前日からの大風は、朝になっても吹き止まず、うるさくて実のところあまり眠れず。就寝が早かったこともあって、5時半には目を覚ましました。
空は青空なのがありがたいですが、テントの外は風でTシャツだと寒いほど。なので、朝食はカフェラテをコンロで温めます。ウチのカセットコンロは「アウトドアでも使える」と銘打ったシリーズの初期モデルですが、さすがにこの風だと別に風除けを立てないと厳しい。
天気が良いので、俄然やる気も湧いてきて、素早く撤収し、さらに北へ向かいました。
天塩の名物、風力発電塔群です。
通常発電塔は、周りを柵で囲われて近寄れないことが多いのですが、ここは道も付いていて、すぐ横まで行くことができます。
風力発電って、遠くから見るとゆるゆると優雅に回っているように見えますが、ここは風車としては、古い部類に入るためなのか、日本海の強風に耐え続けた経年劣化なのか、塔の直下では「ギリギリ…」「ガギガギ…」と言った、大丈夫なのか?という感じの、なにか金属同士が接触するような音も聞こえていましたが。
そしてやはり利尻富士。
昨日から中腹に雲がかかったままだったので、全貌をとは言えませんでしたが、日本海に浮かぶその姿は、やはり雄大です。
この「オロロンライン」は、海沿いにどこまでも続くかのような直線で、晴天の夏は走っていて、ほんとうに気持ちの良い道なので、この時ばかりはやっぱりオートバイだったらなあ、という思いも少しありました。
と、前方になにか走っていて、先行車がみんな追い抜いているな、と思ったら、なんとトゥクトゥクでした!
東京のナンバーだったので、フェリーに乗ってきたのでしょう。これで旅をするのはすごい。
が。
晴れていたのはここまで。
稚内が近づくに連れ、どんにょり天気になってしまい、気温も20℃を割り込むほど急降下。全開だった窓も閉めて走ります。
こうなると、オートバイだったらさぞかし寒かったろうなあ、クルマで良かった、と現金に思ってしまうのでした。(笑
どんにょり天気で何も見えやしない、のはわかっているのに、ここまで来たらノシャップ岬に寄らずにおれないのは、ライダーあるあるの末端志向症です。混んでいたので、写真だけ撮って、とっとと退散。
稚内に来たついでなので、高台の森林公園にも行ってみました。
晴れていれば、サハリンも見渡せたと思いますが、今日は残念ながらこの天気。でも仕方ありません。
むしろ振り返ると、空自の防空レーダー群が見えて、そっちでテンション上がったり。(笑
こんな天気で寒いので、宗谷岬もトイレに寄っただけですが、そもそもがなにか目的があって、ここまで来ているわけではないので、別にいいのです。(←馬鹿
今度は海沿いを南下。左手に見えている海は、日本海からオホーツク海に変わりましたが、天候どんにょりに波高し。浜辺で遊ぼうという気にもなりません。
国道をそのまま南下すると、内陸を走ってしまうので、猿払村道エサヌカ線を走ってみます。
広大な牧草地帯を抜ける、気持ちの良い道ですが、晴れていればもっときれいだったのに…とは言いますまい。
末端志向性なので、小さいと言えども、岬に寄らずにおれません。てことで、北見神威岬へ寄り道。
海の上には、前線が張り出しています。あれがもうちょっと西寄りだったら晴れていたのに…とも言いますまい。(笑
そうこうするうち、早朝から動いていたので、少し小腹が空いてきました。しかし、飲食店はおろか、この界隈コンビニすらもありません。
そのまま枝幸まで南下して、やっとセイコーマートを見つけ、さすがにガッチリ食べたいわけではないので、シュークリームで糖分補給。
案の定、この後もお店が見つからず、お盆とあって道の駅の飲食スペースも行列。なので、並ぶのが苦手なかわねこはパス。
結局、雄武町で食堂を見つけて入ってみたものの「すいません、今日はもう終わりなんです」と、昨日とは逆に断られてしまいました。残念。
しかし、探すと近くで蕎麦屋さんを見つけたので、お昼にありつけました。
ここも店仕舞いが近く、天ぷらは終わっていましたが、隣の席の子供が食べていたおにぎりが美味しそうだったので、ざるそばとおにぎりを注文。
蕎麦もまずまず、おにぎりが優しい味でした。
