近くのディーラーさんにニコルから「XD4の試乗出来ます」と連絡をいただいたので、世田谷に出掛けてみました。
試乗車は東京モーターショーに展示してあったメタリックレッドの車かと思いましたが、ブラックでした。XD4はエンジンの関係で左ハンドルオンリーです。車内は赤のナッパレザーの内装で結構お洒落でした。
ホイールは22インチの鍛造で50万円のオプションですが、4輪で15Kg近い軽量化になるようで、実際乗り心地も標準の20インチより良いそうです。注文される方のほとんどが選択されているそうです。
乗り込むとポジションはやや高いですが普通にシートが合います。エンジンは既にかかっていましたが、さすがに静かでディーゼルのカラカラ音は皆無。試乗車は既に2960Km走っており、ニコルで慣らし運転済みのようです。以前のモデルからずっと、慣らし運転を済ませてから試乗車にするところに見識を感じます。
カタログではこんなメーターになっていましたが
実際にはG20型ALPINA B3のような新型の反時計回りタコメーターになっていました(写真はB3のものです)。ステアリングはラヴァリナレザー張りで、BMWの標準ステアリングよりやや細身なので個人的には好みです。
久し振りの左ハンドルなので恐る恐る発進しましたが、ポジションが高いこともあってXD3の試乗の時とほとんど変わりません。車幅は少し気になりますが、都内の環八を走る分には問題無しです。
第三京浜に合流しましたが、幸運な事にやや道が空いていたので前が空いた時を見計らって加速しましたが、凄い加速です。
トルクもパワーも両方ある感じで滑らかに吹け上がる上に力量感があります。以前試乗したXD3ではどちらかと言うと軽やかにリミットまで吹け上がる感じでしたが、XD4は明らかにパワーが違います。
カタログからの比較の図ですが、規制前で350ps/700Nmだった先代のXD3と比べてもこれだけの差があります。性能曲線通りで、XD3が4000回転を超えると綺麗に回るもののパワー的にはやや落ち加減(それでも他社のディーゼルエンジンよりは軽やかに回るのですが)なのに対して、XD4はパワーが持続しており、スイッチトロニックを使ってマニュアル変速で引っ張ると5000回転のレブリミットまで一気に吹け上がった上に軽いショックを伴って上のギアに変速します。まるで本来は6000回転まで回るところを無理に5000回転でカットしているくらいの印象です。グラフ上での50Kw(ほぼ70ps)の差が実感出来ます。
それでいて、エンジン音は
直6の澄んだ気持ち良い音の上にとても静か!!
スポーツモードにしても
以前試乗した740dやS400dよりも静かで上質で「本当にSUVなの、これ」といった感じです。人によっては物足りない、と思えるくらいかもしれませんが、ディーゼルエンジンの性格から考えるとこれで大正解だと思います。
以前から何度か使わせていただいている比較グラフですが、標準のBMWの直6ディーゼル(740d 、X3-M40d)がやや軽やかに回る感じなのに対してXD3は緻密さと気持ち良さが加わり、S400dはトルクを感じさせながら力量感がある感じです。それに対してXD4は全車の良いとこ取りといった感じの上に実際パワフルでなおかつ静かです。XD4と比較するとX3-M40dは「4気筒ディーゼル?」と思われる程の違いがあるので、価格を別にするとXD3とX3-M40dの間で迷っても、XD4とは大差がある感じで明らかにグレードが違う印象でした。
もしタコメーターのリミットが7000回転になっていて事前に情報無しに乗っていたら、「何てパワフルなV6ターボなんだろう、もしかするとV8?」と勘違いしてもおかしくないほどで、ガソリンに対するデメリットは全くありません。BMWのガソリン直6の「40i」はもとより、
メルセデスの直6の「E53」や「AMG-43GT」グレードと比較してもパワフルで上質なので、セダンやワゴンにも積んで欲しいです。ドイツ本国ではこれに近いエンジンが本家BMWで「M50d」として普通に買えるので、本当に羨ましいですね。
タコメーターと言えば、アルピナのメーターはブルーのバックにレッドの指針なのでとても見易く、これなら反時計回りでもあまり気になりませんでした。これも好印象ですね。
トップの8速での100Km/hだと1200回転辺りなのですが、そこからの加速でも我が家のミドリーヌ号よりも滑らかで速いです。今まで乗ったディーゼルエンジンではダントツに高性能な上に上質です。エコプロモードにすると加速はやや緩やかになりますが、それでも充分以上に速く、エンジン回転が表示されないので完全オートマの感じです。
第三京浜の途中のインターで降りてUターンする間に荒れた道も通りましたが、乗り心地も良く22インチの鍛造ホイールから想像するような硬さはありませんでした。G20型3シリーズの方が固めなくらいでした。
大きさ(車幅)と重さのため、現在住んでいる地域では苦しいものがあるのですが本気で欲しくなりました。敢えて言えば5シリーズにこのエンジンを積んで左ハンドル専用の「D5S」ならもっと良いですし、3シリーズなら超歓迎です。クアッドターボの耐久性については不明ですが、ツインターボのミドリーヌ号が22万Kmノートラブルなので、11万KmはOKかも(爆)。
本来だと注文から納車までに半年以上掛かるのですが、ニコルが事前に発注した即納車が何台かあるようですので、興味のある方は実際にお出掛けしてみても良いと思います。ショールームにも1台置いてありました。
他にもショールームには現行ALPINA D4Biturboが置いてあって、残りは2台だそうです。
今度の4シリーズは残念?なグリルになってしまうため新型B4/D4は出ない(グランクーペの可能性はあるようです)ので、気になる方(私もです)は早めのチェックが良いかもしれません。
また残念なニュースと朗報があり、いまだに発表の無い新型D3はどうやら今年の11月からの生産らしく、ミドリーヌ号の次回車検時の箱替えには間に合わない事が判明しました(涙)。ただ、XD3よりは若干パワーアップされるらしいので楽しみです。パワフルで上質なXD4か、ツインターボだけれど300Kg軽いD3か、悩むところですね。
D5Sの方もLCIのタイミングで若干パワーアップするようですが、こちらは実際の納車は来年になるようですので、もう1年待てる方には朗報ですが微妙ですね。
Posted at 2020/02/12 17:15:03 | |
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