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昨年末に納車になったBoxsterSですが、週末毎に近所をウロウロしながら自分の慣らしをしてきました。最初はガチガチに緊張してドライブしていたのが、400kmほど距離を重ねて、ようやくリラックスをしてドライブ出来るようになってきました。今日は初めてちょっとしたワインディングも走りましたので、後々懐かしく振り返ることが出来るよう、1ヶ月乗っての印象を残しておきたいと思います。

まず、前車のZ4（E85）と比較して感じるのは、どっしりとした重厚感。Z4が比較的ライトウェイトでヒラヒラと軽快な乗り味だったのに対して、BoxsterSは対照的な乗り味です。水族館で例えれば、Z4はエイ、BoxsterSはサメでしょうか（何のこっちゃ）。車重はBoxsterSが1,350kg、Z4が1,390kgということでクルマ自体は軽くなっているのですが、がっしりと守られ感が高いです。

そして、運転していて終始感じるのが、高精度、高品質な機械を操る男子的な喜びです。朝イチの始動直後の各部が暖まるまでのぎこちない感じが、暖まると一転、精密な機械を精度高く動かしている気持ち良さが街をのんびり流していても感じられ、これがポルシェらしさの一端なのかなと、背筋が伸びる思いをしつつ、その操作を楽しんでいます。

3.4Lのエンジンは、街乗りで微妙にアクセルを踏んだ時にはちょうど良い低速トルクを出してくれる一方、前が開けて少しアクセルを踏むと、フォーンと乾いた快音と共に、（自分的には過去最高の）圧倒的な加速を味わえます。これまで、BMWの直6をオーケストラのようなエンジンと思ってきましたが、ポルシェの水平対抗6気筒も、音質の違いはあれ、やっぱりオーケストラのようなエンジンだと思いました。もはや新車はほぼ買えなくなってしまったNAエンジンですが、僕的にはやはりこの音が無くてはクルマ趣味の大事な要素が欠落してしまうように思います。

そして、ワインディングを軽く走った印象として、PDKの完璧な変速プログラムにビックリしました。これまで、Z4ではSMGを常にマニュアル変速させてきましたが、PDKのスポーツモードは、シフトダウンして欲しいタイミングなど、こちらの気持ちを読んでいるかのような最適なシフトをやってくれるので、マニュアル変速は基本不要だと思いました。

今のところ、ネガらしいネガは感じていませんが、あえて言えばパワーがありすぎる感はありますね。素のBoxsterの方が、よりエンジンを回せて楽しめるステージもあるかと思いますが、ロングツーリングに出かけた際には排気量が大きい方が絶対に楽なので、これは何を重視するかでどちらが良いというものではないかと思います。