第2次世界大戦のとき、わが零戦の脚の緩衝器を造っていたメーカーが、今は最新のLEXUS LCの可変式ダンパーを造っています。
先月のことですが、岐阜県は美濃加茂にあるKYBの工場と開発実験センターを訪ねる機会がありました。
KYBとは2年前からの新社名で、以前はカヤバ工業といったメーカーです。カヤバって、創業のころは萱場と書きました。もうすぐ100年を迎えようとしている歴史の長いメーカーです。
これが最新レクサスLCに使われている可変式ダンパー(難しく言うと「比例ソレノイド減衰力調整式ショックアブソーバー」)を縦に切断したもの。
ダンパーの筒の横に取り付けられたチャンバーが、その可変のもとです。内部にはものすごく緻密なパーツが組み合わされています。これを電子的に自動制御するわけです。これだけ見ても、コンベンショナルなダンパーよりかなり高価であろうことがわかります。コストは約10倍だとか。
開発実験センターには、小さなサーキットもあり、そこで走りを試してみることもできました。
コースの途中には不整路面もあり、自動可変の有難味を体験することもできました。
いまやKYBはダンパーのみならず、このような電動ステアリングも造っています。
これは最新のステア・バイ・ワイアに用いられるユニット。自動運転に向かうのになくてはならないものですね。
そしてこちらはCVTトランスミッションのケースの中で、オイルを循環させるためのベーンポンプ。これも造っています。
少しでも小さく、軽く、吐出量が多いポンプを創るために日夜努力を重ねているそうです。まさに”縁の下の力持ち”です。
社員一丸で、とてもチームワークが良いメーカーのように感じられました。
Posted at 2017/11/06 23:22:55 | |
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