2022年のモトGPの前半戦が終了し、サマーブレイクに入っていますので、前半戦の総括を僕なりにしていきたいと思います。モトGPがお好きな方、宜しくお付き合い願います。
前半戦11戦が終了し、ランキングトップはヤマハワークスのファビオ・クアルタラロが172ポイントでトップ。2位はアプリリアワークスのアレイシ・エスパルガロの151ポイント、3位はプラマック・ドゥカティのヨハン・ザルコの114ポイント、4位はドゥカティワークスのフランチェスコ・バニャイア(愛称ペッコ)の106ポイント、5位はグレシーニ・ドゥカティのエネア・バスティアニーニの105ポイントとなっています。
クアルタラロ メンタル強め、でもヤマハの最高速には不満ある模様。
第11戦のアッセンで、クアルタラロが接触、一時15番手に落ちるも鬼神の追い上げで4位獲得。最高に胸熱なアレイシ。苦労人もやっと報われるか・・
ドゥカティワークスのバニャイア ややナーバスな性格?
前半戦で3勝しているのはクアルタラロ、ペッコ、バスティアニーニの3人ですが、DNF(リタイア)はクアルタラロ1回、ペッコ4回、バスティアニーニ3回となります。ランキング2位のアレイシの活躍はアプリリアのマシンの熟成と合わせ、リタイア無しで優勝1回、3位4回、4位3回、5位1回、9位と11位が一回ずつとコンスタントにポイントを得て来ました。アレイシは苦労人だけに結構、胸熱な方多いのではないでしょうか?ザルコも2年連続でモト2のチャンピオンになった強者ですが、TECH3ヤマハで速さを見せましたが、KTM時代は大きく沈み、ドゥカティに乗ってからは良い位置で走れていますね。
メーカー別に見て行くと、首位にいるヤマハですが、速いのはクアルタラロ1人のみ。同じワークスのフランコ・モルビデリは25ポイントで19位、サテライトのRNFレーシングのアンドレア・ドビツィオーゾは10ポイント、ダリン・ビンダー(モトGP1年目、モト3から飛び級で昇進、KTMのブラッド・ビンダーの弟)も10ポイントで、21位、22位となります。そしてヤマハのサテライトチームは来年は無しとなる模様(後述)。
次に好調のアプリリア、アレイシの健闘が光りますね。マシンも直線も速く、コーナーでの旋回性も自由度あるんですかね?コンパクトに旋回しています。また信頼性も増したようですね。ビニャーレスもオランダでは表彰台に上がり、速さを取り戻してきていますので、後半戦に期待です。
ドウカティはワークスの他、サテライト3チーム(プラマック、グレシーニ、VR46)を抱える大所帯です。エントリー24台のうち、3分の1に当たる8台がドゥカティですからね。そのドゥカティも相変わらず新兵器満載の様で、謎めいた機構が多いのですが、8台共に速さを発揮しています。ただ、今年チャンピオン候補の最有力だったペッコはリタイヤが多く、後半戦は苦しいですね(ファビオ次第というところ)。
スズキは今年度限りの撤退が決定しているので、現場の士気はともかくとして、新しいパーツの供給とかは期待できず、苦戦は否めませんね。スズキの撤退は重ね重ね残念です。
KTMも今年は調子よく無いですね。ミゲル・オリベイラが第2戦ポーランドで優勝していますがリタイア3回、後は10位以内という成績でランキング10位、ブラッド・ビンダーは初戦のカタールこそ2位でしたが、後は10位以内。リタイアは1回なのでランキング上は93ポイントで6位です。TECH3チームはモト2で前年ランキング1,2位だった、レミーガードナーと、ラウル・フェルナンデスですが、モトGPマシンには苦戦しているようですね。またこの2人、モト2時代もKTMチームでしたが、仲が良くない事も有名ですね(レミー・ガードナーはGP500や8耐で有名なワインガードナーの息子さんです。また、ヘルメットは今年から日本のカブトF17を使用していますね)。
最後はホンダです。昨年までのマルケススペシャルを辞め、今年は後輪の接地性を高めた新RC213Vを投入しました。初戦のカタールでポル・エスパルガロが3位に入り、まずまずに思えましたが、その後、ホンダの全ライダーが低迷しています。マルク・マルケスが6戦で60ポイント、ランキング13位、ポル・エスパロガロは40ポイント17位(リタイア5回)、LCRホンダの中上貴晶が42ポイント16位(リタイア4回)、アレックス・マルケスは27ポイント18位(リタイア3回)です。ドイツGPではホンダは40年ぶりにノーポイントのレースとなりました。唯一完走したマルクの代役のテストライダーであるステファン・ブラドルはマシンの発する高熱で身体のあちこちに火傷を抱えながら完走し、マシンに対しての不具合を訴えています(フロントブレーキレバーでさへ熱くて触れなかったようです。右足首にも火傷がありました。ホンダのバイクはライダーに厳しいですね。てか、これでいいのか?もし勝ってたら問題にしない部分なのか?違うだろ?)
