今回も86(穹)ではなく、86(白)さんのお手伝い整備です。
今回のメニューはリアデフの後方ブッシュ交換です。
というのも前回86(白)のリアスタビリンク交換したときに見つけた…
↓コレ↓
リアデフ後方右側ブッシュにひび割れあり。
なので、このブッシュの交換を画策。お店に頼むと工賃が6~7万くらいかかる?的な感じらしいし、専用の工具も約3万円という。。。
当然、自作/自主整備ですね。
油圧プレスが使えると簡単なのですがプレスでやるには足回り全バラしてメンバー摘出になるので、車載のまま作業できるように自作で治具を作ってみます(笑)
抜き取りと圧入には外輪の金属部分をピンポイントで押す必要があるので、先に部品を用意してもらい、採寸して使えそうな部材をホームセンターで買って加工します。
左のブッシュはφ85mm、右のブッシュはφ89mmの円形が必要。
こんな感じでサイズを揃えて見ましたが、結論を言うとコイツ等全然機能しませんでした(笑)
圧入されたブッシュの固着が凄くて歯が立ちませんでした。
なので、作業中に部品調達して加工していくという暴挙に(爆)
リアデフ周りの作業スペース作りの為、マフラーとセンターパイプを摘出。
スタビも下に退かして後方デフブッシュが良く見えるように。
※液垂れが見えますが、グリス漏れではなく浸透液です。
どの86もこの右側ブッシュがひび割れしてます。ブッシュの荷重の受ける方向とデフの動きの所為なんでしょうね…。
右側のブッシュはこの飛び出し量を計測しておき、打ち換えたブッシュも同じ量にします。
測定すると13mm。取付け時はこの量を目指します。
デフの前方/後方のボルトを抜き、ジャッキで下げておきます。
ペラシャとドラシャのユニバーサルで結構動くのでシャフトはそのままでデフをここまで降ろしても問題ありません。
作成した治具+当て板として既存のベアリングレース(φ74)を当ててM8ボルトでブッシュの打ち抜きに挑むも…
メリメリ…とブッシュ以外が動く感じが…。
ブッシュが抜ける側のカップが歪みました。75Aの塩ビ管キャップだったんですが、固着ブッシュを抜くのには耐えられず…。
大した圧入力ではないので肉厚のある塩ビ管キャップなら耐えるかと思ったのですが、思いのほか固くて動きませんでしたね。
ならばと金属で作り直し。鉄材を溶接で四角いカップ状に。
M8ステンボルトを締め込んでいくと…。バキンッ…バキンッっとすごい手ごたえだがブッシュは動かない。
で、バーンッっとM8ステンボルトが破断(爆)
(´Д`)マジか…
M8のステンボルトを破断させる力を掛けてもブッシュがびくともしない(爆)
M8じゃダメだ。とW1/2ボルトで再設計します。
打ち抜く用のφ89mm円板も強化。φ90丸座金を削ってφ89に。
この板厚なら絶対に負けないでしょう。
抜ける側の四角いカップも締め込むと歪んだので丸座金をあてて変形防止しないといけないレベル。。。
ここまで補強して締め込んでいくと…
バーーーンッ(耳キーン) っとすんごい音してようやくブッシュが動きました。
一度動いてしまえばあとは大丈夫。
ようやく抜けた。
圧入の接触面積は大してないのですが、すごい力が必要でした。
右が抜いたブッシュ。左はTRDのブッシュです。
圧入風景。
圧入はスルスルと簡単に入ります。
この感触をイメージしていたので、最初の治具にそこまで必要強度を求めてませんでした。
やはり固着は恐ろしい…。
元の突き出し量13mmまで圧入完了。
左側もやるつもりでしたが、準備したM8ボルト治具では無理そうなので、治具を作り直す必要あり。
時間的に厳しいので左側は一旦諦めて復旧し、後日再度実施するようにしたいと思います。
デフを元の位置に上げて、前後のボルトを入れます。
前側ボルトが95Nm、後側ボルトが62Nmの締め付けトルクです。
あとは諸々マフラーまで元に戻して作業は一旦完了。
ブッシュ2つをやる予定でしたが治具作り直しの為、進捗50%にて復旧。
5月末から私の仕事が忙しくなるので、残りのブッシュ交換は結構先になりそうですが、一旦外したものは整備してから組んだので次回はスムーズに外すところから始まれるはず。
あとは治具の作り直しですね。私の仕事が落ち着く頃までにA師匠がのんびり加工しておいてくれるとのことなのでよろしくお願いします。
という事で、あまり自主でこの作業をやろうとする人は居ないかと思いますが、治具を自作する際はかなりの強度で作らないと初動が動きませんのでご注意を。(自主でやる人以上に自作する人はもっと少なそうですが…。)
Posted at 2023/05/14 19:58:17 |
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