
さてさて、大井川鐡道さんは現在台風により被災し、全線で運休&バス代行輸送になってしまっていますが、ひとまずは9月中旬の乗り鉄ルポを続けます。
・・・という訳で、大井川鐡道さんの「乗り鉄」のトリは、SL急行に代わって運行される「EL急行かわねじ」号に乗車してみました。
この日はタイトル画像の様に、旧型電気機関車ではなく、西武鉄道さんから譲渡された比較的新しいクリーム色の電気機関車でした。。
客車は3両しか繋いでおらず、私は御覧の様なニス塗の木造アコモ車に当たりました。(≧▽≦)
この車両は私が小学4年生だった頃に国鉄福知山線で初めて乗車したタイプのもので、以後私はこの客車の魅力に取り憑かれ、旅情溢れるこの車両が「乗り鉄」の原点となり、今日に至ります。
形式はオハ35型・・・
国鉄時代は田舎へ行けば何処にでも走っていた代表的な普通列車用客車です。
この149号車は鉄道省小倉工場昭和15年謹製、82歳!
張上げ屋根&ノーヘッターの試作車という珍車でした。
今尚、現役稼働中の弁当箱型の放送スピーカーがレトロ過ぎて泣けてきます。。
端面広告枠の「日本国有鉄道案内図」も廃車当時のままです。。
1976年(昭和51年)に国鉄から大井川鐡道さんへ譲渡されています。
1両後ろの車は普通列車用オハフ33型としては珍しく急行型に準じたデコラ板を使用した近代化工事施工車です。
座席枠や肘掛も木目調ではなく、灰色に着色されています。
こちらも廃車当時の車内広告が入ったままになっています。。
いわゆる「フ」の部分のブレーキ室が懐かしいです。。
1人用個室になったこのスペースは、当時着席していても車掌さんから何のお咎めも無く、私の一番のお気に入り席でした。(≧▽≦)
・・・こんな感じで、座席の前には大きな手ブレーキハンドルが有ります。
床や壁面がタイル張りの洗面台も「懐かしい」の一言に尽きます。(≧▽≦)
尾道のタイル通りの様な趣ですね~(^^♪
そして最後尾にはかの有名なオハフ33ー215号車が連結されていました。
実はこの車両、照明が白熱灯風に復元改造されています。。。
趣ある夜の雰囲気はまたのちほど。。。。
・・・という訳で、この日の私の車両は機関車の直後車両でした。
照明器具は白熱灯ではなく、蛍光灯サークルラインに取り換えられたものです。
実は私達の世代ではこの蛍光灯に取り換えられた車両しか乗ったことが有りませんので、こちらの方がより昔の記憶に近い車両となっています。
さぁ、売店で買ったビールを飲みながら車窓風景をゆっくりと楽しむことにします。。
大井川鐡道さんはその名の通り、殆どの区間で大井川の直ぐ傍を走ります。。
なので、この乗車から僅か16日後の台風による大雨の土砂災害により、現在も復旧の見込みが立たないくらいの状況になり、全線で運転を見合わせています。。
そんな危険が伴うほど自然界と表裏一体だからこそ、この鉄道は何回乗ってもまた来たいと思わせる魅力をもっているんだなと思います。。
茶畑を旧型客車の木製サッシの窓から見るのも風流なものです。
1号車車内。。
2号車車内。。
3号車車内でそれぞれ趣が異なりますが。。。
やはり殊更、3号車の白熱灯復元車両は旅する人の心を惹き付けてくれます。(≧▽≦)
これがトンネルに入ると、さらに素敵な車内に。。
正に、暗がりの文化を重んじる日本人の心に突き刺さる、心が落ち着く車内に豹変します。
陰影礼賛の文化とは正にこのことを指すと思います。。
古さの中にも礼節有り。。
古くて汚れているのではなく、
古さの中に崇高な空気と上品な礼節を持った「暗がりの美」が織りなす日本人の心に響く現世が失った心温まる空間がそこには有ります。
私も老人になれば、このオハフ33ー215号車の様な上品で礼節有る人間になりたいと思いますが、そこへ到達するには未だ未だ時間が必要な様です。。
若い女性旅客が木製の窓が重すぎて開けることが出来ず、車掌さんの助けを借りています。。
私がこの客車の現役当時に乗った時は、御覧の様な蛍光灯に置き換わっていましたので、少し雰囲気は劣りました。。
でもこれでも十分に私の心を見知らぬ地を憧れる、一人旅少年に仕立て上げるには十分すぎる程の雰囲気を持っていました。。
こちらは急行型アコモ改造車で、内装がデコラ版に変更されているタイプの車内です。。
中高校生になった私が全国各地を夜行列車で巡った時の車両が正にこれでした。。
貧乏学生なので、寝台車に乗れる筈も無く、乗り心地の悪い垂直シートの硬い座席で一夜を明かした、苦い思い出の車両です。。(≧▽≦)
スピーカーからハーモニカの素晴らしいメロデイ-が流れて来たなと思いきや、なんと若い車掌さんの生演奏でした。。
昔、お年を召された老人の車掌さんがサービスで車内でハーモニカを披露しておられましたが、そのお爺ちゃん車掌さんももうご高齢で足腰が立たなくなり、代わりにこの若い車掌さんがハーモニカを引き継いだと言う事でした。。
最後尾車両で流れる車窓を見ていたら、その車掌さんが記念撮影をしてくれました。(≧▽≦)
そして終着駅の新金谷に到着!
これをやってみたかったのです。。
開け放たれたままのデッキの扉付近で、未だ走行中の車両から下車の態勢をとる事。。
かくして旧型客車の旅は終わりました。。
そこからは次の目的地、小湊鉄道さん・いすみ鉄道さんを目指します。。
沼津駅から今夜の宿泊地・千葉までは当然グリーン車を利用します。(^^♪
東海道本線は2階席に。。
総武横須賀線は1階席に着席。。
1階席の車窓は有る種の恐怖感が漂います。。。
その日の夕飯はマクドナルドで節約モードです。。
(大井川鐡道さんは現在、台風による被災のため、全線で運休中、復旧の見通しは立っておりませんが、一刻も早く復旧されることを願って止みません。。