
もうずいぶんと昔のことですが、ずっと欲しかったホームオーディオを購入しました。
フルサイズオーディオは昔から憧れだったものの、置き場所と予算がなくて買えず、いわゆる「ミニコンポ」でしたが、当時はCD+カセットデッキが全盛の時代で、チューナーやアンプの筐体は、現在主流の一体型ではなく、高級感の演出でフルサイズ同様、それぞれ別体になっていたものでした。
なにしろ初めて買うミニコンポだったので、当時もぜんぜんお金がない中、家電量販店の店頭でずいぶん悩んで、安売りされていていた型落ちの在庫モデルを購入したのです。
それまでCDプレーヤーを持っていなかったので、これでCDが聴ける、と喜び、当時音響メーカーに勤めていた友人にその話をすると。
「良かったじゃん、安く買えて。ミニコンポは、新型って言っても中身はほとんど変わってないからね。」と言われたのです。
えっ?と思って話を聞くと、当時はミニコンポ戦国時代。売上を伸ばすために、激しいモデルチェンジを繰り返していて、1年も経たずに次々と新型が出る状況でした。
友人曰く「目先のパネルデザインを変えるためのモデルチェンジだからね。中身の技術なんて、そう簡単に開発できるわけないよ。」だそうで、なるほど、と思ったものです。
余談ですがこの時代、クルマも現在と違って3~4年でモデルチェンジするのが当たり前で、5年も同じ型を販売しようものなら「シーラカンス」などと揶揄されたものでしたが、当時、知人に「クルマも家電みたいに毎年モデルチェンジすればいいのに」と言われて、そんな簡単に新型車の開発ができるか、と驚きを通り越して呆れたのを覚えています。
閑話休題。
さて、その時代から基地の装備として欠かせないミニコンポは、三代目になります。
これ、ソニーの「ネットジューク」というモデルで、昔
ネタにしていたことから記録が残っていましたが、購入は2007年4月。型落ちで安くならないと買わない(買えない)かわねこにしては珍しく、当時の最新モデルで、HDD内蔵で音楽データを保存できるのと、商品名の通り、LANケーブルでネットに接続可能なのが、革新的でした。
しかし、中途半端な時代に企画された製品のため、ネット接続とは言うものの、ネットラジオが聴けるわけではなく(当時はまだネットラジオそのものがなかった)、当時ソニーが運営していた、ネット音楽配信サービス(現在は終了)に繋げるためのものだったことから、今ではネット接続のメリットはありません。
USBコネクタも装備していますが、当時のソニーが「メモリースティック」というデバイスを推していたため、USBはHDDから録音するのみで再生はできず、逆にメモリースティックは再生のみ、と、デバイスが一方通行なのは時代を感じます。
そんなネットジュークは購入から、ほぼ17年。まあ、ふだんから物持ちが良いと言われるかわねこですが、クルマの乗り方を見ておわかりのように、基本修理不可能にでもならない限り、使い続けるケチな性分なんです。コロコロ買い替えるお金がないのが、いちばんの要因ですが。(笑
しかしさすがに17年も使っていると、かなりのヤレっぷり。使い始めて5年くらいでMDが壊れて、いちどメーカー修理に出したものの、2年ほどでまた壊れて諦めたのを皮切りに、CDも動かなくなってからほぼ10年、今やメインソースはチューナーですが、HDD内に取り込んだ音楽CDのデータを再生できたり、HDDにラジオの留守録ができ、そのデータをUSBメモリにコピーできるのが利点。いや、アプリでネットラジオの後追い録音ができるようになった現在では、もはや利点と言えなくなりましたが。(笑
本体のボタン類もヤレが進行して、押しても反応しなかったり、別の動作をすることもしばしば。最もヤレを感じるのはその内臓HDDで、録音だけではなく、各機能のインターフェースにも使われているので、昨今は動作がメチャクチャに遅くなり、起動に数分、ソースの切替ですら1~2分かかるようになってしまいました。さらにこれまで平日はほとんど使わなかったので、待機電力をケチってコンセントをOFFにしていたのですが、さすがに内蔵電池が消耗したらしく、起動ごとに時計もリセットされてしまいます。
そしていちばん困るのが、ソースの切替中に、うっかり別のボタンを押すとコマンドを処理し切れなくなり、鳴っているまま、2~3分フリーズ(しかも電源も落とせない)すること。
もっとも、ネット上のオーディオ修理屋さんなどのレポートでは、このモデルはHDD搭載のため、もともと異様に熱がこもりやすく、熱暴走したり、基盤が傷んだりで故障する例が多いそうです。ウチのも夏になると天板が相当に熱くなるものの、機能面ではまだマシな方なのと、PCならとっくに買い替えされていてもおかしくない年数なので、よく持っているなあと思いますが。
かわねこはPCに関しては、年にいちどほど筐体を開けて、中に溜まった埃をエアブローしているのですが、そう言えばネットジュークはこれまでやったことないな、と、今回(たぶん初めて)バラしてみました。
プラスチックの天板は、爪でロックされているだけで、簡単に外れます。丸い穴が空いているのは、オプションでウォークマンを置く台が付くためで、本来はメクラブタがされていますが、夏など天板が異様な熱さになるので、かわねこは外しています。てか、見た目を気にしなければ、天板そのものを外したままでもいいほど。
側板は、ビスを外してスライドする、タワー機と同じ構造。基盤の下にHDDがあります。
タワー機と違い、かなりギッシリ詰め込んであるので、これは熱がこもるわけです。
ファンが後部にあることから、本当は後部パネルを外したかったのですが、やたらと多いビスでコネクタ類を止めており、それらしいところを緩めても外れる気配がなく、側面の基盤を外してアクセスするようだったことから、諦めました。
と言うのも、基盤類はもちろんコネクタで接続されていますが、これが鬼門だそうで、再接続を相当慎重にやらないと、コネクタがすぐ壊れると聞いたので。
残念なのは、HDDがPCのように、簡単に交換できる造りではないこと。
検索すると、HDDを自力で交換したり、SSD化したという強者もいましたが、HDDの規格が古いのでアダプターが必要だったり、OSがLinuxらしいのですが、かわねこはLinuxはまったくわかりません。
仮にOS書き換えに成功しても、データ移行がかなり遅いらしく、24時間以上かかったとも。いずれにせよ、今更これのHDDを交換してまで延命するのは、全体のヤレ具合から現実的ではありません。
そしてエアブローしてみると、思ったほど埃の量はなく、PCなどでは、埃を飛ばすと動作が少し速くなったりすることもありますが、このネットジュークに関しては、何ら変わらず。もう埃云々ではないんですね。(笑
例に漏れず、メーカーの修理受付はとっくに終わっていて、ふつうなら買い替えを考える時期なので、さすがのかわねこも検討してみることになったのでした。
Posted at 2024/03/07 22:20:50 | |
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