• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

惰眠のブログ一覧

2006年11月20日 イイね!

休むに似た考え

休むに似た考え麻雀でも将棋でも、下手な打ち手がどれほど長考しても良いアイディアは生まれない。休んで(時間を無為に費やして)いるのと変わりがない。昨今、永田町界隈で一部の有力政治家が公然、口にしだした「日本の核武装」云々を耳にして真っ先に思い浮かんだ諺がそれだった。

 考えてみたところで、議論してみたところで、できないことはできないのである。まず、こういうことを言い出す政治家の知識の中には、日本がIAEA(国際原子力機関)の査察対象国であるという事実は入っているのか。元IAEA広報部長の吉田康彦氏に拠ると、日本には8人の査察官が常駐しているそうだ。
 そして、そもそも論を持ち出すと、IAEAは第2次大戦後に、『危険な全体主義国家』であった日本とドイツが核武装することを阻止することを最大の目的に組織された経緯がある、と言う。ましてや日本は(ドイツもだが)、国際連盟(=連合国)にとっては今もって「旧敵国」なのだ。

 さらに言えば、核武装をするとなれば必然的に核拡散防止条約(NPT)から脱退しなければならなくなる。「自国で核兵器を開発するので、もうIAEAの査察は受けない。NPTからも脱退する」……どっかで聞いた台詞ではないか?
 そういうことを言って、実際にそれを始めたところが、いま国際社会からどう言う扱いを受けているか、そんなことにすら思いが至らないのだろうか。「議論を封殺する」とかしないとか気色ばんでる大臣閣下もいらっしゃるが、論ずるに値せざることだとか論ずるべきではないことに掣肘を加えることを『封殺』などとは言わない。不見識も甚だしい発言である。

 でもまあ、一国の外務大臣ともあろう人物が、そこまで不見識であろう筈もないので、きっと発言の先には別の狙いが潜んでいるんだろうと見当をつけてみると――ああ、なるほど。おぼろげながら落としどころが想像できて来た。

 彼らだって、まさか本当に日本が独自に予算を組んで国際社会との軋轢も起こさずに核開発ができるなんて考えてなんかいやしない。ちょっと損得勘定すれば、やらないほうが遥かに得であることも分かっているだろう。
 だから、彼ら「非核見直し議論」提唱者が目論んでいるのは、非核三原則の内の『持ち込ませず』の撤廃だ。そうすれば、アメリカの核の傘から出ることなく、殆んど実質的なリスクを負うこともなく、日本を実質的な核武装ゾーンとすることができる。

 今だって、合理的に考えれば日本に寄港したり日本を母港にしている米空母が核兵器を持ち込んでいないなどありえないのであるけれど、そこには国家間の信義だとかメンツだとか体面という、泥を塗ったり潰したりすることのしがたい存在があるために、日本にいる間、米軍は形式的に核装備を行使できない。そのくびきから解き放つ。

 いきなり「非核三原則の『持ち込ませず』は止めます」なんて提案したって凄まじいハレーションが起こって実現できっこないだろうから、ハナから可能性のない極端な提案を吹っかけておいて、ズルズル値切られたようなふりをして、最終的には初めっから狙っていた落としどころで了解を取り付ける……。そんなシナリオを考えているような気がする。

 ま、これは所詮想像に過ぎないのだけれども、多分そんなに見当違いではないと思う。そして想像を元にこういうことを言うのも詮無いのだが、今の自民党政治家のお歴々は、本当に日本の国をアメリカに対して大安売りすることばっかりしでかしてくれるよなぁと嘆きたくなってしまう。
Posted at 2006/11/20 14:51:50 | コメント(2) | トラックバック(0) | 事件・事故 | 日記
2006年11月17日 イイね!

12秒間のスリラー

12秒間のスリラー電動ハードトップ付きNC型ロードスターの売りの一つは、片道12秒で動作完了する折りたたみ屋根だ。それに引っ掛けて、欧州マツダが「12 second thriller」という超ショート・フィルムの商品宣伝をウェブ上で展開し始めた。

 4つか5つの背景状況、それと同じ数の登場キャラクターを選択して上映開始ボタンを押すと、映画館のスクリーンみたいな画面が出てきて、まず丁度本編上映前にかかるポップコーンだのアイスクリームだのの宣伝が映写される。なるほど、ローディング時間をそうやってカバーしているわけね。何しろ、散々待たせても上映時間は12秒かそこら。下手すると待ち時間のほうが長くなってしまうのだから、こういう工夫は必要だろう。

 んでまあ、肝心の12秒スリラーがどうかと言うと、時折テレビのワイドショーなんかでも紹介される海外CMのテイストというか。ジョーズのパロディーやマトリックスのパロディー……と言うよりは一発芸的なスラップスティックものである。まあ、面白いかな。まだコンテンツが全部揃っていないようだが、多分それは小出しにしているからだろう。

 仮にマツダが日本国内向けにリトラクタブル・ハード・トップ車のキャンペーンをかけたとしても、恐らくこういうポップで「おバカ」な路線は選択しないだろうと思う。もっと「スタイリッシュ」で「キレイ」な方向にまとめようとするに違いない。多分この違いは、消費者がこういう種類の商品を、どういう形で受け容れるかが日欧で違っているからなんだろう。
 そしてこれも多分だけれども、電動ハード・トップのロードスターは、メルセデスのSLKとかBMWのZ4ではなくて、BMWミニとかプジョーのCCとかの仲間と見られてるんじゃないかと(或いはそういう売り方をしようとしてるんじゃないかと)感じられた。
Posted at 2006/11/17 11:53:59 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日本の車 | 日記
2006年11月13日 イイね!

