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輝哉のブログ一覧

2023年12月03日 イイね!

無題

無題パワステ搭載車でありながら、十数年来パワステ無しのダンガンZZ用メーターを流用していた為に無くなっていたミニカのパワステチェックランプを有効化する為、2年ほど前にパワステ付き車メーターを改めて流用交換しました。

そして紆余曲折ありつつチェックランプは問題無く機能しましたが、一方でこの時は放置したのが不点灯だったシートベルト警告灯。

これは1990年2月モデルであるウチの車体には元々無く、後年のマイナーチェンジによって追加されたメーターを流用した為、点灯させる回路が車体側に無い事によるものでした。


とは言え90年式の車体であればどのみち当時の審査事務規程には装備要件も性能要件も無い為、以前のメーターを流用した2009年からの14年間、特に注意される事はありませんでした。

しかし図らずも、このランプを作動させるための部品もまたずっと前から持っていたので、今年の車検を前に折角なら再現してみようというのが今回のお題。




まず、この警告灯が追加されたのは1992年1月のマイナーチェンジと思われ、直接的なメーカー資料は持っていないものの、91年5月モデル版までの配線図(No.1034076)には当該箇所の記載が無く、次期の92年1月モデル版の配線図(No.1034077)で追加されている事から確認ができます。

この92年1月のマイナーとは、フェイスリフトが行われてヘッドライトがツリ目になり、外観上も分かりやすく後期型となったビッグマイナーでした。



では、その後期型はどのように警告灯の制御を行っていたのか。

鍵を握っていたのはこのブザーユニット。

ベルトの巻取り装置やベルトキャッチ側の動きは一切関係が無く、資料によると、このブザーに搭載されたタイマー回路によってイグニッションキーONから約6秒間だけ警告灯を点灯させる仕組みとの事でした。


年式の近いビートが当時既にベルトキャッチ側でスイッチングする現在も一般的と思われる機構を採っていたので、ミニカのこの挙動はかなり意外でしたが、その後に改正された審査事務規程7-45-6-2(1994年4月1日~2014年2月2日生産車(国産車)に適用)の性能要件にはちゃんと適合しており、93年でベースモデルの生産が終了したH20系において、唯一95年まで生産されていたらしく実際に7-45-6-2の適用を受けたと思われるウォークスルーバンにも、92年型から生産終了まで同じブザーが設定されています。



またこのブザーは、91年型まではAT車のバック用としてのみ装備されていた単独機能のブザーが、件のマイナーチェンジで【キーリマインダー機能】と【ライト消し忘れ防止機能】も搭載した複合型となった上でMT・AT共に全車標準装備化された部品でした。
(但し部品設定はMT用とAT用とで区別されており、ウチにあったのはAT用。)


その為追加機能の一つであるキーリマインダー機能に関して、作動に必要なキースイッチ回路が91年型までは電動パワーシートの動作にしか使用されていなかった都合上、同年までの手動シート車にはキースイッチそのものが存在しないというグレード固有の制約が生じます。

今回の本題であるシートベルト警告灯の動作には関係無いので別にこの機能は無視しても良いのですが、たまたまウチの車体は元々パワーシート車だった為キースイッチ回路が使用可能でした。


…と言う事で、H22A初期型ながら後期のブザー配線再現に必要な車体側の環境は全て揃っている事がハッキリしたので、後は
・常時電源
・イグニッションスイッチ
・ライティングスイッチ
・キースイッチ
・運転席ドアスイッチ
・バックランプスイッチ
・メーター
・アース
のそれぞれをブザー側と繋ぐだけなのですが、まーーこれがメンドクサイ。


どれも過去に一度以上触った事のある回路ではあるのですが、とは言え回路図と実体配線を擦り合わせながら、これだけの本数を全て割り込みで接続する手間はそれなりです。

こうして取り付いたブザー。
無事に全ての機能が正常動作することは確認できたのですが…


…何かブザー音がいちいちアホほどうるさいです。
自宅駐車場でドアを開けていると隣近所に響くほどやかましく、音色も典型的なビープ音なので、いくらリマインダーと言えどかなり耳障りです。