ここからも、岬があって気が向けば寄ったりしつつ、のんびり南下。どこも岬のキャンプ場は、賑わっていますね。
そしてここも寄らずにおれない、カニオブジェ。(笑
そんなこんなで、天気が今ひとつだったこともあり、あまり遊ばずにひたすら走ったせいで、夕方には網走に着いてしまいました。
網走ならば、昨年の5月に偶然泊まった、呼人のキャンプ場がロケーションが良かったので、さっそく食材を買い込み、行ってみたのですが。
ま、夕方のこの時刻ならそうだろうな、とは予想していましたが、サイトは8割方埋まっています。それでもまだテントを張れそうなスペースは残っているのですが、駐車場が完全に満車。ここ、サイトの広さに対し、駐車スペースが圧倒的に少なすぎるのです。オートバイなら、そのままサイトに進入できますが、クルマではそうはいかず、残念ながらここは諦めました。
さてどうするか。
すぐ裏の天都山に登って、公園なども探してみましたが、オートキャンプ場はあったものの、そこもかなりの混みようだったので、これは住宅地も多い網走を、早々に離れたほうが良いと判断し、南下して小清水町へ向かいました。
少し不思議だったのは、オロロンラインでは、ちょっとした駐車帯があれば必ずいた、キャンピングカーや車中泊車がまったくいなかったことですが、単に日本海側に集中していたのでしょうか。
小清水町で思い当たる場所は、道の駅で車中泊か、その隣にある前浜キャンプ場。キャンプ場の方は、GPzで放浪していた時代と、30年くらい前の北海道に定住し始めた頃、先輩を訪ねて小清水に来た時に、泊まった記憶があります。
果たしてキャンプ場に行ってみると、ちいさなサイトなので、さすがに混み合っていましたが、なんとかクルマ2台分くらいのスペースが空いているではありませんか。
さっそく受付をすると、優しそうな管理人さんから「良かったね。昨日だったらいっぱいで泊まれなかったよ」と言われました。しかも、18時で管理人さんが帰ってしまうのですが、受付したのがその5分前。ここもまさに滑り込みだったのでした。
ちなみにこのキャンプ場も小清水町の管理で、テントひと張り300円。この料金、30年前から変わっていないような気がします。
サイト自体がかなりこぢんまりしており、クルマを停めた横のスペースにテントを張る方式ですが、7~8台でいっぱいになります。
かわねこは、エスクの横にテントを張ると狭く、前後に余裕があったことからエスクの後ろにテントを張りました。
30年の歳月に、サイトの雰囲気の記憶はすっかり薄れていて、こんなに狭かったのだと驚きました。
風が少し涼しいものの、昨日の天塩より夏らしい気温だったので、車中泊だとちょっと暑かったかも。テントが張れて良かった。
水場と水洗トイレもきれいで、水銀灯は1箇所だけありますが、運良くかわねこが展張した反対側だったので、うるさくありません。
のんびりしていると、いきなり「カン・カン・カン…」と踏切の音がしてびっくりしましたが、実はJR小清水駅のすぐ横に位置しているのです。
幸いなのが、ローカル線なので本数もわずかで、駅も近いことから、列車の走行音も「ご…っとん、ご…っとん…」と穏やかだったこと。
そして今日の夕食は、豪勢に寿司です。と言っても、写真の通り、スーパーで仕入れた、しかも値下げ品。(笑
もともとが、オートバイツーリングの宿泊手段だったキャンプでは、日暮れ近くに展張して明け方撤収、が主だったことから、かわねこの場合、キャンプ場が目的地の年越しキャンプ以外では、行動食がメインだった名残です。
今日も暑かったので、あまり火を使いたくなく、かと言って、冷たい弁当はさすがにちょっと悲しいので、冷えていても美味しいもの、という選択で寿司になりました。いちおうサラダと、味噌汁代わりにカップ麺ですが、天蕎麦も。
いいんです。外で食べると、これでもじゅうぶん美味く感じます。^^
今夜は日暮れから雲がかかってしまい、残念ながら星は見えず。なので、早々にテントに潜り込んで、読書です。メッシュスクリーンで風を通すと快適な温度。ここはテントサイトのすぐ下が海岸なので、、潮騒が聞こえるのが嬉しい。
-つづく-