ところ変われば……

ところ変われば……僕の父もそうなのだが、会社の先輩にも40歳を過ぎてから運転免許を取得した男性がいる。経済的に一定の余裕がある人の場合、車の免許を取るとやはりどうしても自分の車が欲しくなるようで――車を運転したいから結構な年齢になってからでも時間を割いて免許を取りにいくのかもしれないが――職場にもクルマ好きが知られてしまっている僕の所に(さほど親しいわけでもないのだが)来て、何かオススメの車はないかと相談された。まあ、もう十何年以上もむかしの話だが。

 似たような相談を持ちかけられた人は少なくないと思うけれども、真面目に(後から恨まれないように……)考えると、これは結構困ってしまう。漠然と「何かオススメ」と言われても、趣味ベースなのか実用ベースなのか、それとも見得やハッタリを求めているのか等々、なんとも答えようがないのである。ある程度、自動車所有の経験のある人ならばともかく、期待値と実像の落差ってモノもあるだろうから、どうしても無難なことしか言えないし、となれば何も別に僕などに相談しなくてもいい。と言うか、趣味のクルマの馬鹿話ならば幾らでも興が乗るけれども、ちょっと前ならホイチョイプロあたりが好んでやったに違いない『見栄を張れる車』とか月刊自家用車あたりがやるかもしれない真面目なファミリーカー比較みたいなのは、僕は苦手なのだ。

 その先輩の希望は「オシャレな外車で予算がこれくらい」という、雲を掴むようなものだったので日本でも認知度が急速に上がってきたプジョーとかアウディなんかいいんじゃないかとお答えした。
 すると彼は「プジョーとアウディはダメだ」と直ちに却下なさる。余り車に詳しくないはずの彼が、何故そこまではっきり断言するのか不思議だったので聞いてみると『ところ変われば……』な理由を話してくれた。

 察しのいい人にはそれだけで多分分かってもらえると思うのだが、彼は東京勤務になる直前、かなり長いこと北京の駐在事務所でボスをやっていたのだった。中国では、業務提携を結んだ現地工場がアウディやVW、プジョーを生産している。
 駐在期間中、それら現地生産車のリアルな品質を身を持って経験している彼にとっては、僕が試しに挙げたブランド名からは極めてネガティブな印象しか浮かんでこないと言うのだ。そういえば彼の前々任者は確か本体価格の200%とかっていう莫大な関税を払って、日本からクラウンを持ち込んだとか聞いたことがある。
 そうか、現地生産の品質はそんなにスゴイのか……と、十何年前の僕は一つ賢くなったような気がしたものだ。今どうなのかは知らないけど。

 結局うやむやになってしまった彼の車選びへのアドバイスだが、後日彼の選んだ車を聞いて「え?!」と顔に出かけた。確か、彼は「オシャレな外車」がお望みだったはずだ。少なくとも僕には、1990年代中ごろのシボレー・カマロが世間一般で言うところの「オシャレな外車」に該当するとは思えなかったからだ。

 本人は極めて満足しているようだったし、これでも他人のクルマ選びにアレコレ言うほど野暮ではないので「自分が満足できるクルマが一番ですよ!」と言うにとどめたが、あのクルマに冠するには「オシャレ」以外に相応しい言葉があるんじゃないかと言う気もする。ただ考えてみれば「オシャレ」の概念も(文化圏ごとに一定の限界値はあるにしても)相当主観に寄りかかったものなので、まあ彼がオシャレだと思うんならそれでいいのかなと。

 ただ、相談を受けたときも居合わせた同僚は、僕とその先輩のやり取りを聞いてひとこと「……やっぱりあの人、ちょっと変わってるわ」と誰に言うともなく呟いたのだった。
Posted at 2006/11/13 21:55:24 | コメント(1) | トラックバック(1) | ふと思ったこと | 日記
2006年11月08日 イイね!

