
最初に。
今回のブログ、長いですよ。
以前のブログで、
DUCATI916に装着している

「スリッパークラッチ」に助けて貰った
出来事のブログを近日中に書きますと、書いていましたが
まだ書いていませんでしたので、
早速、書きます。
スリッパークラッチの効果について。
スリッパークラッチは強烈なエンジンブレーキが掛かった際、
エンジンにダメージを与えないようにエンジンブレーキを緩和させる意味合いで
強制的に半クラッチに切り替えて
タイヤロックを防いだり、エンジンを保護する為に開発されたクラッチです。
10年ぐらい前のお話。
その頃は年に2回ほど、サーキット走行会に参加していました。
友人とレンタカー(ハイエース ロング)を借りて

DUCATI916とDUCATI996を2台載せて

サーキットへ通ったりしていました。

サーキット走行の準備も楽しいひと時だったりします。
で、
そろそろ本題に入ります。
その前に、事前説明。
うちのDUCATI916は走行距離2万kmちょっと走ったところで、
リア側シリンダーのガスケット部分からオイルが漏れてきたので
エンジンオーバーホールすることにしました。
腰上オーバーホールだけでも良かったのですが、
「日本人メカニックが組み直すだけでエンジンがスムーズに回るようになる。」
と、言うことを聞いていたので、
フルオーバーホール(全分解)にしました。
金額は内緒。(とても高かったです(大汗))
いつもお世話になっているバイク屋さんが忙しかったので
バイク屋さん経由で外注(バイク屋さんの横繋がりで、レースにも参戦しているショップ)に出しました。
エンジンが返って来て、
「おぉ~ エンジンが軽く回るようになった」
と、ちょっと感動しながら乗っていました。(^-^)
フルオーバーホールと言っても、
基本的に消耗部品(ガスケットとか、ピストンリング等)を
交換しただけなので100kmぐらい走れば慣らしは完了ですので、
とりあえず、200km走った後にオイル交換して、
最後の総仕上げにサーキットでエンジンを回すことにしました。
サーキット走行当日。

(画像は、かなり前のサーキット走行時です。)
サーキットへコースインして
2周ほど、完熟走行の為、

ゆっくりなペースで走ります。
3周目からペースを上げます。
岡山国際サーキットのバックストレート(長い直線)で
メーターで180キロ表示を確認。
さらに加速するため、目線を前側に移動して
スロットルを捻った一秒後。(推定、時速200キロ)
「ガキャッ」
「ガラガラガラガラ・・・・」
「カンカンカンカン・・・・」
えっ!?
何が起きた??
と、思った瞬間。
強烈なエンジンブレーキが掛かって、
身体が前方に投げ出されそうになりましたが、なんとか振り落とされずに済みました。
幸運な事にタイヤはロックしませんでした。
結論から言うと、
エンジンブローしました。(泣)
上で書きました「スリッパークラッチの効果」。
強力なエンジンブレーキ(エンジンが動いていない状態)の為、
スリッパークラッチが働いて、
半クラッチに切り替えてくれたお陰でタイヤロックせずに済みました。
スリッパークラッチを装着していなければ、
多分、タイヤがロックしてハイサイドを起こして
転倒して、もしかしたらこの世に居ない状態になっていたかも?です。
余談:
ハイサイド ・・・タイヤが滑った後に急にグリップして、反対側に投げ出される現象
その後、クラッチレバーを握ってクラッチを切った状態で、
サーキット内にオイルとか撒き散らしていないか、後方確認しながら、
後ろから来るライダーに
「自分は走れないから先に行ってアピール」をして、
サーキットの隙間から惰性でピット方向に向かいます。
惰性も無くなったので
バイクを押してピットまで戻ったのですが
こんな時、ピットまでの距離がとてつもなく長く感じますね(汗)
ピットに到着後、
簡単に原因を探ろうとしたのですが、
エンジンブローした事に、かなり落ち込んでいたので、
バイク屋さんに電話だけしておきました。
バイク屋さんに916を預けて数日後。
原因が判明しました。
タイミングベルト周りには保護の為、ケースで覆われているのですが、
そのケース内にある、この画像の赤丸部分

このナットが外れて、
ケース内で暴れまわったあげく、

(ナットが無かったので、ボルトで表現)
クランク側のプーリーに咬んだため
エンジンブローした様です。
あ~~・・・
またエンジンオーバーホールか・・・
しかも、今回は高いだろうなぁ。
と、落ち込んでいると、
外注に出したショップの社長から直々にお詫びの電話と、
「エンジンを組み直させてください」との連絡があり、
結果、
再度、フルオーバーホールする事になったのですが、
交換したパーツリストを確認すると、
「エンジンケース」と「クランク」以外は
ほぼ全て、新品パーツで組み直してありました。(驚)
(だっくは1円も支払っていません。)
なので、うちのDUCATI916は、2万キロちょっとの時点で
エンジン丸ごと新品に交換した様な結果になりました。
ちなみに、この画像が、

再度、フルオーバーホールした後なのですけど
ナットやボルト全てにネジロック剤が塗ってありました。
ただ、しばらくの間、
916に乗ると
「また壊れたりしないよね(怯)」的に
精神的に不安が付いて来ました。
ちなみに、
今では不安なく乗れていますのでご安心を。
こんな事が起こる事は稀でしょうけど、
だっくの想いとして
サーキット走行する際は、
お金で買える安心と言うことで、
「スリッパークラッチ」を装着しておくことをおススメします。
余談2:
倉庫整理していたら懐かしいものが出てきたので画像をアップしてみます。

DUCATI916タコメーターデザインの腕時計。
余談3:
916とは一生涯の付き合いになるので、最近、予備パーツを入手し始めました。

DUCATI916SPS用CPU
他にも、SPS用スロットルボディとかメインハーネスとかも入手しました。