ブリヂストンの冬用スタッドレスタイアであるBLIZZAKのニューモデルが発売になりました。モデル名はVRX3で、1988年の初代BLIZZAKであるPM10/20から11代目となります。
その新VRX3を実際に試すことができました。
場所は1年前に千葉は船橋にできたアイススケート場。スタッドレスを冬以外で試すためにタイアメーカーさんはタイヘンです。
こんな広さですから、ごく低速での挙動レベルしか試せませんが、それでも違いはわかります。
最初に試したのは新タイアのトレッドパターンによる性能。VRX3を履いたプリウスと、使われている最新の発泡ゴムは同じでもパターンの無いスリックタイアを履いたプリウス。
こりゃ違うでしょ。それはもちろんなのですが、ラバーが優れているせいなのか、スリックもそこそこは走れるんです。
見た目はゾッとしますが。
もちろんパターン有りのほうが圧倒的な勝ち。
次に試したのは、VRX3 vs 初代PM20。
初代はいかにも”スノータイア”ってトレッドですね。現代のスタッドレスはできるだけ接地面積を大きくとって性能を上げている方向なのがよくわかりますね。
この対決もはっきりと差が出ました。
因みに今回使われた初代タイアですが、当時の発泡ゴムで製作したそうなのですが、型が無くなっていたそうで、パターンは工場在籍の匠が手彫りで作ったんだとか!
まずはスリック状のトレッド面にパターンを書き入れて、縦の溝を彫ります。
それから横の溝を彫ります。
そしてサイプなどを入れて完成。
凄い作業ですよね。まさに匠の技です。
さて、この現在のスタッドレスタイアですが、一般のドライバーのかたに是非知っておいて欲しいことがあります。
まずは雪路性能と氷結路性能は相反するということ。日本の雪国の路面は世界的にみても特殊で、つるつるのアイスバーンが多く生まれます。
ヨーロッパは気温が高いので雪とウェット路がメイン。
北米は気温が低く圧雪路がメイン。
ロシアや北欧は気温が極めて低いので乾いた凍結路。
日本は0℃付近で上下するので、溶けて凍結してを繰り返し水が乗ったつるつるの凍結路が出現。
というわけです。
なのでアイス性能の向上が望まれ、そのためには仕方なくスノウ性能をある程度犠牲にしているということです。
さらに気をつけて欲しいのは、先に書いたように現在のスタッドレスは接地面積を増やしてアイス性能を上げているので、結果的に溝の面積が小さく、ウェット性能が低いということです。雪国のドライバーでなければ冬季にスタッドレスを履いていても白い上を走ることは少なく、ウェットの高速道路を走ることが多かったりしますよね。だけどウェット性能は低いんです。
なので充分に注意して走ってくださいね。このあたりはメーカーさんんももっと啓蒙してもらわないとと思います。たぶんウェット性能が低いと思っているドライバーさん多くはないのではないかと思うので。
Posted at 2021/10/22 23:39:11 | |
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