
お盆ツーリングは、いささか不発だったので、なんとかリベンジできないかと、虎視眈々天気予報を眺めていますと。
日曜日はどんにょり天気の予報ですが、土曜日は久々に晴れて、気温もあがるよう。ならばこれは走らねばなりません。いわゆるライダーの性ってやつです。(笑
午前中は通院の予約を入れていたので、昼からはやる予定だった諸々をうっちゃって準備し、さっそくスタート。
遠くの山々は、相変わらず霞んではいるものの、青空が広がっているので、それだけで嬉しい。
外気温計は、23℃ほどしか表示していませんが、体感温度はそれよりも高く感じ、サマージャケットのメッシュをフルオープンで、気持ちの良い風が抜けます。
さすがに8月も後半となり、日が落ちるのも早くなっているのが体感でき、午後いっぱいしか時間がないので、今日は十勝管内で。それでもやっぱり輝く海面を見たくて、大樹町を目指してみました。
と。海岸まであと数kmの位置まで来ますと、なんか急に風が冷たくなって来ました。
あれ…。なんか霞んできた…。
寒いので、開けていたメッシュのファスナーもぜんぶ閉めざるを得ません。
海岸へたどり着くと、この情景。誰ですか、浜で煙幕焚いているのは。(違
…おかしいなあ、日頃の行いはいい、と自負しているのに、なんでこんな嫌がらせされるんだろう。
画像の場所は、トップ画像と同じ場所ですが、なぜか海辺に鳥居とお社が建っています。十勝のこのあたりの他の海岸でも、同じような光景を見ているので、豊漁や海が荒れないようにと祀られているのでしょうか。
ここはちょっと高台で、浜に降りられなかったので、もう少し東へ移動。
海沿いに浜辺の林道を移動したら、この有様。虎杖(非呪術廻戦)が群生していて、前が見えないほど。
ヘルメットのシールドは樹脂なので、気にせず突き進むと傷が入ってしまうことから、直撃しないよう、頭を振りながら数100mほども抜けてみますと。
なんのことはない、こんな苦労をしなくとも、裏から整備された道路で来られたのだとわかりました。
海岸を見ても、やっぱり海霧で霞んでいます。
鮭釣り場として有名な場所なので、週末とあって竿が林立しています。
と、画像左手のエクストレイルの右側に、構造物が見えます。
画像の後ろ、西側を振り向くと、こちらにも同じようなものが点在しています。
これ、この地域では有名な「旭浜のトーチカ群」と言います。
「トーチカ」とは、この中に人間が入って敵を待ち伏せるためのコンクリートの構造物で、第二次大戦の末期に造られたそうです。
西側に狭い入り口があって、覗き込むと、中で通路が入り組んでいるようです。これは、爆風や跳弾を防ぐためとか。
東側に回ってみると、高さ1mほどのところに穴が開いています。
これはここから銃を撃つための銃眼。
段差が付いているのは、これも爆風と跳弾対策でしょうね。
北側の一部は、長年の風雨でコンクリートの一部が剥がれていました。
中に木が入っているのは、後から入れたのではなく、恐らくは鉄筋の代わりに補強材として木材が使われたのだと思います。なにしろ当時はお寺の鐘から鍋、釜に至るまで消えたと伝わるように、鉄は軍需産業に回され、貴重品になっていたそうですから。
いかに当時の日本人は小柄だったと言え、この中に潜むのはさぞや大変だったと思います。
幸いなのは、このトーチカ、大戦末期の米軍の侵攻に備えて造られたもので、実戦には使われなかったこと。
このようなトーチカ群が、海岸に8基ほど残されており、現在は歴史遺産とされているようですが、海岸沿いに建っていることもあり、風雪にさらされて、かなり痛みも進んでいるとか。
ここに来るのは実は初めてではなく、10年ほどの昔に来たことがあります。その時は、時間がなくてゆっくり見られなかったので、のんびり海岸を歩いてみようと目論んで来てみましたが、海霧が身体にまとわりつくこの天気では、とてもそんな気分になれず、早々に引き上げることにしました。
帰投後に気づいたのは、この近くの林の中に、2008年に新たに発見されたトーチカがあり、保存状態が良いので大樹町で管理しているのだとか。こんどはそれを見に行かなくては。
本当は、このまま海沿いの道を浦幌くらいまで走ろうかと思っていたのですが、どんにょり天気だけならまだしも、この霧はいただけません。シールドにもまとわりついて、視界も悪いので、予定を変更して内陸に逃げます。
北上して内陸に10kmあまり進むと、やっと青空が戻ってきました。
やっぱり走るなら、青空の下が気持ち良いです。^^
と、農道を気分良く、快調にシェルパくんを走らせていますと。
なんか落ちています。
「あ、これアレだ」と気づいて避けましたが。
嫌いな方もいるので、画像の一部をボカしてありますが、これたぶん、アオダイショウですね。
今日くらいの気温だと、照らされたアスファルトの上は気持ち良いらしく、時たま道路で昼寝しているんですよね。
これが走っているクルマやオートバイからだと。
トラックが落とす、こーゆーゴム紐そっくりに見えるんです。(たまたまこの近くに落ちていました)
「どーせゴム紐だろう」と、うっかり踏むとえらいこと(主に精神面)になります。^^;
農道を抜けると、デントコーンの向こうに見える雲は、もう秋のそれです。
ああ、夏も終わりだなあ、と実感するひととき。
でも、裏腹に気温はどんどん上がり、閉めたメッシュのファスナーをもういちど開け直します。
夏が好きなかわねこ的には、もう少し長いといいのになあ、と、思いつつも、こんなふうにあっという間に過ぎていくから、北の夏は魅力的なのかも知れません。
もういちどくらいは、サマージャケットで走りたいものです。