ブザーユニットのケースにあけられた通音用の穴数がMT車用のMB802358は1つ、AT車用のMB802359は5つという違いもあるため、AT車用は何らかの意図で大音量化された物なのかも知れませんが…

結局、自分で付けといて何なんですが、あまりにもやかましいのでその後穴をテープで全て塞いでしまいました。これで丁度良いくらいです。




そして肝心要のシートベルト警告灯ですが、こちらも問題無く点灯。
確かにキーONから約6秒程度で勝手に消えるので、感覚的には警告灯と言うよりは色が赤いだけのチェックランプ。

折角ブザーユニット内の回路なのにブザー自体は作動しないようで、前述の通りベルト装置にも繋がっていない為後追いでブザーが鳴る事も無く、実際にベルト装着を促す効果はゼロに等しいです。

これは別にミニカに限った話ではなく、同時期の三菱車ではF10/20系ディアマンテやGTO等の上位車種でも全く同じブザーユニットを使っていますし、R32等の日産車もやはりタイマー動作だった模様。

一方でホンダ車は当初からバックルをキャッチに差さないと消灯しない構造だったので、調べてみると黎明期のメーカー毎の思想の違いを感じられるようです。




…さて、これで不点灯テルテールはエンジンチェックランプだけになりました。
これは本来ECUで制御されるランプなので、ECUが無くメカだけで回っているキャブエンジンにはそもそも不要なのですが…

…これもそのうち偽装回路考えましょうか。
Posted at 2023/12/17 14:46:43 | コメント(0) | トラックバック(0) | ミニカ | 日記
2023年10月01日 イイね!

無題

無題半年ほど前の話になりますが、ミニカにオイルキャッチタンクを取り付けました。



本当はわざわざ管理項目を増やすような部品を付けたくないのですが、かなり前から時々エアクリーナーボックス内に池が出来るほどのオイルを吹き出すようになっていたので、オイルセパレーターとしてやむなく導入することに。



で、このエアクリボックスのオイル溜まりは長期的なスパンで出来る物ではなく、高回転時にオイル上がりのような症状でマフラーから白煙を吹いたタイミングで瞬間的に出来る事が経験的に分かっていました。
(但し、排気で白煙を吹いたからと言って必ずエアクリボックスにオイルが溜まる訳ではない。)



しかも吸気側に吹き出したオイルは、キャブレター直前に突き出したブローバイ管から、吸気方向とは逆に位置するエアクリーナーエレメントの裏側に痕跡を作る程で、これを見る限り高回転&スロットル開度大の吸気流速を振り切る程の圧と勢いで吹き出しているように見えます。

…ただ、当初はオイル上がりとブローバイホースからの大量のオイル吹き出しが同時発生する因果関係がよく分からず、2次エアバルブが故障してエキマニ側から逆流した物なんじゃないか、とか、本当にブローバイホースから出た物なのかすら確信が持てませんでした。


しかし、もういつまで新品入手できるかも分からない貴重な純正形状エアクリーナーが裏側から汚れてしまうのもどうにかしなければなりません。


そこで試しに購入したのが、amazonで販売されている格安品。

このタンクの選定にあたっては市販品の値段が本当にピンキリで、高額な製品であっても、日常使用のオイルセパレーターとして見た場合に内部構造に疑問が残る、若しくは不明な物も散見されたため、どうにもブランドや価格は当てにならないと感じていました。


ならばいっそ安物を加工して使った方が、金額的にも構造的にも納得いく物になるはず。

そこで2000円少々で販売されているこの汎用品のIN側バッフルに、スプレー缶を切って追加バッフルとして装着。
ある程度オイルが溜まった場合の閉塞を避けながら、気液分離性能の向上を図りました。



