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イイね!
2015年10月13日

ブローバイラインについて①

ブローバイラインについて① え~・・・ず~っとなあなあで済ましていたブローバイラインについて改めて考えたいと思います(爆)

ブローバイラインって直接的にチューニングやカスタマイズには絡んでこない項目なので私のようになあなあになっている(※妥協して安易に済ませている)人も多いのではないでしょうか。

と言い訳をしつつ話を持っていきます(笑)



そして今回はなんと2部構成です。

①は図解でブローバイラインの流れや繋ぎ方を確認。
②は今回の不具合の残件対応などです。

まぁ、正直言うと長いから分割しただけですけど(笑)



さて、ではそもそもブローバイってのはなんなんでしょう?


→燃焼室からクランク室へ吹きぬけた燃焼ガスあるいは未燃焼ガスの事です。


このブローバイガスの主成分は「HC、CO、CO2、SOx、NOx、H2O、O2、N2」などです。

まぁ、まんま燃焼ガス/未燃焼ガスですね。そりゃあそうです。

で、このブローバイガスにはSOx、NOxなどの大気汚染物質が含まれています。

ブローバイガスは排気ラインに行かないので三元触媒も通りませんから、これらを処理できません。

燃焼室からクランク室へ吹き抜けたブローバイガスはなにもしなければ行き場がなくなります。何処にも行かなかったらクランク室の圧力がどんどん上がっていってしまいます。

なのでクランク室から大気へ圧抜きを取ったものオープンタイプというブローバイガスの処理方法です。


で、微量とはいえ大気汚染物質を大気に出すのは・・・と言う事で、インテークラインに戻して再度燃焼させて処理しましょう。ってのがシールドタイプという方法。クランク室の圧力が上がったらインテークラインへ抜けるのでそこから再度エンジンに吸い込まれるという寸法。


そして私のインプレッサを含め現在の車の多くが採用しているのがクローズドタイプ。またの名をPCVシステム(ポジティブクランクケースベンチレーションの略)

ちなみに私はPCVをプレッシャーコントロールバルブだと思ってました。なんていい加減な(爆)


クローズドタイプは基本はシールドタイプと構造は同じですが、PCVバルブと呼ばれる逆止弁を介してインマニに接続されます。
インマニが負圧になれば、PCVを通してクランク室内のガスを引っ張ります。
インマニが負圧でなくなれば、負圧になったクランク室内へインテークラインから大気を吸い込みます。
クランク室の圧力が上がったらインテークラインへ抜けていき、再度燃焼させます。


というシステム。


とりあえず概略だけ文字で説明してみました。

先に少し脱線しておくと、ブローバイガス自体は完全にガス(気体)なのですが、エンジンオイルが循環、攪拌されているクランク室を通過する際にブローバイガスと一緒にエンジンオイルミスト(液滴)が同伴されます。シールドタイプ・クローズドタイプではこのブローバイガスと一緒に同伴されるオイルミストをインテークラインに戻してしまうが故にインテークラインが油で汚れるという状態が生じます。

それをなんとか気体と液体に分離して、気体だけをインテークに戻そうとして取付けるのが市販のオイルキャッチタンクですね。



さて、そろそろ文字だけでは理解不能になってきたでしょうから図面を使っていきましょうか。
※以降はクローズドシステム(PCV)の話です。





これがインプレッサ(EJ20)のブローバイライン構成を簡略化した図です。

図にするとなんとな~く解りやすくなったでしょうか?

ブローバイガスの処理はクローズドタイプ(PCV)となっています。


ただ、これだと流れの方向が書いてないのでなにがどう流れるのか解りませんね。


流れの方向がエンジンの状況次第で異なるので、パターン別に流路を書いてみましょう。





①アイドリング状態

1)スロットルCLOSEにより、ISCから吸う分だけの吸気量となり、インマニは負圧(-600kpa程度)となる。
2)インマニ負圧により①PCV経由で②クランク室と③インテークから吸い込む。
3)クランク室が負圧となる事で、④インテークから吸い込む

※アイドリング時のみならず、エンジンブレーキ中やスロットル微開状態でもインマニ負圧であればこの流路となる。





②アイドリング→スロットルOPENへ移行の状態

1)スロットルCLOSE→OPENによりインマニ圧力が-600kpa→0kpaへ移行する。
2)インマニが負圧でなくなった為、PCVバルブは流れなくなる。
3)負圧となっていたクランク室に①②インテークより空気が流れこみ、負圧→0kpa(大気圧)へと移行する。

※クランク室が大気圧となった時点でこの流れは終了し、次項③の状態へと移行する。





③スロットルOPEN状態

1)スロットルOPENによりインマニは大気圧(0kpa)となる。
2)クランク室はブローバイガスの吹き抜けにより0kpa~微正圧程度となる。
3)クランク室の微正圧とインテークラインの吸込力により、①②インテークへ吸い込まれる。

