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【独自】能登半島地震で記者が見た異様な光景…軽装でスマホ片手に被災地入りする「闖入者」たちの姿とは
❚ 1時間でわずか数メートルしか進まない
石川県の能登半島は、今年元日に震度7の大地震に見舞われた。「現代ビジネス」記者が見た現地の衝撃的な光景をお届けしよう。
輪島市の中心部から、金沢方面に通じる道は県道1号線しかない。能登半島地震から3日経っても、夕刻になると1時間でわずか数メートルしか動かない大渋滞だ。GoogleMapで確認すると、10キロ以上の道が真っ赤に染まるほどだ。
ときおりパトカー、救急車が通過していく。数台前には自衛隊の応援車両があったので「事故でもあったのか」と聞いてみるが「まったくわからない」というばかり。緊急、復旧以外の車が多いことが理由の一つにあるようだ。
石川県警は被災地への支援物資の輸送の迅速化のため、1月7日から「のと里山海道」の能登方面について災害関係、緊急車両以外を通行止めにすると発表した。
「現代ビジネス」記者が、取材目的だけでなく、被災した知人に物資を届け、高齢者を金沢市に送迎するために輪島市入りしたのは1月5日のことだ。片道6時間ほどかけて大火に見舞われた「輪島朝市」の周辺についたときは、昼を過ぎていた。
まだうっすら煙が上がる中で、スマートフォンで写真をとる年配の女性がいた。
「もうみんな焼けてしまったからしょうがない……これで帰ろう」
涙ながらに言い残して現場を後にした。聞けば朝市で20年以上も商売をしたきたという。
「地震がきて、命からがらに助かったと思ったら、津波です。幸い大きな津波はなくて助かったのに、今後は火事が起きた。もう言葉が浮かばない」
彼女は手を震わせながら語った。
輪島朝市は焼け野原で建物の鉄骨以外はすべて焼き尽くされていた。まさに「大火」である。その様子を朝市に出店していた女性はこう語る。
「火の手があがったのは地震から2時間ほどしてから。しかし海に近い朝市、大津波警報が出ていて近寄れない。あっという間に燃え広がった。途中で消防隊が来たが、津波の影響か川からも海からも水がなく放水ができない。
当時はかなり風も強くて、火は燃え広がるばかり。最後は入り組んだ路地で延焼を食い止めるような消火だったが、それも風で止められず全部、燃えてしまった。避難先の高台から朝市が燃え広がる光景は地獄だった」
❚ 住民たちの怒り
現場周辺には、地元の人が片付けをしたり様子を見に来る以外は、報道陣の姿が見受けられる程度に見える。
朝市近くの商店主は、
「マスコミの皆さんが報道して、現地の実情を知らせてくれるのはとてもありがたいことです。停電、断水とライフラインが寸断され、なんとか携帯電話がつながっているので助かっている。救援物資は1月4日くらいから少しずつ入ってきた。幸いお正月でいつもより買い込んでいたので、パンや餅を近所で分け合ってなんとかしのいだ」
としたうえで、思わぬ「闖入者」の実態についてこう怒る。
「物見遊山のように、軽装でスマホ片手にやってくる集団がいます。朝市の焼け野原でド派手な服を着てポーズを決めて写真を撮ったり、ネット配信をしたりと、とても被災地に寄り添っている姿勢がみられない一団がいる。聞けば彼らはユーチューバーで、正月休みなので来てみたとかいうが、興味本位の態度には、非常に違和感がある」
石川県幹部のひとりは、通行規制の実情についてこう語る。
「これは行政にも責任がありますが、もともと能登地方の道路網は脆弱で問題があった。それが大地震で寸断され、今は県庁のある金沢市から被災地の穴水市に行くのにも、主要道路は1本しか通じていません。そこから先に、輪島市や珠洲市などさらに大きな被害を受けた市町村がある。
被災地支援の名目で、緊急ではない用件で入っている人がかなりいることもわかってきた。また道路復旧が十分ではないので、石川県でもボランティアを受け入れていない。個人のボランティアが殺到すると道路の渋滞に拍車をかけ、ますます復旧に支障をきたす」
確かに、輪島市に行くと報道でも、被災地支援でもないような人や他府県ナンバーの車両を何度も見かけた。前出の商店主も怒っていたこれらの人物は誰なのか? たまたま記者は彼らと接触することになった。
後篇では、その彼らの実態をお届けしよう。
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【独自】「早く行かないと再生回数がアップしない」能登半島地震で被災地入りする「地震系ユーチューバー」たちの異様な論理
❚ 記者に話しかけてきた3人組
1月6日朝のことだった。「現代ビジネス」記者が、金沢市内のホテルのロビーでカメラをテーブルにおいて朝刊を読んでいたところ、「マスコミの人ですか?」と男性3人組が声をかけてきた。