そして装着翌日の4月某日、ビートの代走となったツーリングから本格的な運用を開始。

因果は定かでないにしても、排気の白煙が高回転で起きる事だけはハッキリしているため、テスト走行としてこの期を逃す手はありません。



ターンパイクの登りから箱根のスカイライン群、東富士五湖道路に国道140号と、馬力のゼロが一個足りないミニカに牙をむく無慈悲なコース達。

そして道中で目論見通りにマフラーから白煙をぶちまけるのですが…

エアクリボックス・キャッチタンクを確認するもオイルの集積は全く無く、完全にドライ状態と肩すかし。




その一方で、走行中にラッシュアジャスターが動作不良を起こす不意打ちが発生。

腰下の劣化対策でテスト走行してたらヘッドが不調になるなんてシャレになってません。



一応その後ラッシュアジャスターは正常に戻り、目立った白煙もオイル溜まりも発生しないまま半年が経過。
オイル交換時期になったので、古いオイルの処分ついでにキャッチタンクの中身も確認してみると…

3000km弱の走行距離でタンク容量1/5程度のオイルが溜まっていました。
4月~9月という使用期間もあってかエマルジョン化している様子はなく、純粋なオイル分のみのようです。


ただ、この量がどの段階で溜まったのかは不明なので、ブローバイガスに慢性的にオイルが含まれているのか、それとも瞬間的に吹き出したのかの判断は今後のチェック頻度を上げる必要がありそう。

そして仮にこれが件のエアクリボックスに溜まったオイルだったとすれば、排気の白煙の原因がオイル上がりだとばかり思っていたのが誤解だったという事にもなります。



オイル上がりもそれはそれで起きているのは十中八九間違いないでしょうが、吸気側にオイルを吹いた際に起きていたのは燃焼室からクランクケースへのブローバイの大量吹き抜けで、内圧上昇によってヘッド側のオイルリターンに影響が出て吸気側へ吹き出しているのではないかと。


これならば表面的に見えている現象は同じ白煙でも、吸気側にオイルを吹く時、吹かない時の違いとしても合点がいきますし…まあとにかく腰下は芳しくなさそうですね。




いずれにしても、効果が無ければ撤去する前提で財布のダメージが少ないように選んだamazonの安物タンクがこれほど見事に機能するとはちょっと意外でした。

接合部からのオイル漏れや滲みも無いし、狙い通りの仕事を十分こなしてくれているしで、これはコスパめっちゃ良いかも。
Posted at 2023/10/30 00:00:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | ミニカ | 日記
2023年05月06日 イイね!

無題

無題3月中旬に完成・装着して、一月半程経ったミニカのエナペタル製ビルシュタインダンパー。

他車種用ストラットの外筒だけを流用するという、当初は考えもしなかった手法で作製に成功しましたが、果たしてその乗り味はどうだったのか。

結論から書くと、良い部分・悪い部分がかなりはっきりした足でした。


まず良い部分としては、操縦性がこれまでとはまるで別物。
ブレーキング時の安定感、ターンインでの操舵からヨー発生のタイミングの自然さ、旋回中の終始安定したステアリングインフォメーションと適度なロール感、立ち上がりのトラクション等々、ことごとくがNew SR Specialとは比較にならない程良くなってます。


ターンインでステアリングの手応えも無く真っ直ぐ行ってしまうかと思えば、旋回中に舵角を切り足せなくなるほどの強烈なステアリング反力に見舞われるとか、今までが明らかに普通じゃなかったのですが…


それらがきれいさっぱり消えたので安心して突っ込めるようになったし、全体的に小さな舵角で素直に曲がるようになったので、3年前に装着したディレッツァDZ101がやっと有効に使える、そして何より、やっと車として信用できる動きをするようになったと感じます。



