄氏は、1990年代に日産の初代プリメーラなどを手がけたデザイナーで、いまは自動車デザインの評論などを書いている。実務をやってきた本職のプロフェッショナルなので、どこぞの有名自動車雑誌の編集主幹のように『自分がカッコイイと思ったものがいいデザイン』などという、ブッたわけた寝言は天地がひっくり返っても言わない。工業デザインの作り手として、デザインの「文法」を知っている人が、その「文法」に則って『正しく』評価を下している観が好ましい。尤も、デザインの是非と、そのデザインへの好悪はまた別物だ。

 書店で久しぶりに雑誌をぱらぱら立ち読みしていたら、マガジンXの08年8月号に、その前澤氏のインタビュー記事が掲載されていた。フンフンと軽く流し読みして……あ、もうこの記事一本だけで、この号は買うだけの値打ちがあるわとレジに直行した。

 記事のまとめ方も簡潔なのだろう(これはライターの技量と話題への理解の高さを意味する)けれども、前澤氏の短いコメントの一つ一つが、実に核心を突いている。曰く、こんな感じ。

「bBのカタチはデザインではない。動物園のライオンバスと同じことを夜の渋谷風にしただけ」……他にもあるなぁ、そういう車。上手い喩え……いや、造形屋さんとしては比喩ではなくて肌身の実感としての言葉なのかもしれない。

「(レクサスISは)カタチが堅くて熟成していない。色気のない少女のようだ。シンプルと単純はまったく違うが、それをデザイナーが理解していないんだ」……あー、すごく判る。IS見たときに、そこそこ格好はいいんだけども、何かすごく物足りない感じがしたのはそれだったのかと、百日の溜飲が下がった感じだ。巧く言語化できていなかったモヤモヤが、一気に晴れた。

「イストは、どんな車でも普通は持っている狙い、デザイナーの考えがまったくわからない。単にコストとスペースだけを考えたようで、見る人に何の感慨も与えない。まるでチリトリと一緒だ」。あー……工業『デザイン』って大変だなぁ。ただまぁ、続く記者とのやり取りも読むと、言いたいあたりはわかる。こういう『車のデザインに個性なんて望んでない大半のユーザー向け』に(小手先細工で変化をつけた)車をラインナップすることを「多様性だ」という評論家がいることについて「それは違う」とばっさり。
 全量の半分は白物家電的であったとしても、残りの半分は『所有することで誇り者てるもの』であるべきだという。こういうのを哲学って言うんじゃなかろうか。

「(GT-Rは)これは自動車ではなくマシーンのデザインだ。かといって工業デザイン的でもない。日産はスーパーカーと言うが、スーパーカーとは壊れて庭に置いてあっても所有の歓びがあるものなんだ。GT-Rにはそれがない」あーあ、言っちゃったよ、この人(笑)。
 最近僕の行動半径の中でGT-Rに遭遇することがそう珍しくなくなってきているのだけれども、出会うたびに感じる「スゴイ乗り物なのだろうけど、イイナ、ホシイナとは全然感じないなー」ってのは、つまりそういうことなんだと思う。先日、目黒トンネルの中で故障して立ち往生したらしいヴェクターW8を見かけたが、珍奇であることを割り引いても、僕なんかはGT-Rよりもヴェクターのほうを好感する。
なんて言うんだろ、精神的な「豊かさ」の問題のような気がする。

前澤氏の、個々の車に対する評点と、僕の好悪とは必ずしも相容れないのだけれども、考え方の骨格自体は、大いに共感できるのだった。
Posted at 2008/09/05 13:32:13 | コメント(6) | トラックバック(0) | 日本の車 | 日記
2008年07月28日 イイね!

回顧的備忘録・鉄の騎兵を見た

回顧的備忘録・鉄の騎兵を見た先の人事異動で24時間稼動のシフト勤務職場に移ったことが原因としては大きいのだけれど、丸一ヶ月以上もここを『留守』にしていた。気持ちの上では20代の頃と殆んど変わっていないつもりなのだが、身体のほうは残念ながら既にして不惑を迎えている。当直勤務が明けたあと、以前シフト職場にいた30代の頃とは違って、まるで電池が切れるように動けなくなってしまうのは、正直ショックだった。

 それともうひとつ、これまでの職場では「書類」を作成してはいたけれど、いわゆる「文章」を書いてはおらず、その欲求不満を晴らすため(?)にここの更新に勤しんでいた側面もあったのだけれども、今度の職場はとにかく日がな一日「文章」を書く。仕事で。
 そうなると、勤務が明けたあとも更にまた文章を考えることを、ちょっと脳みそが拒絶するというか、そんな感じがあって、ついつい足が遠のいてしまったのだった。

 そんなこんなですっかり時宜を逸した身辺雑記だが、備忘録としてまとめておこうと思う。(実家の父を「全然更新されてないが元気なのか?」と心配させてしまったのも理由だったりする……)