最近のモトGPは誰が勝つのか解らないですが、ライダー同士のバトルがあまり感じられない気がします。変な言い方ですが、転んだライダーでさへ、何故転んだのか解らないというコメントさへ上がります。最高速は350㎞/hに達し、パワーは250馬力を超えるとも言われるマシンは人が扱うのにはもう限界な気がします。ほんの僅かなセッティングミスでノーポイントのレースになってしまうのはもったいない気がしますね。何よりこれが見たいモトGPであるかと言うと、少し違う気がします。そういう意味ではSBK(スーパーバイクレース)の方が面白いと思います。
ここまでのモトGPの前半戦を振り返ってきましたが、来年のモトGPをここから考えて行きます。これにはライダー市場が大きく関わっています。
ヤマハワークスはクアルタラロとモルビデリで決定!
ヤマハサテライトのRNFレーシングだが、来年はアプリリアのサテライトとなる。ライダーは未定。
スズキは撤退。ジョアン・ミルはホンダレプソル、リンスはホンダLCR。
ホンダレプソルのマルクマルケスは今年度は腕の手術後のリハビリに徹し、後半は不出場。ポルはKTMのTECH3へ移籍か?LCRのアレックス・マルケスはグレシーニ・ドゥカティへ移籍。中上は残留かは未定(後任はモト2の成績次第では小椋藍か?)。
KTMはレッドブルはブラッド・ビンダーは残留確定。オリベイラはレッドブルから移籍確定だが、移籍先は未定。オリベイラの後任はドゥカティワークスのジャック・ミラー。TECH3はレミー・ガードナーが残留。フェルナンデスは移籍の噂あり。後任はポル・エスパルガロとも言われる。
アプリリアワークスは、アレイシとビニャーレスで決定!RNFレーシングは未定。
ドゥカティはワークスはバニャイアは決定。ミラーの後任はバスティアニーニか、ホルヘ・マルティン。プラマックはザルコは確定。もう一人はマルティン残留か、バスティアニーニ。
グレシーニはファビオディ・ジャンアントニオとアレックス・マルケスで決定。
VR46はルカ・マリーニとマルコ・ベツェッキで継続。
あれ?来年、決まってないのは?ミゲル・オリベイラ、中上貴晶、ダリン・ビンダー、アンドレア・ドビツィオーゾ、ラウル・フェルナンデスというところ。ドビちゃんは来年は無いかなぁ。
心配なのはやはりホンダHRC。継続は療養中のマルク・マルケスのみ。後はスズキから移籍してくるミルとリンスの2人。2人ともV4は初。しかもハンドリングの良いスズキからの移籍組。つまり残りシーズンで開発と方向性を決めなければならないが、頼りになるのはステファン・ブラドルと中上のみ。正直言って2023年のロケットスタートは難しいと思われますね。
ヤマハはサテライトチーム消滅でテストやデータ取りは厳しそうだが、現状、速いライダーが1人だけでは、データ取りにもならず、影響なしか?クアルタラロスペシャルに突き進むのだろう。
ドゥカティは色んなライダーいるけど、皆速いので、マシンとしての完成度は高いと思われる。
アプリリアは熟成され、速さと信頼性の増したマシンに今後も期待。
KTMはやや苦戦しているが、後半戦に期待。鉄のパイプフレームが鍵か?
以上 長文でしたが、後半戦に期待しましょう。
Posted at 2022/07/10 13:52:22 | |
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