またこのテスト走行の一環として、現在諸事情により長距離走行を自粛しているビートの代走で箱根~山梨~奥秩父の山越えツーリングもこなしているので、その走りはワインディングでも確認済み。

NA1、Z33、S660、ビートの軍団に混入した一般車(推定40馬力未満)
…ムリムリムリムリかたつむり😱


あくまで公道上なので見かけ上のスピードは同じ程度でも、やはりこのメンツの中でのミニカは異色すぎて余裕が全く無く、気合いだけではどうにもならない差が要所要所で浮き彫りになる訳ですが…

それでも下りだけならどうにか食いついて行けたとなれば、この車としては上出来です。


また、ノーマルのストローク量を維持しているだけあって、ちょっとやそっとの速度では底付き(と言うかバンプタッチ)なんてまずしないのですが、リバンプからバンプに移行するような大ストローク時にはリアアクスルが左右に振られて車体後部が不穏な動きをするため、ダンパー以外の部分での限界を感じる所。

アクスルビーム式故のスカッフィングか、トレーリングアームブッシュの劣化か、調べるべき部分はあるでしょうが、走らせ方としても別にこれ以上は求めていないので、正直この辺が落とし所な気がします。




そして、悪い部分がこれまたかなりはっきりしています。

ある一定以上のギャップでの突き上げがキツい。

まず、このダンパーは普段意識しない程度の細かい振動はかなり良く吸収していて、綺麗な路面の街乗りをしているだけならノーマルダンパーよりも乗り心地が良いくらいです。

それでいてフワフワしている訳ではなく操縦性は上記の通りで、ここまでなら下手なサスキットなんて目じゃない、コンフォート指向とスポーツ指向の良いとこ取りのような足なのです。


ところが、道路工事跡のアスファルトの継ぎ目や橋の継ぎ目、路面のひび割れ、カーブの赤色ゼブラ舗装(段差舗装)等のちょっとしたギャップで、それも30~60㎞/h程度の速度ですら突き上げてくる場面がちょくちょくあります。

画像引用元:MOBY

全てのギャップで突き上げてくる訳ではなく、突き上げない程度のギャップでは気持ち悪いくらい滑らかにいなしているのに、です。

そしてある一定以上と言っても、そのボーダーラインがアスファルトの継ぎ目程度の、普通なら気にも留めないような高さの付近にあるので、「この見た目の段差でこんなに突き上げるのか!?」という印象が強く残ってしまいます。


これが荒れた路面や段差舗装が多い峠に持ち込むとより顕著で、特に段差舗装がバリモンのコーナーでは減速しても跳ねて走るどころではなくなってしまい、折角の操縦性の良さが活かせないような場面も多発します。


???「アスファルトの継ぎ目がバンピーで跳ねまくる!!」


…段差舗装の目的からすれば役目をこの上なくしっかり果たしていると言えるのでしょうが、それにしてもこれではダンパーが固すぎます。


かと思えば、アスファルト剥離のようなあからさまな穴や、下り勾配から上り勾配に切り替わるV字谷に高速で突っ込んでも意外と普段の突き上げ感には比例せず、「あれ?こんなもん?」で済む事が多かったりもするので、いろいろと感覚とのズレを感じずにはいられません。




…加減速時の安定性や、コーナーをはじめとする操縦性の良さは本当にイメージ通りか、それ以上の仕上がり。
それに通常時の乗り心地は快適そのものなのに、視覚イメージと一致しない変な突き上げ感…

画像引用元:チューニングを楽しむための動的感性工学概論 §10


上記リンク先の内容を参考にすると、ピストンスピード0.1m/sec以下はコーナリングの乗り味として感じる領域、0.3m/sec以上は穴に落ちるような状況の領域とされています。

これに現状を当てはめると、恐らく0.1m/sec以下の減衰力は自分にドンピシャに合っていて、そこから上の、小さなギャップ越え程度のピストンスピード領域、恐らく0.1~0.3m/secの過渡域の、比較的低速寄りの部分からの減衰力が高すぎるのかなと思えます。


