
昨今、トヨタが国際特許を取得した、アルミテープによる空力コントロール技術が話題になっていますね。
ざっくりとした原理は、ボディに帯電した静電気を、アルミテープで放電してやり、本来の空力効果を出す、というものらしい。詳しく書くと長くなるので、検索するといろいろ出てきますから、調べてみて下さい。(←投げやり)
当のトヨタが「市販のテープでも効果はわかるので試して欲しい」とコメントしているので、ヘソ曲がりなかわねこですが、時流に乗ってみました。(笑)
ちょうど手持ちのアルミテープの残りがあったので、まずは実験的にスイスポのステアリングコラム下に貼ってみたのですが。
これがちょうど「とかち2016」を観戦に行く前日で、翌日陸別へ向かいながら、変化をチェック…はしていませんでした。何を隠そう、貼ったことをすっかり忘れていたのです。(笑)
走り出してから、どうもステアリングフィールが違うな、というのは漠然と感じていました。ステアリングが重いというか、直進性がわずかに強くなっているような気はしていました。が、たぶん、轍にタイヤのヘリが引っかかっているのだろうと思いつつ、足寄を過ぎたあたりで「あ、そーいえば昨日アルミテープ貼ったんだっけ」と思い出したのですが、ヘソ曲がりのかわねこは、そんなことで変化があるとは到底思えず、きっと意識し始めたからプラシーボなんだろう、と、帰宅後テープを剥がしました。
そしてその翌日、買い物に出かけてスイスポを走らせたときに、おや、と思ったのです。
前日とわずかではあるけれど、あきらかにステアリングフィールが違うのです。
中立付近が甘くなっている、というか、遊びがわずかに大きくなっているようなかんじです。
というか、今までがこのフィールだったはずなのに、違和感を感じます。
買い物から戻って、もういちどアルミテープをステアリングコラム下に貼り、比較のために同じルートを走ってみました。
違うのです。
中立付近のしっかり感が増し、遊びが少なくなったようなかんじです。
これは、と思ったので、再度情報を調べ、形状もきちんと切り出して貼り直し、現在に至っています。
コラムカバーの内側に貼っても良いそうですが、面倒なのと普段は見えないので外側に貼ってます。
最初に貼ったやつは、いつものステッカーを貼る要領で、四隅を丸く落としていましたが、ことこれに関しては、角を落とす形状の方が良いようです。
ちなみに、エスクにも試しにやってみたところ、同じ効果が得られたのは、ちょっと驚きでした。
最初は、空力に関係ない内装に貼って、なぜ効果が出るのかがどうにも疑問でした。放電によって、電動パワステの効果を引き出すのか、とも考えましたが、それでは油圧パワステを採用するエスクでの効果の説明がつきません。
これも調べると、どうもタイヤで発生する静電気を逃がす、ということらしいです。タイヤに直接アルミテープを貼るとすぐ剥がれるので、直結しているステアリングコラムに貼ることで、放電させているのだとか。
正直、完璧に納得、というわけではないのですが、面白くなったので、ついでにあちこちと貼ってみることにしました。
ポイントは
1.樹脂、もしくはガラスに貼る。鉄板は帯電しにくいので、効果が薄いとか。
2.テープの長さは場所にもよるが10㎝程度でもいい。面積が多ければいいわけではなく、エッジだとのこと。トヨタの純正部品に切り込みが入っているのも、エッジを増やすためなんだとか。
3.貼り付け場所や形状、貼り方によって、効果が違うとか。どこが良いかは、車種にもよるのでトヨタでも「いろいろ試して欲しい」だそう。
とうことで、まずは外装関係のドアミラー下。
幅50㎜のテープを半分に切って、さらに切り込みも入れてあります。
ガラス面にも貼ると良いらしいですが、見るからに「貼っている」のがイヤで、ワイパーアーム下の樹脂カウルに貼ってみました。
次はサイドガラスに貼るのもイヤだったので、サイドガラス前端の樹脂モールに。
いちおう実験で、ドアガラスの上端に。(ここは目立つので後に剥がしました)
キャリアバーの下側(バー自体は鉄ですが、樹脂のコーティングがされています)に。
ここまでが、風切り音低減を狙ってのもの。
続いて、ハンドリング向上効果を狙って、樹脂のオーバーフェンダーとバンパーに。
本当はバンパー内側に貼ると良いらしいですが、インナーフェンダーを外すのが面倒なので(そのためにはジャッキアップをして、タイヤを外す必要があるので)、バンパーとフェンダーの端に貼ってみました。
リアバンパーも面倒なので、インナーフェンダーに貼ってみました。
続いて、悪ノリでエンジンルームにも。
レゾネーターとエアクリーナボックスにも貼ってみました。
エアクリは背面にも。
ヘッドカバーも樹脂で、ボルトでヘッドに繋がっているので、イグナイターに効果が出るのを期待して。
エンジンルームはこんなかんじになりました。(笑)
これ見てふと思い出したのですが、何年か前に効果ある、ない、とネットで話題になった、トルマリンの原理って、実はこれだったんじゃないでしょうか。
ちなみに最初に使ったアルミテープはこれ。
ずいぶん前からうちにあったもので、どうも100均で購入したものらしい。基地移転の際に、シンク周りに使った残りです。
途中でなくなったので、ホームセンターで別のを買ってきました。
100均のでもよかったのですが、やはり剥がれの問題があります。こちらだと書いてあるとおり、工事用なので、耐候性にも優れているだろう、という考えです。
1本800円ほど。アルミテープも種類があって、これの倍以上するものもありましたが、高けりゃいいのではないだろうと、手頃なこれを選択。
なお、トヨタ純正部品は、導電性のアルミテープと導電性粘着テープなようですが、それじゃないと効果が出ないのではなく、より効果を高めるためにそうなっているのではと想像しています。
これで先日、砂川まで行って来ました。
結論は、外装系はかなり微妙。風切り音もはっきり低減した、という感じではありません。ただ、タイヤ(スタッドレスを履いています)のノイズが妙に響くようになったので、そのぶん、風切り音が低減した効果なのか、とも思います。
高速も走ったり、窓も開けてみましたが、はっきり静かになったのではなく、風切り音の周波数が少し変化したような印象です。
ハンドリングはまったくわからず。バンパー裏に貼らないと、効果が薄いのかも。
エンジンルームもまったく効果は感じません。
まとめますと、かわねこ号の場合
・ステアリングコラム下:○
・外装風切り音低減:△
・バンパー:×
・エンジンルーム:×
というところです。
言うまでもありませんが、これはかわねこの個人的感想です。車種、貼り付け位置、テープの長さや切り込み方によって、変化もあると思いますし、そもそもが「劇的な変化」ではなく「微妙な変化」なので、個人での感じ方はそれぞれ違うと思います。
トヨタの技術者も「最初はオカルト扱いされました(笑)」と言っていましたが、昔から静電気の及ぼす影響は、開発現場では示唆されていたそうで、いわゆるコロンブスの卵なのかもしれません。
オカルトだとか、トヨタがやっているから間違いない、などとネットでは論争にもなっているようですが、安いものですし、実際にいろいろ愛車に試してみて、変化を楽しむ、というのがいいのではないでしょうか。^^