「今から被災地の現場に行こうと準備しています」
と語る彼らの手には、ウェアラブルカメラやスマートフォンがある。
「何をしに行くのか?」と尋ねると、
「ユーチューバーなので、現場からライブ配信したり、動画をアップしてチャンネル登録を増やしたい」
というのだ。大地震をネタにYouTubeで配信して、ひと山当てようという魂胆だというのだから驚くばかりだ。
だが、3人の恰好は見るからに軽装だ。うち一人はサンダル履きで、水や食料なども持っている形跡はない。
その点を記者が指摘すると、
「現地では買えないのですかね」
「避難所に行けば、水とかもらえるのではないでしょうか」
という始末だ。
❚ 悪化する治安
だが「現代ビジネス」が取材していた時期は、輪島市の中心ではようやく自衛隊が物資搬入を避難所などに開始したばかりだ。地震があってから1月3日までは、住民がほぼ自力で水、食料、暖房に必要な燃料などを調達しなければならない厳しい状況だった。
輪島市の郊外では、今も道路が寸断され物資も届かず、孤立している集落も数多い。「現代ビジネス」記者の車のところに来て、
「うちの集落が孤立、携帯電話もつながらないので役所に伝えてほしい。徒歩で携帯電話がつながるところまで行こうとも思ったが、高齢者が多いこと、ガソリンも残り僅かで、道路もあちこち陥没、落石して危ないので、耐えていた」
と訴える被災者もいた。
また、輪島市の中心では窃盗などの被害も出ていると聞いた。
「外国人らしき男性が鉄など、金属を目当てにきてがれきの中から金目になるものを盗んでいるようなところも見た。怖くて声をかけられず、後で通りかかった警官に事情を話した」(地元の商店主)
被災地では治安の悪化も叫ばれている。
そうした現状を、ホテルで出会ったユーチューバーの3人組に伝えると、こう反論した。
❚ 「ぼくらにとってはチャンスだ」
「地震系ユーチューバーってのがもう存在するのですよ。孤立している集落を撮影すると、さらにいいかもしれない。アクセスがアップするような気がする。僕らにとってはチャンスなので行ってみますよ」
まったく自重する様子はない。記者にも彼らを止める権利もない以上、こう説明した。
「金沢市内では水、食料は買えるので他人を頼ってはいけない。自分のことは自分で責任をもって、被災者に迷惑をかけないように。避難所で水を求めるなんてことは絶対にやってはいけない。
現地は寒いので、防寒着などたくさん持参しないとダメだ。幹線道路も脇道もあちこち陥没しており、悪路もあり輪島まで片道5時間は最低かかる。雪の可能性があるのでスノータイヤは必ず必要だし、運転技能も求められる。
君たちのような軽装では無理で、できれば中止すべきだ。外から行って被災、遭難するなんてことになったら大変だ」
だが、彼らはこう口々に語った。
「まあ、なんか水とか食べるもの、買っていきますよ。運転は免許とってもう1年とちょっとなので、大丈夫ですよ」
「ユーチューバーたちは先を競って、被災地に入ろうとしている。人気ユーチューバーがそうそうに現地に入って、再生回数を稼いでいる。100万回とか再生されているユーチューバーもいますからね。お金をかけて石川県までやってきたので、早くいかないと、再生回数がアップしない」
まったく聞く耳を持たないのだ。彼らが乗っていた車を見ると、ごく普通の軽乗用車でスノータイヤでもなさそうで、チェーンもないという。その後、3人組が口にしていたSNSやYouTubeチャンネルをチェックしてみたが、地震関連の動画は今のところ、アップされていない。3人組が現地で迷惑をかけていないことを祈るばかりだ。
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ユーチューブする人嫌いだけでこう言うの書く訳無いと思っている。
ので私は本当の事だと思っている。
だって、ユーチューブする人とかブイチューブする人なんて大半が
そう言う人達でしょ?、あれ?言い過ぎ?
派手な衣服とか簡素な装備とか複数とか、まるで某とか某とか某とか
な人達の事では?と思えてならないのですが。
阪神淡路や東日本みたいな広さではなく半島なんだから半島の根っこ
辺りで封鎖出来んのかな。そんな事したら善意の個人の救援物資者も
入れなくなる、でもそう言う人達はまだ来ないでとなっているでしょ
そう言う人達が来るのは公が来てと言われてからでいいんじゃ?
そう言う善意は有り難いけど様子を見ると言うのも。
それと。以前にも書いたのでクドいですが、
火事場泥棒は罪に問わんでええです(勿論盗った物は返させますが)
但し両腕(手首に非ず)切り落とし放り出す。役場は身障申請を
受けない事。