昨日発売の「RACERS」、
今号は楕円ピストン8バルブのレーシングマシン、NRの特集です。発売日だったのを思い出して急いで本屋さんに行ったら綺麗な本が1冊だけあったのですかさず買いました。
以前にも書きましたが、1979年当時2ストロークエンジンが全盛だったGP500に4ストロークエンジンで参戦を決めたHONDAが取った手法は「2ストロークエンジンの倍以上回せば馬力は同等」…しかし通常の真円ピストンではバルブ面積が稼げないので考えたのが、長円形のピストンに4個ずつ吸排気バルブを並べるという空前絶後のエンジンでした。
おまけに車体の方もモノコック(今回知りましたがアルミ製でした!)に倒立フォーク、サイドラジエーターにスプロケットと同軸のスイングアームピポット(これも今回クランクケース付けだった事をしりました)etc…と全てが新機軸の塊のマシンでしたが、様々なトラブルのために真価を発揮する事なく82年に2ストロークのNS500と交代になった、ある意味悲運のマシンです。
それでも40年前に4ストローク500ccで130馬力を叩き出すのは驚異的で、これを当時のF1(500〜520馬力くらいだったようです)の3000ccに換算すると780馬力!NRがデビューした瞬間にF1のレギュレーションで「真円で無いピストンは駄目」というルールが追加されたのも当然でしょう。
今回の記事ではもてぎに保存されていたマシンの写真撮影などあり、今まで見た事の無かったタンクやシートカウルをはずした写真は非常に貴重ですね(雑誌から拝借しました)。しかし、エンジンのセッティング変更のためにはここからエンジンを降ろさないといけないので(そうすると車体は前後真っ二つでバラバラになります)、整備性は最悪ですね。現代のインジェクションの時代なら簡単に変更出来ると思いますが、良くこんな車体を考えたものです(爆)。
他にも、79年を走ったマシンの進化型のプロトタイプの写真など、お目にかかった事の無い写真があり、素晴らしい資料です。
今回はレーシングマシンとしての歩みに重点が置かれており、後編は技術的な詳解という事で、今から楽しみです。更に幻のNR250ターボ(こちらは153馬力出たようです)の話も出て来るようですね。
紙の本も嬉しいのですが、読んでいると折り目が付いたり汚くなったりするので、是非デジタル版も発行して欲しいですね。
Posted at 2019/09/25 17:39:39 | |
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