
明け方の5時過ぎに、ルーフを叩く雨音で目が覚めました。
天気予報が芳しくないことはわかっていましたが、やっぱり朝から雨はテンション下がります。
雨さえなければテーブルと椅子を出してゆっくり朝食にするのですが、二度寝を決め込み、6時過ぎに起床。
傘をさしてトイレに行き、後ろは狭いので運転席で朝食を摂りますが、仕方ありません。
朝食後に雨が上がったので、ちょっと場内を散歩してみます。
トイレの横にも建物があり、なにかと思ったらスワンボートの乗り場でした。
天気が良ければ、それなりに賑わいがありそうです。
横にあった大きな建物は、サイクリングターミナルの銘板がありましたが、1階の窓とドアが完全に鉄板で塞がれていました。
冬季の雪でのガラス破損防止に塞いでいるだけで、夏には営業するのかと思ったのですが、調べるともとは宿泊施設として運営されていて、2021年に閉鎖したようです。
昨夜は暗くてよくわかりませんでしたが、この塞がれた鉄板のせいで、威圧感があったようです。
テントサイトに行ってみると、思った以上に広く開放感があるので、雨さえなかったら、快適に幕営できたと思われるのが残念。
こちらのトイレ照明が派手だったのは、上部の青い部分がステンドグラスになっていて光るからでした。
そしてトイレ前には、枝打ちした薪が積んであり、なんと「ご自由にお使い下さい」の看板が。
もちろん焚き火台使用が鉄則ですが、驚くほどのサービスぶり。
機会あればまた来てみるのも良さそう、と思いつつ、立地が良いし無料なので、夏になったらかなり混むのかもしれません。
てなことで撤収して出発。また雨が降ってきてしまいましたが、めげすに走ります。
さらに北上しようと、下川へ抜ける道々を走ります。当初は下川から山越えをしてオホーツク海側へ抜け、宗谷まで海沿いを走るつもりでした。
が。サンルダムが見えた時点でそもそもこのルート、昨年のGWに逆走で走っているのに気づき、さらに昨年の夏も宗谷に行っているし、たぶんこの夏も行くなら道北だよなあ…などと考えていたら、気が変わってしまいました。
なので、上幌内まで北上したところで方向を変えて西へ向かい、美深から名寄まで南下して、霧立峠を抜けることにします。
ちなみに美深には、スバルの聖地(笑)があることで有名。
北海道内、ことに道北には、広さとその気候から、主に冬季路のテストコースを各メーカーが持ち、この美深にはスバル、士別にはトヨタとダイハツ、剣淵にはマツダ、鷹栖にはホンダ、下川にはスズキがあり、道東にも陸別には日産、音更には三菱、とあちこちにあります。ないメーカーがないほどで、ほかにもタイヤメーカーやパーツメーカーもテストコースを持っています。
テストコースがなかったその昔は、真冬の公道を仮ナンバーを付けたテスト車が走っているのを、よく見かけたものでした。
閑話休題。霧立峠ももう10年ぶりくらいになるのですが、海沿いの羽幌まで抜けずに、気が向いて、途中から道々742号を内陸を小平まで走ることに。
思い返すとこのルートも、先代テラノの時代に走って以来なはず。
小平ダムを過ぎたところで、道端に突如として巨大なコンクリートの建造物が現れて驚きました。
これ、炭鉱の施設、ホッパーに間違いありません。ホッパーとは、石炭を貨車に積み込むためのもので、このあたり、かつては炭鉱が多かった証ですが、道路際にこれだけ見事に残っているのも珍しい。
山道を楽しんで、街へ降りると昼前。せっかくなのでお気に入りのカリー屋さんへ行くことにしました。
昨日の昼はカツ「カレー」でしたが、ここのは「カリー」なので、別物なのです。(笑
以前は出張でよく来ていたのですが、その現場がなくなり、来る機会も激減したので。
人気店なので混んでいるのは覚悟の上でしたが、駐車場は空いています。これはラッキーと、店内に入ると。テイクアウトのオーダーで混み合っており、1時間ほどウェイティングだとか。ふだんなら並んでまで食べない方ですが、折角の機会なのとどうせヒマなので待つことに。
実際には1時間までかからないだろうという読み通り、幸い無事早めに席につけて、ひさびさのニラ豚+揚げ納豆と、いちごラッシーを堪能したのでした。
が、ここもなかなかのボリュームなので、すっかりお腹がいっぱい。2日連続、お昼ごはんで満腹です。(笑
ここからは真っ当に、海沿いを南下します。昼前に雨は上がり、晴れて日も差してきたのが嬉しい。
雪をかぶった山と、光る海を眺めながらののんびりドライブ。これですこれ。
南下して浜益を通ると、毘砂別、という地名が懐かしくてちょっと山へ上がってみました。
一部の知っている人は知っている、とてもとても懐かしい場所です。
木製の展望台は、老朽化で立入禁止になっていましたが、この道を見ると、ラリーカーが駆け抜けたあの夏を思い出します。
