まさしくこれが仕事場です。
72年のワークスカーに忠実に作るにあたって、RHDボディをわざわざLHDに改造したドライバー席。トランスミッションは当時「直結5速」と呼ばれたものを組み込んである。1速が左下のシフトパターン。低いファイナルを組んであるので、最高速は130kphくらいしか出ないとのこと。
もちろん、ABSもパワステもありません。
ヒストリック・モンテはFIAのヒストリック・ラリー・シリーズの緒戦で、ナビゲーション用電子機器の取り付けは禁止されている。なので、コ・ドライバー席の前には、機械式のトリップメーター(実際には回転パルスを電子式に取り入れているのだが、この機種のみ許可されている。)がひとつと、懐かしいホイヤーの機械式ダッシュボード時計。因みにこのホイヤーのモデルは「MONTE-CARLO」ってモデル名。
ラリーカーは排気音がウルサイし、メカニカルノイズも酷いので、ドライバーとコ・ドライバーはインターコムのヘッドフォンを通して話をする。
ここに座って、6日間3,500kmのラリーを戦う。(って、我がチームは戦わないコンセプトだけど。)
240Zは11月末に海に出て、既に英国はニューカッスルの港に着いている。はず・・・
私はあすの朝、成田を発ちます。
いま、日本でミシュランといえば例のレストラン格付けだけど、モンテではミシュランのロードマップが使われる。“ローカル”と呼ばれるイエローのカバーのやつで、1センチあたり1.5kmのものだ。これが10数冊必要となる。
ルートの指示は道路番号と距離でのみ示されるので、必要なのは、前もってそのマップ上にコースを書き写す作業。よく見えなくて申し訳けないが、ピンクの蛍光ペンでマークしたところがコース。ご覧のように、幹線道路はほとんど使わず、山の中ばかり。さらに見ずらいけど、オレンジ&イエロー蛍光ペンのところがスペシャルステージだ。
この作業を、全3,500kmに渡って行う・・・
30年前の1979年にWRCモンテカルロ・ラリーに出場してクラス優勝したマツダRX-7でヒストリック・モンテカルロラリーに出たのは一昨年始めのこと。
”実際に走ったそのものの個体”であるうえに、ドライバーとコ・ドライバーも当時のまま、さらにはサービス隊もそのまま、というチームは現地でも大いに注目された。
その、正式名Rallye Monte-Carlo Historiqueに今年また出場することになった。あととし、やはり日本からダットサン240Zで遠征してきていた池内さんとおっしゃるドクターから頼まれ、お手伝いすることになったのだ。
マシンはそのDatsun 240Z。1972年にWRCモンテで総合3位に入ったラウノ・アールトネン/ジャン・トッド組の日産ワークス240Zを完コピしたレプリカだ。同じく72年式のボディ。凄いこだわり!
ちなみに、エンジンはソレックス3連装プラス軽チューン。
今年は、世界最古のラリーであるモンテカルロ・ラリーの100周年(!)にあたるそうで、ヒストリック・ラリーのほうもそれ記念して、これまでよりさらに昔のスタート地点が使われる。これがみな遠いっ!
我々がスタートするのは、なんとスコットランドのグラスゴウ! 他に選べたのはポーランドのワルシャワとモロッコはマラケシュ。前回私がスタートしたフランスはシャンパーニュ地方の中心地ランスとスペイン・バルセロナも用意はされているが、一番小さな排気量クラスか、とても旧い年式のチームのみが選べる。
おかげでコースは前回よりも長い3,500kmとなり、最初のステージは2晩徹夜となる。ドライバー氏が全コースのドライブはキツイとのことで、今回は半分ドライバーも担当することに。これでは各仕事に集中できず、好成績は難しい。で、今回のわがチームのコンセプトは”おじさんふたりの大グランドツーリング”ということにした。(私はもう61歳だから”おじさん”じゃなく”じいさん”かも?)
来週27日夕刻にGlasgowをスタートする。
森川オサムHP ”Sur le sommet du Col de Turini” カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2011/01/21 15:23:34 |
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