そのスタッドレスタイアですが、まあめんどくさいんです。
先日のことですが、霞ケ浦のほうにあるヨコハマモールドという会社と工場を見学するチャンスがありました。
ここは、タイアの製造過程の加硫といわれるプロセスの時に使われるモールド、つまりタイアの「型」を作る専門会社です。
その時に使われるモールドは、精度高く作るのが難しいとされるアルミ製で、最後に出来上がったタイアを”抜く”必要があるので、円周に沿って8~9分割で作られます。これを精度高く組み合わせられるように作るのもメンドクサイ。
ちょうど見学できたのはスタッドレスタイア用のモールド制作でした。これが実にメンドクサイ工程でした。
まずは樹脂製のマスターモデルを作ります。
トレッド面にスタッドレスタイア特有の”サイプ”を形成するためには、ステンレス製の小さなブレードを製作し、それを手作業で樹脂に埋めています。見えますか? 後方に小さく見えるのがそのブレードです。ワンセットのモールドに使うブレードは4,000個ほど! メンドクサイ。
このマスターモデルにラバーを当てて次に作られるのがこちらの型。
2番目は雌型となります。アルミの台座の上に出来上がったラバーの反転雌型。
これにはサイプ・ブレードでできた溝ができているので、そこにまた2次型ブレードを埋めていきます。メンドクサイ。
そうしてできた雌型に、次に流し込むのは石膏です。
もうここまででかなりメンドクサイでしょ。
で、ここで出来た石膏製雄型には、前のラバー雌型に埋め込まれたブレードが抜けて付いてくるんですね。つまりは、最初のマスターモデルに埋め込んだブレードに比べ、ラバー雌型に埋め込まれたブレードは根元の形状が違っていて、抜けてくるようになっているんですね。メンドクサイでしょ。4,000本ですよ。毎回手で埋め込むんですよ。
そして、ついにこの石膏雄型にアルミ湯を流し込みます。
で、ここまでせっかく作った石膏雄型を壊して取り出すのがアルミ製モールドとして完成のこちら。
ようやくです。
でもさらにこれから、分割を擦り合わせて円形モールドに組み立てるための調整作業やらがあります。
どうですか、超が付くメンドクササでしょ。
これがタイア製造工場に送られて使われるわけです。タイアを製造する本数によって、このモールドセットが何セットも必要になるそうです。
途中の各型が出来た時点で、欠けや余分なバリなどが無いかどうか精密な目視チャックが行われ、あった場合には手作業で削り取ったりして修整されます。メンドクサイ。
この作業のために、元歯科技工士のかたが何名かいらっしゃるそう。わかります。
これを見てしまったら、普通のタイアに比べてスタッドレスはもっともっと高価でいいと思ってしまいました。ほんとに。みなさん、スタッドレスは心して履きましょうね。
さて帰路で前にいるのは、同じAJAJ会員さんのトヨタ・ミライ。
クルマもスタンドも増えませんねぇ。未来のクルマへの進化過程もメンドクサイ?
イイね!0件
森川オサムHP ”Sur le sommet du Col de Turini” カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2011/01/21 15:23:34 |
![]() |
ランドローバー レンジローバースポーツ Velar から Sport へ戻りました。2mの車幅は我慢です。 |
![]() |
ポルシェ 993 カレラ 3台目の911。快調に働いています。 |
![]() |
アバルト 500 (ハッチバック) プジョー206のあとがま。ワンぐるまとしても活躍しました。 |
![]() |
ランドローバー レンジローバーヴェラール 車幅がちょっと大きすぎるレンジローバー・スポーツから乗り換えました。 |
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!