このルート、以前にも一度だけ走ったことがありますが、南側へ降りてみると、すっかり忘れていましたが、途中からはダートでした。フラットダートですが、枝が落ちているなど、あまり手は入っていないようです。
途中には、冬季通行止めのものらしいゲートがありました。
開け方がずいぶんと雑なので、どうも行政が開けたのではなく、近隣の住民がもう雪は融けたからと、勝手に開けたのでは、という気もします。
途中に分岐があったので、そのまま国道には戻らず、海側へ降りてみました。
墓地があったので、そこで終わりかと思ったら、意外なことに集落があります。
古い建物が目を惹きます。典型的な昭和の造りですね。
集落入口の桜が満開でした。今年最初に見た、まともな桜かも。
こちらも昭和な看板がいいかんじです。今でも夏は、海水浴で賑わうのかもしれません。
国道に戻って、さらにひたすらのんびり南下。厚田からは、その昔ラリー観戦の帰りによく走った、山越えのワインディングルートを通りました。
さて、天気も回復したので、今夜はぜひ幕営をしたいもの。
目をつけていたのは、月形にあるキャンプ場。まだ肌寒い春先だし、ファミリー層もそういないだろうから、と行ってみると、さほど混んではいな………ほぼ満杯の激混みでした。(汗
道の駅が隣接で温泉施設もある、市街地に近くて買い物も便利、そして何より昨日の士別と違うのは、札幌圏に近い、という立地のためでしょう。完全に舐めてました。
さてどうする。
近隣のキャンプ場も別にいくつか識っていますが、国道から見えた、近くの鶴沼公園キャンプ場もびっしりだったので、他も状況は同じと見ていいでしょう。
ならば…あそこしかないか。
さらに北上し、1時間走って行き慣れたキャンプ場を目指します。今からなら、日暮れまでに間に合うはず。
果たしてまだ明るさのある17時過ぎ、無事到着。
すると道路側の表サイトの駐車場に、ずらっと駐車車両が見えたので「ここも激混みか!?」と一瞬焦りました。
しかし、裏側サイトにはほとんど誰もいない状態なのでした。
さっそく受付を済ませ、今季初の展張。1泊ひと張り500円の安さですが、水洗トイレと水場、さらに焚き火後の灰入れまで用意されている充実ぶり。
昨年の購入直後に、一見で張れたクロノスキャビンです。半年ぶりでも迷うことなく、ものの5分で展張できる建てやすさはさすが。
エスクの車営台も悪くはありませんが、やっぱり広いテントでゆっくりできるのは格別です。
さらにここ、受付棟にお風呂が併設されているのもありがたい。
巣作りを終えたので、さっそくお風呂へ向かうと、脱衣所でいかにも地元農家のお父さん、という風貌の方に声を掛けられました。
おじさん「キャンプかい?」
かわねこ「はい ^^」
お「どこから来たの?」
か「十勝です ^^」
お「そんな遠くからわざわざかい?」
か「ここ、気に入っているんですよ」
お「そんなにいいかここ?(笑」
か「設備もいいですし、なにより客層が良いので快適なんですよ ^^」
そう答えると、おじさんはにっこりして「そうか。楽しんでいきなよ」と、脱衣所を出ていきました。こういう地元の方との交流も楽しい。
お風呂は温泉ではないのですが快適で、シャンプーとボディソープまで備えてあるのに、たった300円で利用できるとあって、不満などあろうはずもありません。
本来はキャンプ場のためというより、先ほどのおじさんのように、地元の方の保養センターの役割なのでしょう。
外には自販機も設置されていて、驚いたことにアイスまで販売されていますが、採算取れるのかなあ、などといらぬ心配までしてしまいます。さすがに今日はアイスだと冷えるので、冷たいお茶にしましたが。
テントに戻って、明日のルートを考えます。
こういうルート考察には、アプリではなく紙地図のほうが断然見やすいのです。
昨日のカツカレーと言い、今日のカリーと言い、お昼のボリュームがすごかったので、夕食はごく軽め。
カップ蕎麦と、おにぎり1個にポテサラ。デザートに、いただいたバターサンド。これでもけっこうお腹がいっぱいになってしまいました。
夕食後、ランタンの灯りを落として、椅子に座ってぼぉっとしていると、聴こえるのは近くの堰の水音と、森から聴こえるトラツグミの口笛のような啼き声。もうオオジシギも来ていて、ジーワジーワッという独特の啼き声と急降下の羽音も聴こえて来て、至福のひととき。
表側のいちばん近いサイトには、3家族ほどのグループがいて、子どももいましたが、みなさん意外なほど静か。サイトの奥にもふた張りテントがありますが、声が聞こえる距離ではありません。
20時過ぎ頃から、隣のグループで誰かの誕生日祝いが始まったようですが、うるさいほどではなく、にぎやか、のレベル。楽しそうな笑い声で、不快ではありません。
客層の良さから来る、この静かさがここが気に入っている、大きな理由なのでした。