更に穴に落ちるレベルの0.3m/sec以上では逆に、ギャップ越えの突き上げ感からイメージする程は衝撃が強くない事が多いので、減衰比としては案外低くなっているのかも知れません。

(実際には、このピストンスピードはバネ下重量の慣性によって加速度に影響を受けているはずで、ホイール&タイヤが重い程、且つ車速が乗っている程、ダンパーが動く前にギャップを通過してしまっているだけの可能性もあるので何とも言えませんが。)




で、このダンパーのセッティングは、New SR Specialをベースにノーズダイブとスクワット対策をしてもらったのは前述の通りで、送付した実物の減衰力を測定してもらった上でセッティングしてもらった物です。
(今となっては、減衰力変更のイメージがノーズダイブとスクワットに対する物だけだったのは、あまりにもざっくりしすぎだったのかも知れないとも思えますが…)

なので、この減衰力特性の元はNew SR Special由来の可能性も有り得るので、ノーマルの減衰力特性ベースだったらまた違った物になったのかも知れません。



もちろんこんな素人が、ある不満を持つダンパーの動きを「○m/sec時の減衰力が柔い/固い…」なんて感じ方・表し方は出来ないので、【不満な部分】と【変えたくない部分】をシチュエーション毎に分けて洗い出しておくのが、イメージの伝え方としては良かったのかなと思います。知らんけど。


それが最初から分かっていたとしても、理想の足を一発で作るのは無理だろうな…というのが率直な感想ですが。



そんな訳で今回のミニカのダンパーは、綺麗な路面ならば個人的な理想そのもので100点と言っても良いくらいでしたが、突き上げに関して日常使いでもまあまあ感じる場面があるので…街乗りで70点といった所でしょうか。

峠やワインディングは正直かなり場所を選びます。
路面状況さえ良ければ、かなり走れる足なのは間違いないのですが…。


…いずれオーバーホールする機会があるならば、間違いなく仕様変更ですね。
Posted at 2023/05/07 00:16:58 | コメント(0) | トラックバック(0) | ミニカ | 日記
2023年04月16日 イイね!

無題

無題ミニカのダンパーをエナペタルでワンオフ作製しようと思ったら、フロントダンパーのケース径が細すぎて作れなかった件。


純正形状のストラットケースにビルシュタインのカートリッジを収めるにあたって、具体的には外径が44mmあるかどうかが外観上での加工可否判断のボーダーラインになっており、今回ベースにしようとしたNew SR Specialはケース外径が43mm弱しかなく加工不可でした。

…というのが前回までの話。



しかしNew SR Specialも厳密には社外品なので、もしかしたら寸法が特殊である可能性も考えて、タイミング良く流通していた三菱純正の中古ストラットを手に入れて調べてみた所…

はい42.8mmしかないです。アウト。

ちなみにこの純正品もKYB製だったので、外形寸法は恐らくNew SR Specialと全く同一なのだろうと思われます。


そしてH20系の純正形状ダンパーにはどうあがいてもビルシュタインのカートリッジが入らない事が確定してしまったので、エナペタルでの作製は不可能という事になりました。



が、




偶然にも、外径44mm以上でH20系ミニカに装着できる足を持っていた事が事態打開のきっかけとなります。




それが、H30系ミニカのストラット。

これはNew SR Special絶版に気づいた昨夏の時点で、更新の方向性として現物修理にする事だけは決めていた為、あらかじめ代用の足として用意していた物でした。

2020年代にもなるとH20系の中古部品は本当に希少化してしまい、欲しい時にいつでも手に入る物ではなくなっています。
片やH30系もかなり怪しくなっては来ているものの、まだ辛うじて流通量はあるため当時やむなく買った物でしたが、このダンパーの外径がたまたま44mmだったのです。