「そのネタでは書かないでください」

「そのネタでは書かないでください」以前、休刊した自動車雑誌「Auto Express」の思い出話で、オトナの世界には言っちゃいけない、記事にしちゃいけないことがあるんだよなぁというようなことを書いた。

 別にそれは驚くようなことでもなければ憤慨するようなことでもない。世の中から、そういう『配慮』や『心遣い』がなくなるほうが余程ギスギスして不都合だろうと思ったりもする。
 ただ、残念なのは得てしてそういう気遣い(や、商売上・お付き合い上の損得勘定)によって表沙汰にされないような事柄の中によく面白い話が転がっているということ。まあ、当事者にとっては笑い話じゃ済まないことだったりするから、色んな事情で伏せられてしまうことになるのだろうが、無責任な第三者にとっては「人の振り見て大いに笑え」だったりするのである。これは、そういう話。

 ――その夫婦が乗っていたのは、国産の中型ハッチバック車だった。この車を巡っては、夫婦喧嘩が絶えなかったと夫は証言する。車にカセットテープを持ち込むと、頻繁に紛失するのだ。夫は、妻が車内を整理整頓しないからだとなじり、妻はそんなわけあるかーッ!と反発する。それでしょっちゅう喧嘩になったのだそうだ。
 もちろんそういうことは、クルマだから起こるわけではない筈だ。常日頃から夫は妻の片づけがなってないと腹に不満をためており、妻はちゃんとやってるのにあンたは無闇に細けェんじゃーッ!と感じていたりするから、実際にモノがなくなる事実を前にしたとき、口をついて出てくるのだろう。自分の両親がそういう感じなので、その辺は大体想像がつく。

 ある日、この夫婦が愛車でドライブしていると、突然車内が焦げ臭くなり白煙が立ちこめた。大慌てで道端に車を停め車からまろび出て消火したのでボヤで済んだが、車両火災を起こしてしまったのだ。
 夫は直ちに販社に電話をかけ「お前のとこで買った車が火ィ噴いたぞコラァ!」と怒鳴りつけ、工場に運ばせ修理はもう無理だから原因調べろと迫ったらしい。

 で、後日その報告を聞いたところセンター・コンソールの物入れの裏側に幾つもカセットテープが転落していて、それが排熱を受ける場所だったもので溶けて焦げて燃え始めた、と言うのだ。
 それを聞いた妻が「ほら見たことか、私の整理整頓が悪いからなくなってた訳じゃないだろ」と夫に向かって言い放ったかどうかまでは僕は知らない。夫が「あらぬ疑いをかけて申し訳なかった」とひれ伏して謝罪したかどうかも、やはり僕は知らない。

 ところで何故そんなところにカセットテープが転落していたかと言うと、センターコンソールの物入れの裏側に隙間があって袋状になっておらず、小物だと落っこちてしまう設計だったというわけだ。しかも落ちた先には高温の排気系統が待ち受けているという、これで車両火災が起きないほうがどうかしてるという素晴らしい仕様。
 パソコンのソフトならば「仕様です!」で押し切るのもアリかもしれないが、下手すりゃ搭乗者が生きたまま丸焼けにされるかもしれないような設計は「仕様です」では済まないよなぁ……。

 後年、この夫妻の一方が、その体験談を雑誌のコラムでネタにしようとしたら(そういう職業の人なのだ、この夫婦の片方は)、編集長が「そのネタでは書かないでください」と伏してお願いしたのだとか。
 広告収入や、取材や広報車両の貸し出しなどの便宜供与で自動車メーカーに対してはおんぶに抱っこ状態の雑誌社としては、いかに「実話」といっても――いや、実話だからこそ書いてもらっちゃあ困るのだろう。話ネタとしては実に面白いのだが。
Posted at 2006/11/08 14:29:18 | コメント(0) | トラックバック(0) | ふと思ったこと | 日記

プロフィール

「フェアレデーって本当に呼ばれてたの? http://cvw.jp/b/9433/47108671/
何シテル?   07/24 21:51
曲面の綺麗な旧い車が好き、エレガンスのある車が好き。そんなこんなでユーノス500に乗りつづけ、もう……何年だ?  気がつけば屋根のない車まで併有。いつまで乗り...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2006/11 >>

   1234
567 891011
12 13141516 1718
19 20 21 2223 2425
262728 29 30  

リンク・クリップ

Automotive Design 
カテゴリ:新しい車関連
2003/08/09 00:21:12
 
All The Web 
カテゴリ:便利
2002/12/27 14:03:26
 
Hubble Space Telescope Public Pictures 
カテゴリ:科学・文化・芸術
2002/11/08 15:59:43
 

愛車一覧

マツダ ロードスター マツダ ロードスター
2005年10月、発作的に衝動買いしてしまいました。 いい車だなぁと思ってはいたものの所 ...
マツダ ユーノス500 マツダ ユーノス500
気が付けばデビューはもう19年前。 最新の車とは比べるべくもありません。 ガタガタゴトゴ ...
マツダ アテンザセダン マツダ アテンザセダン
例によって例のごとく、借り物の車での「パートタイム・オーナー」です。レンタルしたのは10 ...
マツダ ランティス マツダ ランティス
俄かオーナー経験は僅か3週間で終わりましたが、とてもいい車です。 代車だったので、コンデ ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation