
北海道東部のとある地方。そこは「シベリア」と呼ばれている。
そしてそこには、赤いスイフトに乗るコロポックルが生息しているという、もっぱらの噂だが、その姿を目撃したひとはごくわずか。そのため別名「ツチノコ」とも呼ばれているらしい。
さらにそのコロポックルは、あるものを取ることで知られている。それは「笑い」。しかも誰もが取られるという、もっぱらの噂である。
その噂は本当なのか、取材班はシベリアに向け、クルマを走らせたのである。
当初天気予報は午前中曇り、午後から晴というものだったが、ものの見事に快晴。これもコロポックルの力なのだろうか。
そしてシベリアに入り、コロポックルを探していると…前に赤いスイフトが!
しかしおかしい。このスイフトをよく見て欲しい。ドライバーが乗っていないのだ!シートはレカロとおぼしきものが付いているために、ヘッドレストが低くなっているのにもかかわらず、ドライバーの姿が見えないのだ。
もしかして、シベリアではいち早く、今話題の自動運転が実用化されているのだろうか?
混乱する取材班を尻目に、赤いスイフトは慣れた様子でシベリアの街並みを駆け抜けてゆき、後を追うと、洗車場に入っていくではないか!
おお、ついにコロポックルを発見!どうやらコロポックルの魔法でスイフトは走っていたらしい。
コロポックルは洗車好き、の噂は本当だったのだ。
唯一残念だったのが、この時期にしてはきつめの冷え込みだったとは言え、洗車場の床面に積雪がなく、冬季限定と言われる、コロポックルがペンギン化した姿を見られなかったことである。
ちなみに赤いスイフトは、8歳になるというのに、ドア内側の汚れまで綺麗に拭き取られて、新車のようであったことが印象的であった。
ここで取材班は意を決して、特殊な交渉術を行使。その内容は極秘事項となっているためお伝えできないが、無事密着取材が可能となった。
ちなみに取材もしくは捕獲目当てでシベリアを訪れる者は多いとのこと。さすが人気のコロポックルである。
穏やかに走る赤いスイフトの後を追い、30分ほども走ったであろうか、景色の良い駐車帯でスイフトが停車した。
澄み切った空に、沼の向こうには、白いものを被った山も見える。
この時時計の針は、既に昼を過ぎていた。景色を堪能した後は、腹ごしらえをすべく、さらに走る。
と、1軒のお洒落なレストランにスイフトは入って行く。
コロポックルによると、ラクレットが美味しいのだという。これは期待できそうだ。
取材班は、ハンバーグラクレットを注文。客席のすぐ横で、ラクレットオーブンでチーズを溶かしてからめてくれ、期待通りの美味しさであった。
昼食を摂りながら取材を続け、コロポックルの「朝はシリアル派」と言った
いらん情報極秘情報の入手に成功するのである。
取材に熱が入り過ぎ、気付くと15時を過ぎている。この時期シベリアの昼は短い。日も傾き始めているので、
グラビア撮影のため、さらに移動することになった。
既に陽はかなり落ち、地平線の向こうに光が落ちてゆく。
川沿いのロケ地に到着した時には、林の向こうに陽は落ちて、空が染まり始めていた。
と「あ、あれ!」とコロポックルが対岸を指さす。
をを、あれはタンチョウではないか!
最初は2羽に見えたが、実は3羽おり、時折独特の鳴き声までも披露してくれたのは、僥倖であった。コロポックルの吸引力、恐るべし。
黄昏の自然が実に美しい。時間的、ロケーション的にもこれほどタイミングが合うとは。
夜の帳が降り始めた空には、一番星。
こんなにも、美しい風景を収められるとはまさに奇跡のようであり、密着取材の価値があったと言えよう。例え放射冷却で急激に冷え込み始め、寒さで震えていたとしても。
幻のコロポックルと赤いスイフトに遭遇、撮影も成功した取材班は、夕闇に包まれたシベリアを後にするのであった。
なお、このレポートはノンフィクションかもしれず、登場する人名、地名は実在のものと関係ないかも知れないし、あるかも知れない。
ネイジュさん、ネタ提供ならびにご案内いただき、感謝申し上げます。^^
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オフ会報告 | クルマ
Posted at
2016/11/25 20:40:04