H30系純正フロントダンパーはショーワ製で、使用スプリングの違いで上下スプリングシートの形状が異なる以外は、ケース長やストローク長、ブレーキホースブラケット位置まで含めて、取り付けに関わる寸法はH20系とほぼ同一と言える物です。


またアッパーマウントとベアリング類もH20系との共通部品なので、車体取り付け部も完全に同一形状。

なので、スプリングシートもアッパー側だけはそっくり入れ替える事が可能。



但し厳密には、H30系はナックル固定ブラケット下側の穴位置が車輌外側方向に数㎜移動されているため、H20系に流用すると約2°程度のネガティブキャンバーが付きます。

しかし、この程度であればキャンバーボルトで十分調整出来る範囲なので問題有りません。



つまり、このケースを使ってH20系のストラットを再現出来るのではないかと思えるのですが、ネックになるのがケースに溶接固定されたスプリングロアシートのみ。

…これをどうにか移植出来ないかとエナペタルに相談してみた結果…








本当にH20系ミニカのビル足を作り出すことに成功しました。

エナペタル公式ブログで公開されている過去の事例を見ると、ストラット形式でのスプリングシート移植例こそ掲載はされていないものの、ケースそのものを溶接で継いでいる加工例等、スプリングシート以上にエグい加工をやっていそうな気がしたので、一縷の望みを託して相談してみたら本当に作って頂けました。



実際に出来上がったダンパーの形式は、フロント用がER2=ピストン径Φ30の倒立式、リア用がEB3=ピストン径Φ36の正立式。

フロントは設定上最小ピストン径の物になっており、これを収めるのに絶対必要なダンパー側の外径が44mm。
まれに、鋼管の肉厚によって分解後に内径不足が判明して製作不可になるケースもあるそうなので、あくまで外径は分解前の判断基準の一つです。



スプリング別体のリアショックはノーマルのケース寸法に関わらず作成可能なので、車体への干渉以外で外形寸法が問題になるケースは少ないかと。

H20系の場合、KYBの33mmに対してビルシュタインは39.5mmとぱっと見で分かるほど太くなります。




で、これに組み合わせるスプリングは今年の正月に復帰させたタナベのサステックワゴン。
13年前に入手した時点でスペックに関する情報が全く見当たらない絶版物でしたので、今回のダンパー製作に当たってもバネレートが不明という懸念点はありましたが…(一応、エナペタル側からは「問題なし」という事でご対応頂いています。)

折角ダンパーが新品同様になるので、名古屋市の(株)三陽に再塗装をお願いし、水色に粉体塗装。
どうせこの先も長く使うつもりですので、徹底的に偽装しました。




減衰力はNew SR Specialをベースに、同品の新品時から特に物足りなさを感じていたノーズダイブやスクワット傾向への対策をお願いした、エナペタルお任せセッティングになります。

大多数の車種であれば、このダンパーの性質上本来一番気にするべきは減衰力セッティングなのでしょうが、そこについては私は無知なので、現状のダンパーから変化させたいイメージだけを伝えて、あとはプロに丸投げです。


それよりも、こちらとしてはとにかく「どうしたら作ってもらえるか」を焦点に奔走したワンオフ劇でした。


…10年以上前に知人から偶然に流用情報を聞いていて、偶然その部品を入手する事になり、それが偶然今回のワンオフ条件を満たしていた、という完全に偶然の産物である足回りの性能やいかに。
Posted at 2023/04/16 09:31:23 | コメント(0) | トラックバック(0) | ミニカ | 日記
2023年03月04日 イイね!

