
そんな基地のミニコンポ、「ネットジューク」の機能でこれまで重宝していたのは。
・HDDにCDやチューナーからデータ録音ができる
・HDDに録音したデータを、USBにコピー可能
・タイマー機能が豊富で、ビデオデッキなみに毎週録音とか、何月何日の何時に録音、など細かな設定ができる
・しかもそのタイマーが10系統以上も予約可能
・「おまかせチャンネル」というHDD内の楽曲をランダムに再生する機能があり、BGMに便利
と言ったところ。
書き出してみると、ほとんどが録音機能に関するもので、やはりHDDならではの特長ですね。
音楽を聴くためだけにPCを立ち上げる必要がなく、留守録機能で、聴き逃したお気に入りのラジオ番組を気軽に聴き直せるのは便利でした。
内臓のHDDが80GBあったことから、録音されているCDアルバムは、数えていませんが100枚近くあり、そのため、前述の「おまかせチャンネル」機能を使っていると『あれ?こんな曲あったっけ?』とか、あるいはしばらく聴いていなかった曲の良さを、再発見することもしばしば。いまでは、これがいちばんの利点かもしれません。
そんなこんなで買い替えに心が動き出しましたが、しかし現在、ネットジュークのようなHDDとかメモリー搭載のモデルは、もう既にありません。Bluetoothでスマホとスピーカーを繋ぐのが主流になっている昨今、それも無理からぬこととは思いますが、音楽を聴きながら事務仕事をする際にも、なにかとスマホを使うのと、かわねこのスマホは機種が古くてバッテリーの減りも早いので、音楽ソースにするのは、抵抗があるのです。
調べてみると、スマホスピーカーの台頭で、現在では絶滅しているのではと思われたミニコンポという商品も、数は激減しながらも未だそれなりに販売されていて、懐かしの「ビクター」ブランドも残っていたのにちょっと驚きましたが、あのソニーがミニコンポ市場から撤退していたのはさらに驚き。
今回、機能面ではもはや録音機能は切り捨てることにしました。CDとUSBの再生をメインに、チューナーも、基地は若干ラジオの感度が良くない地域なことから、ネットラジオ対応機の方が使い勝手が良いかも。あるいは、クルマと違って部屋では聴き流しが多いことから、それほど高音質を求めていないので、スピーカー一体型のコンパクトコンポでもいいかな、などと思ったり。
そんな中、ネットラジオ対応機も少数ながら存在しており、ミニコンポの中でも、アンプにCDとUSB、チューナーを内蔵した多機能モデル、特に兄弟機と思われる、マランツとデノン(古い人間なので未だに『デンオン』と呼びたくなります(笑 )が人気のようです。こんなスピーカー別売のミニアンプって、まだあったんだ、と、ちょっと嬉しくなって心惹かれました。(笑
実勢価格はデノンの方が数千円ほど安く、チェックしてみると、オクに出物があったので入札しましたが、しかしさすがに目をつけている人も多かったらしく、これは競り負け。
ところが、マランツの方はほとんど出品がなく、むしろ新品がネットショップにオクより安く出ていたのを見つけてしまい、つい、ぽちっとな。
先月、エスクのオーディオに散財したばかりで、基地の財政は厳しいのですが、このマランツも2019年デビューで、そろそろモデルチェンジも囁かれているためか、ほぼ半額近い値引きだったことと、様子見をしていてネットジュークがお亡くなりになった時には、もう在庫がなくなっていた、という状況が目に浮かんだので、思い切りました。
M-CR612というモデルで、小型のアンプにチューナーとCDプレーヤー、USBが組み込まれています。ネット接続機能があり、ネットラジオと、サブスク音楽に対応。Bluetoothでスマホとリンクして、スマホの音楽を再生したり、アプリでスマホからオーディオを操作できるのが特長のモデルです。
マランツらしく、ミニコンポにしては音に拘っており、高級スピーカーにも対応した接続方法が選べるのが売りのようですが、残念ながらウチはスピーカーにそこまでお金を掛けられないので、これまでのネットジュークのものを流用。本来、こんな安くて古いスピーカーでは宝の持ち腐れなのはわかっていますが、予算不足なのです。(笑
ただ、実際に使ってみると、いくつか思惑と違っていた部分もありました。
まずは、これはかわねこの知識不足、事前のリサーチ不足ですが、ネットラジオ対応とあったので、Radikoも聴けると思い込んでいたこと。かわねこ的にはネットラジオ=Radikoだったのですが、しかしこのモデルはRadikoには対応していないので、地上波のサイマル配信番組を聴くことはできず、TuneInのデータベースに載っている番組のみ聴取可能なのでした。
調べてみると、Radikoはほとんどのラジオ放送のサイマル配信に対応しているぶん、オーディオ機器への搭載にはロイヤリティが発生するらしく、一部の高級機以外には搭載されていないそう。ネットでのクリアなFM番組を聴けると思っていただけに、これはかなりあてが外れてしまいました。
BluetoothでスマホとリンクさせればRadikoを聴くことは可能ですが、前述の通り、あまりスマホを音源にしたくないので、PCからBlutoothで飛ばせればと、アダプターを入れてみましたが、PC側にマランツは認識されるのですが、なぜかマランツ側にPCが認識されません。
Radikoがブラウザではなく、アプリでないとダメなのかと調べましたが、残念ながらWindows向けのRadikoガジェットは、既に配布が終了しており、Cromeを飛ばすこともできるらしく試してみましたが、やり方が悪いのかうまくいかないので、このあたりは今後ゆっくりいろいろやってみようと画策中。
