昨年の春に東京は池袋で起きた痛ましい事故。当時88歳だかの高齢ドライバーが運転するクルマが暴走し、結果として母子が死亡した事故のことを覚えていらっしゃると思います。その初公判が開かれたとニュースが報じていました。
なんでも被告は自分はスロットルを踏み続けたことはなく、クルマ側に不具合が発生して暴走したと発言し、弁護人もそう主張してるんだとか。
そこでふと思い出したことがあります。
一年以上前になりますが、ドイツの大手電装品メーカーであるボッシュに勉強に行ったときに聞いた話です。
現在のクルマの多くにはドライブレコーダーが標準装備されているということ。ここで言うドライブレコーダーとは、あおり運転のおかげで(?)売れている、カメラで映像を撮る後付け装置ではなく、車両に元から装備されている、飛行機で言うフライトレコーダーのブラックボックスみたいなもののことです。
ある程度以上の衝撃を感知すると、そのインシデントの数秒前からのクルマの各種のデータを装置内に記憶しておきます。各種のデータとは、スロットルがどのくらい開けられていたとかブレーキ圧がどのくらいかかっていたとかどの向きにどのくらいの加速度が生じていたかなどを速度データと一緒に時系列で収めたデータです。かなり細かいデータ。
このデータは、ある資格を所持したヒトが、そのレコーダー装置に特殊なテスターを繋いで読み取った後で分析して資料とすることができます。映像データはもとから存在しません。
でも、この作業をするには問題がひとつあるそう。
欧米では事故が起きると、メーカーや保険会社などが資格者を送り、データを採取して分析が行われているようなのですが、日本では資格者がまだ少ないうえにめんどくさいことがあるのだとか。それは、現在の日本の法律だか条例だかで、車両に付属するレコーダーは車両の所有者のもので、その中身のデータもその所有者のものだということにされていて、所有者本人の承諾が無い限りデータの読み取り自体ができないそうなんです。
確かあの事故の加害車は古くはないプリウスだったと思うので、このレコーダーは装備されていたのではと思います。データが読まれたのかが気になります。
日本ではまだそんな状況なので、果たして読みだされたとしてもそのデータが裁判での証拠物証になるのかどうかは怪しいですが、何らかの参考にはなるのではないでしょうか。
以上、1年以上前の記憶をもとに書いたので、正確ではないところもあるかもしれませんが、気になったので。
いずれにせよ、亡くなられた母子のご冥福をお祈りすると同時に、残されたご家族の無念を思うと心が痛いです。少なくとも正しい裁判が行われることを祈ります。
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森川オサムHP ”Sur le sommet du Col de Turini” カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2011/01/21 15:23:34 |
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