 さて7月28日。朝、仕事で六本木ヒルズに赴くと中央のアリーナで何かのイベントの後片付けが行われていた。見ると身の丈4メートルほどの、ドーム状の頭部を持つ「ロボット」の姿が……。ちょうど四半世紀前に放送されていたアニメ『装甲騎兵ボトムズ』に登場した、軍用ロボットの等身大模型だ。
 倉田光吾郎という、鉄を扱う芸術家……というか舞台美術の人が面白がって作っている話は随分前から知っていたのだけれども、まさか現物をこの目で拝めるとは思ってもいなかった。ちょっと感激だ。

 それにしても、乗用車を立てかけたくらいの「4メートル」という身長は中々絶妙なもので、劇中で人物と対比させて作話するにも、搭乗したらしっ放しで周辺の『環境』とは舞台が切り離されてしまうマジンガーZ以来の伝統的巨大ロボットと違い、いろいろと演出に幅を持たせ易かったろうことが何となくわかる。人間の現実的な感覚と、フィクション世界の間の敷居が低い感じがするのだった。
Posted at 2008/09/05 12:27:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | 芸能・文化 | 日記
2008年07月20日 イイね!

童夢零

童夢零広島市交通科学館で開催されている「まぼろしのスーパーカー」展には、レース・カーのコンストラクター『童夢』が製作したコンセプト・カーの、童夢零も展示されている。(フォトギャラリーにも少し掲載)当時の日産ローレルなんかに搭載されていたのと同じ2.8リッターの6気筒エンジンを運転席後方に横置きした、まぁ口さがなく言えば光岡大蛇(オロチ)のご先祖様みたいな車である。

 スーパーカー・ブームのど真ん中を過ごした小学生だった僕は、それにも拘らずなのか、だからこそなのか、実は童夢零にはあまりピンとくるものがない。零のデビューしたタイミングが、子供たちがそろそろ飽き始めていたブームの終焉期にあたったと言う事情もあるかもしれないし、和製スーパーカーの売り文句に何やら「和製アラン・ドロン」「和製プレスリー」めいたB級くささを嗅ぎ付けたからかもしれない。当時発売されたミニカー(トミカ)も持ってたりするのだが、なんかこう、いま一つファンになりきれなかった。

 でもまあ、このコンセプト・カーが製作された背景事情なんかを読むと、案外子供の直感と言うのは侮れないものだなぁなんて言ってみたくなったりする。童夢創業者の林みのる自身が雑誌インタビューなんかで内幕を正直に話しているので、そういう記事に当たればわかるけれど、童夢は、この零を作りたくて作ったわけでも(ある意味)本気で作ったわけでもないからだ。
 あくまで本業はレース屋の童夢が、たまたま「レースの仕事がなくなっちゃったのでプロモーションのために」スーパーカー・ブームに乗っかって、いかにもそれらしい外見のプロポーザルを出して存在を誇示して見せた、というあたりが真相なのだそうだ。

 勿論、本業レース屋の会社がやった、本業に結びつけるための「アドバルーン」であるからにはエーカゲンなことはしていない筈だけれども、その……なんと言うか、エンツォ・フェラーリとロード・カーの開発方針で先鋭な対立をしたフェラーリ社の主要エンジニア達が、こぞって退職しランボルギーニ社に移籍してコンチクショーとばかりに開発にいそしんだような一意専心ぶりと比較すると、やっぱりハートの熱さが違う。ような気がする。

 日産のL28エンジンを選んだのも、林みのるの弁では確か「これだけ嵩張るエンジンでも搭載できる設計だと言うことを示したかった」つまり、もっとコンパクトで高性能なエンジンを供給してくれるサプライヤーがいるなら組んで商売する用意はあるよ、という意思表示だった由。それが悪いことだとは少しも思わないが、しかし「童の夢は零になる」程度には、シビアでしたたかな大人のビジネス的打算である。いま大人の僕が聞く分には、天晴れ也と感心するけれども純真な(笑)スーパーカー少年にはキツい話に違いあるまい。

 でもま、そういう一種のあだ花のように生まれたショー・モデルが、それでも記念碑的に大事に保存されて今もまだこうして実物を見ることができると言うのは、やはり素敵なことだと思うのだった。
Posted at 2008/07/22 20:03:22 | コメント(3) | トラックバック(0) | 自動車関係のイベント | 日記
2008年07月20日 イイね!

修復されたRX500を見てきた

修復されたRX500を見てきたきのう出勤すると、明日以降の勤務シフトがバタバタと急に変更されたことを告げられた。火曜水曜の2連休に出かけようと思っていた広島市交通博物館で開催中の『まぼろしのスーパーカー展』だが、この調子だといつ行けるか分からない。エイヤッと覚悟を決めて、早朝に広島入りし、その日のうちにサッサと東京に戻る(祝日の月曜は出勤日なので)強行日程に踏み切った。

 朝早い羽田空港から空路で広島に入り、アストラムラインと名づけられた新交通システム(鉄路に鉄輪ではなく、コンクリート路面をタイヤで走る列車)で科学館のある長楽寺に行く。
 このアストラムラインの乗り心地が、すごい。僕が知っているのはポートライナー(神戸)とゆりかもめ(東京)くらいだが、僕の記憶の限りでは、新交通システムというのは割とスムーズな乗り物で、まるで舗装の荒れた田舎道をゴトゴト走る旧式バスのような揺れ方をするものではない。その認識が、かなり揺さぶられた。そりゃまあ開通してからだいぶ経っているのは知ってるけど、これはちょっとないよなあ。

