新レギュレーションになってからは破竹の快進撃を続けているレッドブルですが、他チームはその速さの秘密を探ろうと躍起なようですね。先日のモナコGPではペレス選手がクラッシュした際にマシンがクレーンで吊り上げられましたが、他チームはその写真を撮りまくって解析中のようです。
それにしても、速さを抑制したりオーバーテイクのし易さを狙ってFIAは色々エアロに制限をかけますが、他の部分が複雑化して本当にイタチごっこですね。
以前はアウトウオッシュを狙ってフロントウイングが複雑怪奇な形になっていました。平面的な絵で見るとそれほどでもなさそうですが、
写真で見ると何だか分からないほどの凄い形になっていますね。それが制限されると
今度はサイドポンツーン周りのバージボードがこれまた複雑怪奇な進化を遂げていました。こちらはメルセデスのマシンですが
フェラーリもブーメラン型のバージボードで訳の分からないような形になっていますね。図や二次元の写真では一見してどんな風になっているか不明な造形です。実物かモデルカーを見ない限り把握出来ない感じです。
この時期のレッドブルのバージボードも複雑で、どうしたらこんな形状を考え付くのか本当に不思議です。
そして2022年からのグランドエフェクトカーの規定ではフロントウイングもバージボードも簡略化されてエアロは分かりやすくなるのかと思いきや、今度はフロア周りが複雑な造形になってますね。前方からの切れ込みが凄い曲線ですし、フロアのエッジも何を狙っているか分からないようなカーブや切れ込みが多いです。
話題のレッドブルのフロア構造ですがこちらも複雑で、写真に撮ったくらいでは詳細が把握出来ないほどの三次元的なフォルムのようですね。撮った写真をマクラーレンのチームは100人の空力担当が解析しているようですが、フロントウイングや、サイドポンツーン、ディフューザーやリアウイングが一体となって空力の効果を発揮しているのでここだけコピーしてもあまり意味が無いらしいです。
それにしてもレッドブルのエンジニアのエイドリアン・ニューウェイ御大は古くはウイリアムズ時代のFW14に始まってFW15C、FW18、FW19、マクラーレンではMP4-13、レドブルではRB6-RB9、エンジンがHONDAになってからもRB17、RB18と30年間に渡って数多くのチャンピオンマシンを生み出しているのは信じられないですね。
おまけにCAD全盛の時代でも手書きでデザインしているとかいう噂もありますし、2022年からの新エアロ規格でもポーパシング現象をいち早く把握してシーズンデビュー時には問題無い程の対策をしてしてくるなんて、天才を超えて神技ですね。
シーズン当初はゼロポッドだったメルセデスや、バスタブ型だったフェラーリも結局レッドブル型のサイドポンツーンに形状変更していますし、如何に2022年規定をしっかり解釈して最適解の設計をしたかが分かりますね。今シーズンはまだどこのチームも追い付けないのではないでしょうか。
Posted at 2023/06/17 06:21:37 | |
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