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2024年11月12日

決壊

決壊  堰を切ったように走りへの情熱に火が着いた赤眼の黒豹は、ほとばしる欲望を満たし得るモデルの選定に入った。結果的に車歴に刻まれた下記の3台の共通項は、持て余すこと無く公道でパワーを使い切れる点。日産F31レパードの対極の選択肢だったスポーツカー達は、何れもメーカーや開発者の信念が五感に訴え掛けてくる名車。決して若くない"大人の走り屋"として、首都高で峠で自らのドライビングスキルの壁と対峙していった。

 日産DR30スカイライン

 「鉄仮面か7thで探して欲しい」 漆黒の豹こと弟の愛機の選定を託された自分は、ある委託販売ショップの店頭に見慣れぬカラーリングの鉄仮面を発見した。それはDR30スカイラインに唯一設定された特別仕様車「50th ANNIVERSARY VERSION」 本来ツートンのブラックの部分に専用ワインメタリック、また各所にオリジナルメッキパーツを施してむしろGTカーの性格が色濃いモデルに仕立てられている。F31後期型レパードアルテイマへの代替を機に弟から譲り受け、悪夢のクラッシュで果てるまでの期間だけ俺もステアリングを握った。弟を助手席に乗せて差し掛かった茨城県境の峠で遭遇したCR-Xとの壮絶なバトルは、先行するアニバより背後から迫る(明らかに地の利がある)相手のサイバーの方が一枚上手で力尽きる。4発ゆえGT-Rを名乗れなかったものの、名機FJ20ETエンジンの印象深いサウンドとビートは現在もなお忘れられない。

 ホンダEF8CR-X

 かつてホンダ開発部門に籍を置いていた方のショップに並んでいた在庫は、上質なCR-Xとビートばかり。レパードの時と同様まだプライスボードも付いていない目玉車が、自分の眼に飛び込んで来た。グラスルーフが装着されない方のトップグレードSiRを選んだ訳は、陽射しの暑さを避けてボディ剛性を確保すること。メーカー在庫最後の1セットだった純正アルミホイールに換装し、ホンダボディサービスにてオールペンを始め外装を全て新品パーツで固めた。FFゆえ交差点の何気無い右左折でもトラクションが掛かる前輪が「ツツッ」と鳴き、峠におけるピーキーなハンドリングと走り味は俺を虜にする。当時はイカした女性の走り屋もEFシビックやコイツを選び、その理由は走りの素性の良さにあったに違いない。レストアにより新車以上のクオリティを誇った愛機はあるジャーナリストの目に留まり、本物志向のその方の元へ旅立っていった。

 日産DR30スカイライン

 捲土重来とばかりに意を決して再びRSを探し始めた自分に、当初狙っていたガンメタ/ブラックツートンでなく鮮烈なレッドにレストアされた物件が浮上した。ショップ経営者は並々ならぬ拘りと思い入れで在庫車を仕上げ、熱い眼差しを注ぐ半魚人&鉄仮面フリーク達に良好なコンディションでマシンを送り出している。夜の首都高湾岸線のストレートで引っ張ればHKSハイパーマフラーが「ボフッ!」と火を吹いて背後を照らし、インタークーラー装着で「史上最強」にパワーアップしたFJユニットの咆哮は官能的だった。不眠不休の1000km連続走行では、東名の起点料金所で真横にR31スカイラインGTS-Rの姿が...。向こうも大いにこちらを意識しており、自然発生的に同時にスタートダッシュ。結果は惨敗で、弟にも「格が違い過ぎるもん、当たり前だよ」とたしなめられる始末。やっぱり大人になり切れない俺は、まだまだ甘チャンなのかな。

 二輪のライダーが「風になる」なら、俺は「光になる」と決めていた。路(みち)を切り裂くヘッドライトの光と尾を引くテールランプの灯りが、自分の走りの軌跡となって刻まれた途端瞬時にして消え失せていく。歴史に爪跡を残すことも無いこの儚い人生、走ることの意味をこの命絶えるまで追い求めていたい。スポーツカーの甲高い音響に包まれてもなお宿る静寂に包まれた心理の中にこそ、マシンに込められた思想の真髄を冷静に理解するヒントが隠されているかも知れない。

 スポーツカーを乗り継いだ自分は、次の段階として内なるダイバーシティなクルマ選びへ突入。KカーといえSUVやミニバン、そして死角に入っていたスポーツセダンで活路を拓いていく。クルマに造詣の深い弟の協力を仰ぐことは必須となり、生涯現役でステアリングを握るために必要なモノは何か、また可能な限りY31セドリックとL152Sムーヴを守り抜く術は何かに想いを巡らせる日々。自身の意志で行きたい場所へ自分の心身を運んでくれるクルマという道具、常に初心に返ってその有難味を忘れずに感じていたい。

♪Alesso x Charlotte Lawrence/THE END(2020)
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Posted at 2024/11/12 16:00:45