※PCVバルブは逆止弁のため、この状態では流れない。





④過給時の状態

1)基本的に「②スロットルOPEN時の状態」と同じ。
2)過給によりブロ-バイガス吹き抜け量が増加するため、クランク室の圧力はより上昇する。
3)過給により、吸気量が増えるため、インテークラインの吸込力も強くなる。




以上が通常のクローズドタイプ(PCV)のブローバイラインの流れです。

※注意:EJ20の構成略図の為、他車種では違う場合があります。


PCVバルブを通過するのはインマニが負圧の時のみで、それ以外はPCVバルブは閉止しています。

普通に走っている分にはほとんどが負圧領域での走行なので、クランク室内は積極的に換気されている状態ですね。


反ってガンガンブーストを掛けて走ってる時なんかはPCVバルブは機能しません。ブローバイガスが出れば出るほどインテークラインへ戻っていきます。

そして同伴されるオイルミストでNBであればタービンが汚れたり、NAであればスロットルが汚れたりします。


それを嫌ってオイルキャッチタンクを付けますが、付けるとどんな流れになるのでしょう?

って事で各社から市販されているオイルキャッチタンクの繋ぎ方(取説の繋ぎ方)で見てみましょう。
※EJ20の繋ぎ方です





①アイドリング状態

1)スロットルCLOSEにより、ISCから吸う分だけの吸気量となり、インマニは負圧(-600kpa程度)となる。
2)インマニ負圧により①PCV経由で②クランク室と③インテークから吸い込む。
3)クランク室が負圧となる事で、④インテーク(キャッチタンク経由)から吸い込む

※アイドリング時のみならず、エンジンブレーキ中やスロットル微開状態でもインマニ負圧であればこの流路となる。





②アイドリング→スロットルOPENへ移行の状態

1)スロットルCLOSE→OPENによりインマニ圧力が-600kpa→0kpaへ移行する。
2)インマニが負圧でなくなった為、PCVバルブは流れなくなる。
3)負圧となっていたクランク室に①インテークと②インテーク(キャッチタンク経由)より空気が流れこみ、負圧→0kpa(大気圧)へと移行する。

※クランク室が大気圧となった時点でこの流れは終了し、次項③の状態へと移行する。





③スロットルOPEN状態

1)スロットルOPENによりインマニは大気圧(0kpa)となる。
2)クランク室はブローバイガスの吹き抜けにより0kpa~微正圧程度となる。
3)クランク室の微正圧により①インテークと、②インテーク(キャッチタンク経由)へ吸い込まれる。

※PCVバルブは逆止弁のため、この状態では流れない。





④過給時の状態

1)基本的に「②スロットルOPEN時の状態」と同じ。
2)過給によりブローバイガス吹き抜け量が増加するため、クランク室の圧力はより上昇する。




と言う事で、基本的には青ライン(I/C共付けの集合ライン)の間にオイルキャッチタンクが挟まるだけです。こちらはブローバイガスが出ればタンクで分離されます。

ですが赤ライン(PCVバルブあり)は何もしてないので、ブローバイガス(同伴オイル)が出ればインテークに戻っていきます。

つまり各社指定のキャッチタンクの付け方をしても、オイルの回収効果は50%しかないって事ですね。




ちなみにオイルキャッチタンクをインテークに繋がず、大気開放した場合を見てみましょう。(これは私が今までずっとやっていた繋ぎ方です)





①アイドリング状態

1)スロットルCLOSEにより、ISCから吸う分だけの吸気量となり、インマニは負圧(-600kpa程度)となる。
2)インマニ負圧により①PCV経由で②クランク室と③インテークから吸い込む。
3)クランク室が負圧となる事で、④大気(キャッチタンク経由)から吸い込む

※アイドリング時のみならず、エンジンブレーキ中やスロットル微開状態でもインマニ負圧であればこの流路となる。





②アイドリング→スロットルOPENへ移行の状態

1)スロットルCLOSE→OPENによりインマニ圧力が-600kpa→0kpaへ移行する。
2)インマニが負圧でなくなった為、PCVバルブは流れなくなる。
3)負圧となっていたクランク室に①大気(キャッチタンク経由)と②インテークより空気が流れこみ、負圧→0kpa(大気圧)へと移行する。

※クランク室が大気圧となった時点でこの流れは終了し、次項③の状態へと移行する。





③スロットルOPEN状態

1)スロットルOPENによりインマニは大気圧(0kpa)となる。
2)クランク室はブローバイガスの吹き抜けにより0kpa~微正圧程度となる。
3)クランク室の微正圧により①大気(キャッチタンク経由)へ放出&②インテークへ吸い込まれる。

