私の1.17

寝床でカタカタカタという細かい振動を感じて目を覚ますやいなやグラグラッときて本棚から本が崩れ落ちるのを押さえながら「ああ、人間死ぬときちゅうのはこんな感じなんや」なんて感じたことを覚えています。

直後に母親から電話があって「えらいこっちゃ。南海地震やで！」なんて。

押っ取り刀で支度を調え自動車で勤務先(当時は岸和田)へと向かったのですが近くの高野線踏切が閉まったまま。

遠回りしている最中余震があったのですが8時30分ギリギリに職場到着。

ところが教員も生徒もほとんど登校していない状態。

そりゃそうです。阪和線も南海本線も動いていないんですから。

体育教官室にあるテレビでは刻々と増える死者数が伝えられ....当時はネット環境もありませんでしたから。

校舎も所々壁に亀裂が走り生物室では水槽が倒れて亀が歩き回って...

昼過ぎに帰宅すると上空を多数のヘリが神戸方面に向かって飛んでいましたっけ。

それから一週間ほど後知人の様子を見に六甲道へと向かいました。

阪神は青木までしか走っていなかったのでそこから歩きましたが倒壊した建物と「〇〇にいます」という段ボールに書かれたメッセージを無数に見ました。

グニャグニャに曲がった阪神高速とウインドウの割れた車と公園に集まっている人々と。

町全体が埃っぽい匂い。ある公園の前を通った際「兄ちゃん、食べるもんあるで」と声をかけてもらったのにはビックリすると同時に何か申し訳ない気持ちになりましたっけ。