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惰眠のブログ一覧

2003年06月16日 イイね!

書かないこと、書けないこと

書かないこと、書けないこと今でこそ三十代半ばとなった僕であるが、過ぎ去りし青春の日々には人並みに青春の悩みを抱えていて、その頃は毎日欠かさず日記を書いていた。飲んでへべれけになった日も、翌日わざわざ思い出して日記にしたためるほどの偏執振りだったのも今では懐かしい。
 何でそこまで執着したかというと、所詮は感傷に過ぎないのだが、要するに「自分がこの世に斯くの如く存在した」との足跡を形にして置きたかったからだろう。だから、その日にあった事柄を何でも書いた。書かないこと、書けないことなんてなかった。
今にして思えば、これは自分自身に対する一種のメンタルケアだったようにも思える。

 ところで、大人になると、「お約束」で書けないこと、書かないことが出てくる。
 例えば車マスコミの世界では、某ラテン車が燃えやすいなんてことはないし(「お約束」に反したライターは次号で発言を撤回、謝罪)、欧州車にはプレミアム性があり日本車にはない魅力が備わっているので、値段が不当に高いということはない。
ある車がフルモデルチェンジしたとき、旧型の方がいいなんてことはない。そういう「お約束」。

 1990年代の半ば、AUTO Expressと言う雑誌が、目黒に本社を置く出版社から発行されていた。
 時、折りしもバブル経済の崩壊が深刻化し、発売される新型車は何よりもまず安価であることを競ったころである。Auto Expressは、あろうことかバブル真っ盛りの頃のカローラと、その後を継いだバブル崩壊後カローラを仔細に比較した。
いわく、トリムが減らされている、ヒンジの構造が単純化されている、装備が、飾り付けが…などなどなど。乾いた雑巾をさらに絞り尽くして、それでもまださらに絞り上げたようなコストダウンの成果を、片端から写真付きで誌面に列挙した。
そして結論は「わざわざ新型に買い換えることはない」。

 またあるときは、フルラインナップ・メーカーのボトムレンジを担う小型車と、軽自動車メーカーのトップレンジに君臨する小型車を「ここまで登録台数に差がつくのはなぜだろう。クルマの完成度がそんなに違うのか?」と実に素朴な疑問を基に比較を行った。このときの結論は「悲しいけれど、事実として大きな較差がある」。

 かくのごとく商業メディアの「お約束」を無視した、非常に面白い雑誌だったけれども、Auto Expressは、あまり長く持たなかった。1年半くらい発行されたのち、かなり唐突に休刊した。
その際の編集のコメントはたしか、仕事量とスタッフの数が見合わず人的にこれ以上の発行が困難となった、と言うようなものだったと記憶している。
 だけど僕は、休刊したのは、「それは書かないお約束」を守らなかったからなんだろうな、と想像している。そう言う事情もまた「書かないお約束」なのかもしれないけれど。

Posted at 2003/06/16 14:51:53 | コメント(6) | ふと思ったこと | 日記
2003年06月16日 イイね!

どうしても加速しない車の話

どうしても加速しない車の話ゼロナナ兄さんの日記を拝読して思い出したが、僕も以前に一度、どうしても速度の上がらない車に乗ったことがある。
カートとかチョロQカーのことではなく(第一、それらは分相応にはきちんと加速したものだ)れっきとした市販乗用車での話。

 それは東京都の島嶼部に出かけたときに移動の足に確保した国内メーカーのディーゼル・ワンボックスで、車齢は僕の車とあまり変わらないけれど、道具として使われているなりのヤレ方をした車だった。MT一本槍の僕にとって、AT車というのも「なんだかなぁ」と言う気分に拍車を掛けてくれた。

 都内の島嶼に足を運んだことのある方ならただちに了解できると思うが、「島」というのはつまり海底から突き出た山頂部分のことで、したがって島内の道路は多かれ少なかれ山岳道路の様相を呈している。
車で一周、小一時間程度の島に入ってビートだとかスープラを見つけたときは「一体こんな狭いところで…」などと思ったものだが、それは当方の認識不足というもの、むしろ23区内などよりよほどスポーツカー向けの環境なのである。

さて、そんなところで借り出したのがワンボックスのディーゼル車。僕自身はいわゆる飛ばし屋ではない(見解の相違というものは、いつでもあるものだ)けれど、道がそういう道であるからには、矢張りそれなりの走り方をしたくなってしまう。
そういうことするのを飛ばし屋というのではないかと言われれば、まあ頷かないこともないけれど、少なくともこのときの僕は、天地神明に誓って飛ばし屋ではなかった。
なぜと言うに、この車、どうしてもスピードが出ないからである。

 どのくらい出ないかというと、「時速40キロで作動するリミッターがついている」と言う冗談が、全く冗談に聞こえないくらいなのだ。ちなみに、島内の制限速度は40キロである。
アクセルを床まで踏み込んでも、はるかバックミラーのかなたに、芥子粒のように見えていたカローラ・バンがどんどん大きくなり、あれよあれよというまに追い抜かれていく。そんな車だった。
ただ、この島にただ一ケ所ある2~3キロの平坦な直線路で同じことを試すと、永遠とも思える長い時間をかけて都内の幹線道路を速いペースで流すくらいの速度に到達することは、する。問題なのは、そこまで速度を乗せてしまうと停まれる保障がなくなってしまうこと。ブレーキもへたり切っていたからだ。

これだとさぞかしストレスになりそうなものだが、意外にも僕はこの、散々な車の運転を楽しんでいた。同乗者からクレームが出ない程度の配慮はしつつも、プアなブレーキと貧弱な旋回性能のギリギリで、山坂道のコーナーをくるりとクリアしたり、耳を聾する轟音を発するエンジンに情け容赦なく鞭をくれたり。

つくづく、その気になればどんな車でも「スポーツ」はできるものだと思った次第。島のタクシーの運転手さんにそんな話をして、本土から自前のスポーツカーで来る観光客もいそうですね、と水を向けると「それはありませんよ。だって、島でしょ。潮風や海水のしぶきですぐ傷んじゃいますもん」とのお答え。
なるほど、ごもっとも。

いまこの島は、火山の噴火で全島避難の対象となり、基本的に住民はいない。たまにテレビニュースなどで見かけると、僕がワンボックス車をいじめた道が、泥に埋まっていたりして、なんとも哀しい気分にさせられる。
一日も早く、火山活動が収まって元の島の様子に戻ることを祈って止まない。
Posted at 2003/06/16 13:02:08 | コメント(1) | ふと思ったこと | 日記

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「フェアレデーって本当に呼ばれてたの? http://cvw.jp/b/9433/47108671/
何シテル?   07/24 21:51
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