※PCVバルブは逆止弁のため、この状態では流れない。





④過給時の状態

1)基本的に「②スロットルOPEN時の状態」と同じ。
2)過給によりブローバイガス吹き抜け量が増加するため、クランク室の圧力はより上昇する。




まぁ、正直あんまり変わりません。


キャッチタンクで分離しきれなかったオイルがインテークに戻らないって違いくらいでしょうかね。




では、赤ラインも青ラインも両方キャッチタンクに繋いで大気開放状態にしたらどうなるのか?
※10/5のブログで書いた繋ぎ方です。





①アイドリング状態

1)スロットルCLOSEにより、ISCから吸う分だけの吸気量となり、インマニは負圧(-600kpa程度)となる。
2)インマニ負圧により①PCV経由で②クランク室と③大気(キャッチタンク経由)から吸い込む。
3)クランク室が負圧となる事で、④インテーク(キャッチタンク経由)から吸い込む

※アイドリング時のみならず、エンジンブレーキ中やスロットル微開状態でもインマニ負圧であればこの流路となる。





②アイドリング→スロットルOPENへ移行の状態

1)スロットルCLOSE→OPENによりインマニ圧力が-600kpa→0kpaへ移行する。
2)インマニが負圧でなくなった為、PCVバルブは流れなくなる。
3)負圧となっていたクランク室に①大気(キャッチタンク経由)より空気が流れこみ、負圧→0kpa(大気圧)へと移行する。

※クランク室が大気圧となった時点でこの流れは終了し、次項③の状態へと移行する。





③スロットルOPEN状態

1)スロットルOPENによりインマニは大気圧(0kpa)となる。
2)クランク室はブローバイガスの吹き抜けにより0kpa~微正圧程度となる。
3)クランク室の微正圧により、①大気(キャッチタンク経由)へ放出される。

※PCVバルブは逆止弁のため、この状態では流れない。





④過給時の状態

1)基本的に「②スロットルOPEN時の状態」と同じ。
2)過給によりブローバイガス吹き抜け量が増加するため、クランク室の圧力はより上昇する。



はい。これだと、AIRがキャッチタンク経由でエアクリーナーを通らずにインマニに吸い込まれていきます。

つまり、砂塵類をフィルタリングできませんのでエンジンによろしくないです。

よってこの繋ぎ方はダメダメなので、次の繋ぎ方に変更済みです。

といっても解決策は「大気開放→インテーク戻し」にするだけですが。

※「キャッチタンクの大気開放側にフィルターを付ける」という手段でも解決は出来ます。ただしエアフロ計を通らないAIRが生じます。






①アイドリング状態

1)スロットルCLOSEにより、ISCから吸う分だけの吸気量となり、インマニは負圧(-600kpa程度)となる。
2)インマニ負圧により①PCV経由で②クランク室と③インテーク(キャッチタンク経由)から吸い込む。
3)クランク室が負圧となる事で、④インテーク(キャッチタンク経由)から吸い込む

※アイドリング時のみならず、エンジンブレーキ中やスロットル微開状態でもインマニ負圧であればこの流路となる。





②アイドリング→スロットルOPENへ移行の状態

1)スロットルCLOSE→OPENによりインマニ圧力が-600kpa→0kpaへ移行する。
2)インマニが負圧でなくなった為、PCVバルブは流れなくなる。
3)負圧となっていたクランク室に①インテーク(キャッチタンク経由)より空気が流れこみ、負圧→0kpa(大気圧)へと移行する。

※クランク室が大気圧となった時点でこの流れは終了し、次項③の状態へと移行する。





③スロットルOPEN状態

1)スロットルOPENによりインマニは大気圧(0kpa)となる。
2)クランク室はブローバイガスの吹き抜けにより0kpa~微正圧程度となる。
3)クランク室の微正圧とインテークラインの吸込力により、①インテーク(キャッチタンク経由)へ吸い込まれる。

※PCVバルブは逆止弁のため、この状態では流れない。





④過給時の状態

1)基本的に「②スロットルOPEN時の状態」と同じ。
2)過給によりブローバイガス吹き抜け量が増加するため、クランク室の圧力はより上昇する。
3)過給により、吸気量が増えるため、インテークラインの吸込力も強くなる。



赤ラインも青ラインもキャッチタンク入口に繋いだら、キャッチタンク出口はインテークに戻します。

これでオイルも分離でき、AIRもきちんとエアクリーナー通過済みを吸い込む。万事解決。




ブローバイラインの色々な繋ぎ方のパターンを図解してみましたが、クローズドタイプ(PCVシステム)にキャッチタンクを付ける際は一度考えてからやったほうが良さそうです。

でないと「キャッチタンクを取り付けてよし安心」って思ったら実はまだインテークにオイル行ってました。なんて事になるかもしれません。

まぁ、私の事なんですが(爆)

いや知っててほっといたのでちょっと違うか(笑)


さぁ、あなたの車のオイルキャッチタンクはどう繋がっていますか?




あ、そうそう。ちなみにPCVバルブはこんな所に付いてます↓



スロットルの真下あたりに刺さってるこの部品。



「ブローバイラインについて②」に続きます
ブログ一覧 | 小難しい話とか | 日記
Posted at 2015/10/13 22:18:29

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