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この記事へのコメント

2024年11月12日 19:44
こんばんは。
R30のシルバー系と赤系のツートンカラーは当時、失礼ながら違和感がありました!
その後、ニスモバージョンとかでミラーやエアロに赤の差し色が入った時にも違和感を覚えましたが、最近ではミラーやサイドステップやルーフが色分けされているクルマを多く見るようになって、馴れました。
今思うとあのR30のシルバー系と赤系のツートンは先駆けだったのかも?って思えます。
でも…昔人間には、ミラーやハッチやエアロが着せ替えおもちゃのように色分けされているデザインにはついていけません^^;
コメントへの返答
2024年11月13日 7:25
 63グランツさん、おはようございます! コメントThanks!です。

 ご批評大歓迎です。(笑) 80年代におけるツートンボディカラーは、クルマに特別なセンスを付与する手段だった気がします。以前モノトーン(ホワイト)のF31前期型レパードと擦れ違った際は、ミラーでテールランプの形を確認して初めてそれと気付く位に存在感が無い平凡さ。

 また高い知見によりクルマを所有しているオーナーの充足感を満たす上で、ベースグレードと一味違う特別装備としてのカラードパーツは魅力的に映るでしょう。でもご指摘の通り主張が過ぎるカラーリングは逆にそこへ視線が集中してしまい、全体としてスタイルのバランスを崩してしまっている例も少なからず実在しますね。

 最終型DR30スカイラインのイメージカラーもアニバーサリーのもう一方の設定色も、実はモノトーンのホワイト。希少色モノトーンのシルバーやブラックと共に、ルックスよりも走りを重視する本物志向のユーザーが選んだのかも知れません。

 余談ですが例えば職場の同僚はブラック/ブラウンメタリック(ルーフ)ツートンのN-BOXカスタムやダークグリーン/ホワイト(ルーフ)ツートンのミニクロスオーバーといった具合に、まだまだ健在?な状況です。

 お返事の論点がズレているかもと思いながら、でも確実に言えるポイントは「Y31セドリックが単色で良かったー!」という点です。
2024年11月12日 20:36
両手両足が動く限り、スポーツカーへの選択肢を捨ててはならない。面白みがあった過去のクルマたち以上に楽しめる車は現代の時代にも存在する。

しかし走りが楽しくても、以前の旧車達の様にスタイリングまで良いと感じるモデルとなると、なかなか無くそこで行き詰まってしまう。

今後のミッション車計画内でも、購入してから後悔をしたくないため、総合的に見てこれだっていうモデルでないと駄目な気がする。

しかしながらR30は、良いクルマだったな~。
大鶴義丹の首都高速トライアルは、今でも年に数回見ている。
コメントへの返答
2024年11月14日 7:20
 漆黒の豹こと弟よ、コメントThanks!

 スポーツカーを駆るなら視力を始め五感の機能を存分に発揮することに加えて、クラッチやブレーキペダルを操作する十分な踏力やロングドライブに耐え得る強靭な体力が求められるだろう。

 自分が旧車にロマンを追う理由は、恐らく現行モデルに備わっていない遺産的な価値と希少性にあると思う。新車当時の走り味は満足いく整備を施せば再現可能で、「夢よ再び」な心境で決して憧れで終わらせたくない願望を満たすんだ。

 兄弟で共有前提のスポーツカー計画も、数ある魅惑のマシン達に目移りすることは仕方がない。改めて納得行くまで考察を積み、お互いに熱い議論を交わし、望ましい着地点に降り立とう。

 RSは最高だったね! FJユニットの粗い鼓動と「ヒューン」と鳴くタービン音が、俺達をその気にさせた。カタログに踊る「クールに乗れ。」のフレーズに、到底無理と思ったものだ。

P.S.免許返納だけは御免だ。
2024年11月13日 9:16
CR-X売り出した頃はバラードスポーツなんてお洒落なサブネームも付いてたんですよね。
ライトがチルトする初期型は色気が無かったけどカッコ良かったんだよね〜。
あたしのスカイラインはグラチャンで長谷美が乗り回してた頃で止まってます(笑)
Rは32型の一択です。
コメントへの返答
2024年11月15日 6:20
 大統領さん、おはようございます! コメントThanks!です。お返事遅くなりました。

 ←サイバーの後継車は大きくコンセプトを変えてしまい、そのボディ形状からデルソルのサブネームを与えられて混迷を極めましたね。更に何となく後継として送り出されたハイブリッドカーCR-Zは、個人的感想として"熱いモノ"を微塵も感じませんでした。

 ←オオッ! やはり貴兄"も"、今なおトミカ・スカイラインに夢を追い続けている。(笑) 自分のみん友女性もスポーツカーが大好きな方で、かつてみんカラのトップページにその勇姿を掲載していましたよ。

 自分も過去のみんカラでチラリと仄めかして来ましたが(←きっと察しの良い大統領さんは気付いているはず)、R30RS→R31GTS-R→R32GT-Rの階段を昇って行くつもりでした。「Rは32型の一択です。」、全く以って同感です♡

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