チューナーも内蔵しているので、地上波放送の受信はもちろん可能ですが、先にも書いたように、基地は受信感度があまり良くなく、ネットジュークは雑音交じりながらも聴くことはできたのですが、今回のマランツは音質重視とあって、受信電波が弱いと、自動でミュートがかかって無音になってしまいます。
さらに、ネットジュークの「おまかせチャンネル」機能代わりには、USB内のファイルをランダム再生すれば良いと思っていましたが、これも実際使ってみるとフォルダ内、つまりアルバム内単位でのランダム機能しかないことがわかりました。
ファイルをひとつのフォルダに、アルバムを無視してまとめて入れれば良いのですが、そうなるとこんどはアルバムごとの再生ができなくなります。 USBメモリを別に作って入れ替えればいいのですが、都度入れ替えるのもなんだかなあというかんじ。
また、再生もクルマのオーディオのように、ソース選択をすれば自動的に再生、ではなく、ソース選択→機器選択→検索かフォルダ階層を表示するか選び→フォルダ選択→すべて再生か曲を選ぶのか、…と再生までのロジックがちょっとめんどくさい。
たぶん、このあたりは「HEOS」という、スマホアプリで操作する前提なのでしょう。
さらにはレジューム機能がなく、いったん再生を止めてしまうと、またフォルダの最初からの再生になってしまうのですが、これも、サブスク音源が主流になった現代では、既にUSBもソースとしては古くなり、各メーカーもUSBは廃止の方向なんだとか。なので、もはやあまり機能性は重視されていないようです。
もちろん、良い点もたくさんあります。
当然といえば当然ですが、音は明らかに良くなっていて、鳴らしてみると、ネットジュークのポンコツスピーカーでも、それなりにいい音になりました。かわねこ程度の耳にはじゅうぶんで、将来的にはスピーカー交換を検討するかもしれませんが、当面はこのままでも良さそうです。
WiFiの設定が簡単で、ほぼ自動で完了し、さらにiTunesとリンクできること。PC側でiTunesの音源を再生すると、自動的にマランツにデータが飛んでリンクしてくれる、Airplay機能が便利。
当然、PC内のiTunesが起動していること、という条件は付きますが、基地のPC内には、これまでCDからリッピングした曲データが相当数入っているので、それらがいい音で再生できるのは、嬉しい限り。また、iTunesのシャッフル再生機能を使うと、すべての曲データからランダム再生してくれるので、これがこれまでの「おまかせチャンネル」機能に代わるものとして、じゅうぶんに使えることから、USBよりもこちらの方がメインソースになりそう。
また、Bluethoothもスマホリンクは簡単で、スマホからはRadikoを飛ばせることが確認できたので、どうしてもRadikoを聴きたい場合はこの方法か、あるいはリアタイでなくても良ければ、PCで番組を録音しておいて、USBで聴くこともできるので、これも問題なし。
そしてそれ以前に、チューナーの感度も、アンテナブースターでも入れるべきかと思って、よく調べてみると、どうやらこれまで使っていたフィーダーアンテナは細い板状でしたが、経年劣化で端子が根本で折れていたことが判明。そこでアンテナを新調し、さらに、アンテナの張り方もこれまでは高いほうがいいのだろうと、天井付近に張っていたのですが、基地の構造的なものなのか、むしろ位置を少し下げたほうが感度が上がるとわかり、ミュートされることなく普通に聴くことができるようになったので、聞き逃し番組以外は、Radikoにそうこだわらなくても良くなりました。
件のTuneInネットラジオも、世界中の様々な番組を手軽に聴くことができるので、これはこれで面白い聴き方が楽しめそうです。
その昔、台湾へ出張する機会があった時代は、よく台湾のネットラジオを聴いていました。
北京語はまったくわからず、喋れもしないけれど、人間って、わからない言語でも無意識に聴き取ろうとするらしく、台湾へ行きはじめの頃は、かなり疲れました。しかし滞在後半になると、慣れて聞き流せるようになったことに気づいて、渡航前にあらかじめ耳を慣らしておくと、楽だったのです。
そんな台湾のネットラジオも、ひさしぶりに聴いてみると懐かしく、特に台湾TOP40的な音楽チャート番組は、日本のそれとよく似ていて、パーソナリティーが何を喋っているのかわからなくても、かかる曲調がJ-POPと近いので聴きやすいのと、北京語曲や英語曲だけではなく、向こうでは「日本語はCool」(日本での洋楽のイメージみたいなものらしい)なので、台湾のミュージシャンが日本語で歌っている曲なども時折かかり、雰囲気だけでそれなりに楽しかったりして、BGM代わりにしています。(笑
とまあ、17年も昔のモノを使い続けていれば、こういった日進月歩の家電は、浦島太郎状態になるのは当然ですが、現代ではコンポは単品ではなく、スマホなりPCと接続して使うというか、スマホやPCはCDなどに代わる、音源のひとつとしてとらえるのが主流なのだと、今さらながらに実感したり。
当時は最新鋭だった製品が、いつの間にか時代に取り残された感があるのには、なかなかに感慨深いものでした。…って、当時乗っていたD21テラノとか、81スイスポなど、あの時代のクルマを思い返すと、(良し悪しは別として)運転支援システムが当たり前になった現代の技術では、そりゃそうだよな、と思ったり。(笑