8月27日(土)7日目の朝を道東、斜里にて迎える。
当日の道東は天気予報通り文句なしの快晴!ようやく天候に恵まれた道東の一日が始まる。
お決まりのごとく美味しい朝のホテルのバイキングをたらふく食べ、ガソリンも満タンにしいざ出発!
まず向かうは知床だ。そう、日本一開通期間が短いことで知られる知床横断道路をどうしても走っておきたかったのだ。
快晴のオホーツク海、知床連山を望みながら知床国道を北上する。。そしてR334知床横断道路へ。
ウトロと羅臼を結ぶ知床横断道路。
北海道もついに7日目で、北海道の単調な道も少々飽きてきたな、と思い始めてきたりもするが、そんな邪念を簡単に消し去ってくれる驚愕のロード。
まず高山特有の樹海が圧倒的なスケールで広がり、美しいオホーツク海も遠くに望む。。
そして、知床横断道路の最高地点、知床峠に近づくと知床連山の一角、羅臼岳がそびえ立つ。。
あたりにはハイマツが群生する。植生の違いもまた、高山特有の異質な雰囲気を漂わせる。。
何よりも、オホーツク海の洋上を我が国の北方領土である国後島の一部を一望できるのだ。果ての地まで訪れたことを、まざまざと感じさせてくれる素晴らしいロードだ。
羅臼岳の下を、雲が流れ続ける。。山頂の様子からも、冬の厳しい気候を想像させる。
積雪のため、通行可能な期間は4月下旬から11月上旬という。
夏に北海道を訪れたならば、知床横断道路は走っておくべきロードだろう。最果てを存分に感じ、大樹海の中を駆け抜けることが出来る、最高のワインディングロードだ。
さて、羅臼まで訪れた後もう一度、ウトロ方面へ引き返し知床横断道路を往復する。本来、羅臼まで訪れたのであれば根室半島目指し、本土最東端の納沙布岬まで走りたいところではあるが、、この快晴の下、ボクには再度、訪れないといけないところがあるんだ。。
再びR334知床国道を斜里方面へ引き返す。途中、知床連山の一角である斜里岳を正面に望む、名も無き農道へ入ってみた。
知床連山の中でもこの斜里岳が一番印象に残っている。。やはりオホーツク富士、あるいは斜里富士と言われるほど、富士山に容姿が似ているからだろう。いつしかお気に入りの山になっていた。
さて、斜里まで引き返した後、向かう先は・・・
そう、ここだ。能取岬。
ようやく、快晴の能取岬に出会うことが出来た。。なんと美しい光景なんだろう・・・
快晴の下、オホーツク海も美しいマリンブルーに輝く。草原を貫くアスファルトがカーブする先にあるのは灯台。。マンガの世界のように出来すぎなほど美しすぎる光景にまたも驚いた。雲が周りにひとつも無く単調な空になってしまったのが残念ではあるが、文句は言えない。
撮影をしていると放牧されている牛がこちらに近寄ってきた。
そうだった。岬周辺は牧場になってたんだ。
北海道ではごくありふれた光景の一つかもしれないが、普通に考えれば凄い光景だ。海、灯台、草原、牧場、牛。。こんな組み合わせ、ここ以外にいったいどこで見ることが出来るって言うんだろう??
せっかくなので、岬周辺を歩いてみた。
洋上に、先ほど走ってきた知床半島が見える。こちらから望む知床連山もなかなかのものだ。
遊歩道をぐるりと一周し、岬を後にする。とても名残惜しいがまだ、ボクには訪れなければならないところがあるんだ。
ここでの別れを惜しむように最後にもう一度、愛車を停めた。。この美しすぎる光景を目に焼き付けるために・・・感動を本当に有り難う。。
能取岬を名残惜しく後にし、ボクは国道243号を美幌峠目指して何の迷いも無く駆け上っていた。能取湖やサロマ湖には目もくれずに。
思えばこれで4度目の美幌峠だ。何が一体私を突き動かすのかはよく解らない。。でも何の迷いも無かったのは事実だ。
待ち望んだ快晴の美幌峠(道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠)に到着。着くや早々、ボクは展望台の階段を駆け上る!!そこでの光景は・・・
どうだろう。
これが
快晴の、待ち望んだ、理想的で、美しい、雄大にして、感動の、美幌峠から見た屈斜路湖である。ようやく、ようやく、巡り合うことが出来た。。ボクは感無量。。
屈斜路湖。それは、日本最大のカルデラ湖。
知床連山の一角である斜里岳から摩周岳をも一望できる。眼下に広がる深い熊笹もまた、この美しい光景をより一層、印象深いものにしている。。
湖面に、中島が浮かぶ光景もまたいい。。
時刻はお昼の3時を過ぎたところだった。迷った。この時間であればオンネトーへ訪れることも出来るし、神秘の摩周湖も当然訪れることが出来る。。どうしようか。。
下した結論は
”夕暮れまで美幌峠に居続ける” であった。何がボクをここまで惹きつけるのかは解らない。。でも、ようやく巡り合えたこの雄大で美しい屈斜路湖をいつまでも、眺めていたかったんだ・・・
大きな岩をベンチ替わりにしてじっと、眺めていた。ようやく巡り合えた天下の絶景に喜びを感じながら、飽きることなくずっと眺めていた。時が経つのを忘れるほど。。
日が傾き始める。徐々に空は赤く染まり始める。
美幌峠から見て屈斜路湖は東側に位置するため、夕日を期待することは出来ないものの、中島が夕日に照らされ赤く染まる。いい光景じゃないか。。
そして、日没を迎えるころには空も赤く染まり、幻想的に湖面に映りこむ。。
あぁ、やはりここで日没まで居続けて正解だった。もちろん、ずっと屈斜路湖を眺めていたかったのもあるが、夕暮れを迎え、色彩の変化を目の当たりにしたかったんだ。。
暗くなるまでずっと居続けた。西の空は夕焼け空と雲の、見事なグラデーションだった。
ここ、美幌峠を訪れたのはこれで4度目だ。3度目の正直ならぬ、4度目にしてようやく、理想とする美幌峠に出会うことができた。
なぜボクがここまで、この地に拘ったのかはよく解らない。ある意味執念すら感じる。4度も同じ場所に、一連の旅で再訪するのは今までに当然無いこと。
でも、快晴の下、美幌峠の眺望はそれは素晴らしく、きっとその確信がどこかにあったはずだ。
threetroyさんの、「いつか出会うはずの風景にめぐり合う旅」という言葉が、心に響いた一日だった。
さて、真っ暗になるまで美幌峠に居続けた私。当日の宿泊地は釧路市。
早いものでこのホテルが、北海道旅行最後の宿泊ホテルになるなんて・・・旅の終わりが近づいてきている現実を受け入れたくないな。。
ホテル到着は夜の9時過ぎ。当日の晩御飯は
ホテル最上階にて釧路市の夜景を見ながら、グラスワイン片手にビーフシチューを頂くのだ。
そんなオトナな、北海道最後の、ホテルでの夜を楽しみました。一人だけどね(笑
さて、明日はいよいよ最終日。明日はいよいよ、もう一つのさきっぽを制覇します。(次回に続きます)