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イイね!
2011年05月11日

海辺の町にて -1-

海辺の町にて -1-  さて、すっかり報告が遅くなりましたが、この連休はちょこちょこと「何シテル?」に書いていたように、東北へ行っていました。

 震災以降、現地ではガソリン不足、物資不足等の騒ぎもあり、自重していたのですが、4月に入ってようやくそれも落ち着いたようなのと、連休で少し時間が取れたので、向かうことにしたのです。


 それと、北海道の友人が3月末より山田町へ災害ボランティアとして赴いており、そこへと、仙台へも妹2号一家をはじめとする、オートバイ仲間への陣中見舞いを兼ねて行こう、というか、そちらがメインの目的、でした。

 あったことを全部書くと、とてつもない量になってしまうので、ダイジェストですが。(と言いつつ、それでも長文になってしまいましたが。m(_ _)m)

 北海道に戻ってから、ここまで遅くなったのは、伝えたい気持ちと、書きたくない気持ちの間で揺れていたためです。

 いつものわたしのブログは、馬鹿なことを書き殴って笑ってもらうことを目的としていますが、今回ばかりはおちゃらけに書けませんでした。
 自分で読み返しても、堅い文章なのですが、内容が内容であったのでどうかご了承を。




 盛岡から国道106号線を東に向かうと、県内外ナンバーの、作業車らしいクルマが若干目立つくらいで平和そのもの。ゆっくり走る、山田線の2両編成を追い越すと、春の穏やかな陽差しも相まって、ともすると震災地に向かっていることを忘れてしまいそうになります。

 が。

 そんな呑気な思いは、宮古道路から国道45号を見渡した瞬間に、打ち砕かれました。

 わたしが生まれ育った盛岡から最も近い、海の町、宮古。
 子供の頃は、あるときは父の運転するクルマで、あるときは山田線に揺られ、日帰りでも行ったものです。いちばん身近で、それでいて独特の雰囲気を持つ、わたしの好きな町並みは、もうどこにもありませんでした。
 それはまさしく惨状、と呼ぶにふさわしい、瓦礫の山の数々。いくらテレビの画面を通してわかっていたつもりになっていても、実際に自分がその地に足を踏み入れ、この目でそれを見た時の衝撃はかなりのものでした。

 言葉がない、とはこのことです。


 それでも国道上はずいぶんと片付けが進んだようで、連休とあってクルマの台数はけっこう多いものでした。

 そして30分ほど南下し、入った山田町の風景もまた、国道脇に積み重なる瓦礫と、骨組みだけになったビル、ぐしゃぐしゃに潰れ、ペイントで「撤去OK」と書かれた多くのクルマや漁船。


 それらの間をすり抜け、船越半島の付け根にある、友人が待つボランティアセンターに向かいます。
 半島の入り口の広場は集積所になっているらしく、瓦礫の山と廃車輌が積み上げられ、重機が忙しく作業をしています。奥の方には潰れただけのクルマもありましたが、積み上げられているクルマのほとんどが、錆で真っ赤なのが気になりました。いくら海沿いと言え、あんなに全体が錆びるものだろうか、と、ぼんやり思いながら、目指すセンターへ到着しました。

 迎えた友人は、北海道のNPO法人を率いて、山田町の依頼でこの地へ入り、行政とボランティアの仲立ちをして、仕事の振り分けなどを行う、ボランティアセンターを立ち上げました。河川捜索の専門家なので、海上捜索活動をはじめ、警察、消防、自衛隊、海保などの各捜索隊との連携作業、支援物資の振り分け、各県からの行政応援の連携、治安パトロールなど、その活動は多岐にわたっています。

 ここは、このセンターで支援物資を管理していて、被災者向けは行政、団体からのみ受け入れするため、スタッフ向けの個人的支援物資のリクエストを聞いたところ、サラダ用の生鮮カット野菜が欲しいとのこと。

 支援物資を渡し、せっかく来たので友人に何か手伝えるか?と聞いたら
「何言ってんすか!海上捜索に決まってるでしょ!船に乗ってもらいますよっ!(笑」
「あ、やっぱり…。(汗」

 まあ実はそう言われるだろうな、と、装備一式は積み込んで来ているのです。


 しかしこの日は盛岡を出る時から、かなりの強風が吹いて海上も大荒れとなり、捜索活動は当然中止。
 事務所にいても邪魔になるなあ、と思っていたら、友人曰く、被害状況の写真を撮ってくれと言う。
スタッフはみな忙しく、状況記録をする人間がいないのだとか。

 強風の中、付近を歩いてみると、このセンターの建物も、そこそこに高台にあるのにもかかわらず、林の奥には漁船が引っかかっているのが散見されたり、すぐ下にあった老人ホームは、骨組みを残して破壊され尽くしており、玄関の屋根には漁船とポルシェが載っている、隣の民宿は建物ごと基礎から外れ、斜めにずれてしまっている、といった具合。

 さすがにこれをカメラに収めるのはやや抵抗がありましたが、記録しないことには意味がないので、心の中でそっと手を合わせながら、シャッターを切りました。


つづく~


若干ですが、現地の写真をアップしました。

2011GW東北遠征 -1-



ブログ一覧 | 遠征 | 日記
Posted at 2011/05/11 22:06:32

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この記事へのコメント

2011年5月11日 23:21
ボランティアお疲れ様です!
かわねこさんの行動力には尊敬に値します!

津波の被害は尋常じゃないですね。
海上捜索・・・いろんな意味で辛い作業ですね。
コメントへの返答
2011年5月11日 23:29
いえいえ、せっかく行ったので、友人の陣中見舞いを…と思ったが、意外な展開になっただけでして。

津波の被害は、実際の現場に行ってみると、衝撃を受ける、と言われていましたが、まさにその通りでした。

プロフィール

「今日の昼まで道北の海沿いにいましたが、400kmあまりを走って十勝に戻ってきました。毎日仕事絡みの電話やらメールがあって、なんだかなあという感じもありましたが、正しい夏休みを過ごせたので、良しとしなくては。」
何シテル?   08/14 19:21
オートバイとクルマと、野遊びが大好きな「おやぢ」です。(^^ゞ 北海道のど田舎に住んでいます。どれくらい田舎かと言うと、地域で乗っている車種を言えば、...
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