●お蔵入りになってしまった「ナナイチ」のコト(前編)
先日購入、読破した「ダブワン本」がキッカケとなり、
1960年代を改めて見直しイイなと思った、
ソコから
記憶が呼び起され溢れ出た脳汁(爆)は「キューニー」、
そして今回はコチラです、
先日のブログに載せた画像、記憶の中の1枚、
今はホントにイイ時代になりましたよね、
しつこく検索していたら、かつて読んだ雑誌の写真が出てキタ!!
そしてさらに調べたら「1993年6月号の別冊モーターサイクリスト誌(略して「別モ」)」だというのもワカリマシタ!!
そう、ソノ雑誌、当時購入して、もしかしたら処分しちゃったか(涙)、
まだ実家の倉庫に眠っているか???
まぁソイツはさておき、ソノ画像のバイクは「ナナイチ」、
ホンダCB71、です♪
「ナナイチ」と聞いてマークⅡ三兄弟を思い浮かべたかたのはソコのアナタですね(笑)、
さて、本題の「ナナイチ」、
まず掲載した画像についてですが、
ソノ雑誌に書かれていた記事の内容・・・私の脳内の記憶ですと(笑)、
「CB71用部品を、C71の車体に組み込んだ、CB71レプリカ」
ザックリ書くとこんな内容です、
で、雑誌の記事の詳細については次回(後編?)について書くとして、
今回は「CB71」が誕生してどうなったか?の歴史編、
ベースモデルとなった「C71」とは、
(コノ「C系」のモデル群は250ccクラスの車両になります・例外は「C♯77系(305cc)」です)
アノ「本田宗一郎」氏が「ヒトのマネするな」とデザインに関わったとされる、
「神社仏閣デザイン」の名車(?)、
「C70」に始まりセルモーターが付いたのが「C71」です、
(正式名称はドリームC7♯~・・・アタマに「ドリーム」が付くのですが省略します・)
そしてソレを圧縮比アップさせ、アップマフラーでパワーアップしたのが、
(18馬力から20馬力へパワーアップです)
「CS71」になります、
そんな「神社仏閣ドリームC系」のオートバイが発売されたのは1957(昭和32)年から、
そう、時代は
「アサマ」の時代、
メーカーが「浅間火山レース」の為に高性能車を開発・販売していた頃ですね、
ホンダさんも、レース用の車両と、市販車(レースにも使える)をどうにかしたい、
しかし「CS71」だと、車体が重い(約160キロ)のと、チカラ不足、
ソコで、更にパワーアップしたエンジン(推定24馬力)を、
アルミ製のタンクやフェンダーで軽量化した(C71の)車体に、
200ミリ径の大径ドラムブレーキで武装した「ドリームスーパースポーツCB71」を開発します、
(コノ時代の「CB」は「スーパースポーツ」なのです)
コノ手法って、
以前紹介した、「C90→CB90(のちのCB92)」の開発手法に似ているンですね、
「CB90」は以前書いたように、出場予定だったクラスのレースが中止になってしまい、
「オクラ入り」となりますが、
のちに「CB92」として市販された、
今回の「CB71」も、同じように市販される予定でした・・・、
だがしかし、「ナナイチ」は市販されるコトなく、「オクラ入り」となりました(涙)、
時代を再度検証してみると、ソノ当時は多くのメーカーが、
「アサマ」のコースを借りてテスト走行したり、
更には仮ナンバーを付けて一般公道でテストしていたおおらかな時代(笑)、
ホンダさんは他のメーカーに先駆けて「荒川テストコース」を所有していました、
埼玉県に流れる荒川の河川敷を舗装した、約1.5キロの直線路・・・、
こういった場所で「ナナイチ」はテスト走行したと思いますが、
(荒川テストコースは1958年5月開設らしいので、「ナナイチ」も走ったと思われる)
そんなテストした社内ライダーさんから、
「操縦性に問題がある」等々言われたようです、
コノ時代をリードするとされた設計の「プレスフレーム」では、
(ホンダさんは、コノ時代、プレスフレームに絶対の自信がありました)
パワーアップしたエンジンには相性が悪かったらしい・・・、
125ccの「C90→CB90」が、「11.5馬力→15馬力」のアップでしたが、
「神社仏閣デザインのプレスフレーム」でも対応できたので、
(検証できなかったですが、125と250のフレームはサイズが違うので別モノ、と思われます)
250の「CB71」もイケるだろう、
そんな風に考えたのでしょうが、
実際は無理だったようです、
しかし現実は、「浅間火山レース」の開催が迫っているので、
どうにかマシンを造らないとイケナイ、
得意のプレスフレームを諦め、新たにパイプフレームを製作、
(すでにレーサー用としてパイプフレームの製作実績はあったが
「CB71」は「市販車」の位置づけだったので
プレスフレームを使いたかったと思われる)
更にパワーアップしたエンジン(公称馬力は同じだが、より高回転型となる)を載せ、
(カム駆動方式をチェーンからホンダお家芸の「カムギヤトレイン」に変更)
誕生したのが「CR71」です、
ホンダレーサーの称号、「CR」の名前を初めて冠したモデルですね、
本田宗一郎氏が乗車している写真も残っています♪
「CB71」はコノ時点で完全にお蔵入りとなってしまいましたが、
「CR71」で使われたパイプフレームの技術を使い、
更に開発を進め、のちに誕生するのが名車「CB72」となります、
「ナナニイ」は1960(昭和35)年発売、
「トップ(=4速)では、(時速)70キロ以下は走れません」と豪語する、
(180度クランク仕様のエンジンは、最高速向きの設定なので
コノ宣伝文が使われた、と言われています)
当時としては超高性能車です、
「CB92」より1年ホド発売が遅れてしまったのは、
プレスフレームが使えず、新規のパイプフレームが必要だった、
そんな理由からですね、
さて、そんな歴史の中へ「オクラ入り」してしまい、
実車も残っておらず廃棄されてしまったとされる「CB71」、
一部のマニア以外はほとんど知られなかった「ナナイチ」を、
(当然ですが、当時の私もコノ記事読むまで全く知りませんでした)
蘇らせたのが冒頭のほうに書いた雑誌「別モ」の記事、
当時はわからなかったですが、
コノ記事がマニアに与えた影響はかなり大きかったようです、
次回はソノ辺をチョット書きたいと思います♪
それではまた次回に!!
※画像はC系マニアのサイトやメーカー史料等よりお借りました
ありがとうございました