米政権が変える中東の勢力図

サウジアラビアのサルマン国王（右手前）の歓迎を受けたトランプ米大統領＝２０１７年５月２０日、リヤド（サウジ王室提供、ロイター）


昨年の５月、トランプ大統領は同盟国サウジアラビアを訪問し、イスラム教シーア派イランとの対決姿勢を強調した。
サウジアラビアはイスラム教スンニ派の盟主であり、イランとは２０１６年１月に断交している。

１月２９日

【佐藤貴生の視線】

中東を取り巻く情勢の変化の早さ痛感　米政権が変える勢力図

その翌６月には、カタールに対して、サウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦（ＵＡＥ）、バーレーンの中東４カ国が一斉に国交断絶を発表した。
カタールがエジプトのイスラム原理主義組織ムスリム同胞団を保護していることと、サウジと対立するイランに融和的だとみなされていることが理由らしい。

イスラム教の二聖地メッカとメディナを抱えるサウジは、スンニ派アラブ諸国をまとめ上げ、シーア派大国イランの台頭を封じ込めようとしている。カタールはその足並みを乱しているということのようだ。

【カタール断交】
サウジやエジプト、なぜ断交？　「兄弟げんか」これから仲介の動きも

さて、
中東は、クーデターや内戦など不安定ながらも、近年では主要国が直接対決する戦争は起きていなかったが、内戦中のシリアという火薬庫を舞台にイスラエルとイランが直接対決する戦争の懸念があった。

２月２０日

【緯度経度】

イスラエル空軍が宿敵イランと直接対決　米不在の中東、迫る次の危機　三井美奈

結局、米国の介入の仕方に問題がないとは言わないが、介入しても、身を引いても火種が尽きないということだ。

１２月２９日(平成２９年）

【湯浅博の世界読解】

中国にほかならない、米国の「中東シフト」を喜ぶのは

いずれにせよ、中東問題は複雑で根が深いので、米国には東アジアの悪の枢軸退治を先にお願いしたいものだ。