伝説のV10サウンド

今年で4回目となるモータースポーツジャパンに行ってきました。
その様子は後述（予定）することとして、今日一番感動した出来事を・・・

今日は最終日だったので、すべてのデモランが終わった夕方
各参加チームは、展示したマシンの後片付けに勤しんでいました。
私は、ホンダチームのテントの最前列で、カウルの外された
このマシンの整備に見とれておりました。



マクラーレンホンダMP4/5。

第二期ホンダF1絶頂期の1989年シーズンを戦ったマシン。
アイルトン・セナとアラン・プロストを擁し16戦10勝を挙げ
最後は鈴鹿で文字通り両雄激突し、プロストにタイトルをもたらした伝説の一台。
しかもこの個体は、その時（1989鈴鹿）でプロストがドライブしていた
まさに正真正銘本物のマシンなのです！

メカニックさん達が、エンジンオイルを抜き、ファンネルに栓をし
各部の清掃をして、後片付けが佳境に入ったときでした。

向かいのトヨタのテントから、現役F1マシンのエンジンサウンドが響いてきたのです。
それを聞いて触発されたのでしょうか？
ホンダのチーフメカの方が、残ったファンに向かって問いかけてきました。
「エンジン音、聞きたいですか？」

ホンダのテント前にいったファンから一斉に拍手の嵐。
すると「わかりました。ただし途中まで片付けをしてしまったので
始動までしばらくお時間をください」とおっしゃってくれました！

この時、私がいたのは偶然にもマシンの真後ろ2メートルの特等地！
もちろん耳栓なんかもってないので、ひょっとしたら鼓膜が破れるかもしれません(^_^;)
でもいいんです。こんな間近でF1エンジンの音が聞けることなんてないですから。

それから15分くらいかかったでしょうか？
エアボックスを外し、

ファンネルの栓を外し、

一度抜いたオイルを再び注ぎ、



各部の点検、チェックを行い、外部電源をつなぎ、スターターを接続し、
いよいよその瞬間がやってきました・・・



もうね・・・ただただ圧巻。

エキゾーストパイプの延長線上2メートルに遮蔽物無しでいるんだから
音は無論のこと、熱気と排圧がものすごい。

いや、上まで回した時のそれはもう爆風と呼んで差し支えないと思いました。

だって考えてみれば、当時のF1エンジンが12000回転回るとすると
1秒間に350リッターもの気体を排出しているわけでしょ？
それをまともに全身に浴びたわけですからね。
こんな体験、本当にもうめったに出来ないでしょうね！

動画には残ってないけど、エンジンが止まった後、
詰め掛けたファンから一斉に割れんばかりの大拍手！！
そして誰からともなく次々に「ありがとう」と感謝の声が上がる。

自分はといえば、気づいたら目に涙が溢れていました。
それは、排ガスが目に沁みたから・・・

だけでは無いと思います、きっと。