 ところで僕は、てっきり博物館は10時開館と思い込んでいたのだけれど、9時半ごろに着いてみれば既に入館者がいる。9時開館だったのだ。とはいえ、朝っぱらからマツダの昔のコンセプトカー(だけじゃないけど)を見物に来館するような客は、そう多くはない。(無論、いないわけではない)

 一番の目当てであるマツダRX500は、2階に展示されていた。壁にかけられたレジュメなんかも中々興味深い。銀・黄・緑のボディ・カラーは別々の個体ではなく同じ車を塗り替えただけだとか、エンジンは結局10Aだったとか、リトラクタブル式と思われた前照灯は上から蓋を被せただけだったとか、色々「へえ」というか「なーんだ」というかの話が書かれている。

 尤も「幻の」とは言ってもモノは一品製作のコンセプト・カー。言っちゃ悪いかも知れないが、いわば「お祭りの出しもの」である。量産車ほどドラマチックな話があるわけではない。まぁガンダムなんかだとRXで始まる試作品は、量産品よりもスペシャルでカスタムだったりするわけだが、現実の工業製品で試作品が量産品より優れているということは通常ないのだ。



 実車の脇のショー・ケースには、デザインを手がけた福田成徳氏のアイディア・スケッチらしきものも展示されている。なんだかベルトーネが、フェラーリ308のシャシーを利用して作ったショー・モデルの『レインボー』だとかアルファ・ロメオを使った『カラボ』を髣髴させる案が混じっていたのもさまざまな試行錯誤を伺わせて面白かった。(フォトギャラリーに掲載
 またアイディア段階でそういう検討がなされたのかどうか、車体後半部分について実際に作成された砲弾型(というか福田氏の弁に基づけば「ワゴンにしようとしてダメを出された車形)以外にも2種類、いかにもスポーツ・カーらしい処理を施されたタイプの側面イラストもあって、これは1階の売店で売られている絵葉書の図柄に採用されている。4枚セットで300円。

 実際にこの目で見たRX500の感想だが、1970年当時の法規や社会環境の背景でそれが可能だったかの問題はあるし、運転席からの後方視界がかなり悪そうなことも指摘できるけれども、またミッド・シップにエンジンを搭載した車がお役所筋からにらまれずに済んだだろうかとも思うが、この形のスポーツ・カーが市販車デビューしてたら面白かったかも知れない。「お祭りの出しもの」として賞味期限1年程度と見切るにしては完成度が高すぎて、勿体無いのである。
Posted at 2008/07/22 00:50:36 | コメント(3) | トラックバック(0) | 自動車関係のイベント | 日記
2008年07月12日 イイね!

次期マツダ3コンセプト……?はガセネタだった

次期マツダ3コンセプト……?はガセネタだったうーん、うーん、本当なのかなあ……などと思いつつ、疑心の暗い鬼が心の片隅に膝を抱えて座り込んだままだった「次期マツダ3コンセプト」のスクープ画像だが、その後チョイと継続調査をしてみたところ(調査なんていうほど立派なもんじゃないが)レフトレーンニュース(Leftlane)という英語の自動車関係ニュースサイトに「あれはフォトショップのレンダリングだった」とガセネタを指摘する記事が掲載されているのを見つけた。そんなこっちゃないかと思ったが、やっぱりか。チクショー(笑)。

 と、これはコンチクショーなのだが、他方「これは明らかに誤報だろ」と思ってたのがホントだった話もある。これはAutoweek.nlに掲載されていた「マツダ1コンセプト」の話。
 マツダのラインナップで、海外仕向けモデルで「1」がつくのは往年の121(フェスティバ、デミオ)だ。現行ラインナップではデミオがマツダ2に「昇格」しているため1は欠番になっている。そこに「マツダ1が出まっせ、コンセプトの絵でっせ」という触れ込みでスクープ記事が掲載された。いや、オランダ語は判らないんだけど、まぁそういう話だろうってことくらいは想像がつく。

 ところが記事と共に掲載された画像を見ると「おいおい、これは『葉風』コンセプトじゃん」という按配で何しろ情報精度が低い。小型のクロスオーバー・ビークルを出すって言ったってねー……と呆れていたら、オフィシャルから発信されちまいましたよ。
 「モスクワ自動車ショーに『風舞(かざまい)』を出品します」だって。すぐにautoweekも追いかけの記事で、公式にはまだレンダリングの絵しかないのに、すでにCGか実物写真かはともかく立体モデル画像までも掲出している。ああ、でも、こっちは確かにマツダのデザインだ。少なくとも、例の「次期マツダ3コンセプト」の画を見たときに感じた「ん……なんか、ちょっと、変。のような気がする」といった違和感は覚えない。不思議なものだ。

 で、やっぱり「本物」と「贋作」の間には厳然とした壁があるのだなぁ、なんてことを思ってしまったりしたのだった。
Posted at 2008/07/19 14:49:53 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日本の車 | 日記

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