無題

無題昨夏に気づいた、またしてもミニカにまつわる部品欠品。

新品ダンパーが入手不能。

2022年の時点で前回の交換から9年超。
スプリングの揺動を抑えられずにどこへすっ飛んでいくか分からない挙動に、突き上げもきつくて乗り心地がかなり悪化していたので、ダンパーの新調を考えていたのですが…

…お手軽チューン&メンテナンスの強い味方、KYBの「New SR Special」のフロントストラットが販売終了として入手不能になっていました。


まあH20系も2023年で生産終了から丸30年ですし、当初は年代的に廃止もやむなしとは思っていました。

ところがもう少し検索してみると、H20系と同年代のアルトやミラは継続販売されている一方、H82系のekシリーズやトッポ等、割と最近までの三菱の軽用ストラットの大部分が軒並み販売終了になっている不思議な状態。

KYBに何があったのかは知る由もありませんが…何らかの理由でまとめて金型を廃棄してしまったのでしょうか。



とは言え、リアダンパーだけはまだ新品購入出来たので、予てから乗り心地の悪さが気になっていた5ZIGENのダウンサス交換も兼ねて、23年の元日に交換。
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確か、5ZIGENサスを入れた当時は「乗り心地なんざ二の次で良い」と宣い、本来はダンパーの減衰力でどうにかするべき部分を、スプリングを固める事で誤魔化していたんだと記憶していますが…

ひとたびダンパーがヘタってしまうと、スプリングを御せずに飛び跳ねるばかりで、サイドウォールの固いスポーツ系タイヤとの相性も最悪。

そこで、かつて乗り心地の印象がすこぶる良かったタナベのサステックワゴンを10年振りに再登板させる事にしました。



…が、やはりフロントダンパーが更新出来ないのは致命的で、前足がバタついているのがステアリングにもろに伝わってくるし、相変わらず乗り心地が悪い。
季節的にも、55扁平の夏タイヤ・ディレッツァから70扁平のスタッドレスに履き替えているのに全然誤魔化せません。


駄目だこいつ…早く何とかしないと…


マジで冬タイヤのシーズン中に何とかしないと、クソ過ぎて夏タイヤ履きたくない…
もう本当に我慢ならんので、腹をくくるしかありません。



…となると完全ワンオフか、現物を何らかの方法で再生させる方法が考えられますが…


今回はこちらにお願いしてみる事にしました。
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かのビルシュタイン社の、日本のサービスセンターとして有名な(株)エナペタル。
ここで、純正形状ダンパーをビルシュタイン化してもらえないだろうかという訳です。




個人的には、今時の車に比べてノーマルの車高設定が高く、ダウンサス程度では満足に車高が下がらないミニカではありますが、極端な短足を作って無理に下げる気はありません。
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それにH20系の純正形状ストラット(写真左)は軽自動車用としては珍しく、横力キャンセルの為にスプリングオフセットされており、エナペタル製ビルシュタインの特徴でもある倒立式ストラット化の目的とも合致するため、この純正形状は活かしながら高性能化を図りたい。


すると車高と減衰力は固定で、「純正形状ストラットの倒立化」のみに目的を絞れば、エナペタルの現物加工はワンオフ製作の中でも特段高い訳ではない、と思ったものでして。



そうと決まれば早速エナペタルに相談し、意気揚々と現車のKYBダンパーを送付するのですが、現物を確認したエナペタルから返ってきた答えは…







…出来ません!
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ΩΩΩ<な、なんだってー!!



…ここへ来て衝撃の事実が発覚。
H20系の純正形状ダンパーは、何とビルシュタイン化出来ない代物でした。


エナペタルの公式ブログ記事にも時折「特殊サイズや特殊部品が必要な車種は製作できない場合がある。」と書かれているのですが、どうやらH20系はその「特殊サイズ」に当てはまる車種だったようなのです。


はっきり書けば
【ビルシュタインのカートリッジを収める為に最低限必要なケース径を満たしていない】
という事です。




…いやはやなんともはや、一体どうしたものか。













…しかし、本来であれば「製作不能」を知らせるものだった担当者様の説明から示唆されたのは、ある意外な部品が鍵を握っているかも知れないというヒントでした。
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Posted at 2023/03/05 00:11:16 | コメント(0) | トラックバック(0) | ミニカ | 日記

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