先週は仕事がかなり忙しく、遅れていた図面を週末までに絶対に書き上げなければなりませんでした。しかし、くだらない会議はしょっちゅう行なわれるし広島へ表彰授賞式には行かなければならいしで大変でした。まぁ残業とウルトラ集中力でなんとか250枚程度の図面を書き上げましたけどね。
そんな訳で授賞式などのネタや他にもあったのですが、皆さんのブログにコメントを残すのが精一杯で(それも全員じゃないし・・・)自分のブログを書く時間などとてもありませんでした。
出図を終えた昨日土曜日、なんとなく気持ちも一区切りできたので帰りに洗車をして帰ろうかとも思ったのですが、日曜日が雨予報だったのでやめました。

そして今日、やはり予報通り雨でした。
もう随分とアコードを洗っていませんがタイヤは真っ白、ホイールはドス黒くなっています。それに天気がよければ夏タイヤに交換をしたかったのですが、これも洗車とあわせて延期です。こうやって予定を延期するとしなきゃならない事がどんどん重なってくるので嫌なんですよねぇ。

気がつけば自宅前の梅が咲いていました。時間に余裕がないと周りの景色の変化に意外と気がつかないものですね。
しっとり雨の日の梅の花もいいものです。

そういえば昨日はひな祭りでしたね。小さなセットを持ってはいるもののそれをずっと飾っておく場所がないため一部分を簡易的にタンスに上で飾っていました。来週はまたタンスの奥にしまいこまなきゃ・・・。

今日は一日遅れのひな祭りのお祝い。いつも通り、賑やかな食卓でのお祝いです。
もちろん〆は美味しいショートケーキで。
さて、前置きが長くなりましたが、またまた「懐かしみシリーズ」をいってみたいと思います。
ただし、いつもよりはあっさりした内容で。

なぜなら今回は「コンチェルト」だから(笑)。確かにかなり地味な車ですが、私は結構好きでした。
登場したのは1988年6月。グランドシビックが発売されて9ヶ月、リトラクタブル式のインテグラがMCされ10ヶ月ほど経ったときの車です。つまり、シャシーはグランドシビックと共用ということになります。
ちょっと地味な車かもしれませんが、ホンダがセダンというジャンルに対して真面目に向き合った車なので、どんな車だったか知らない方は是非とも最後までお付き合いくださいね。

コンチェルトはこの頃ホンダが技術提携していたイギリスのローバー社と共同開発された車で、同時期に販売されていたグランドシビック4ドアとCA型アコードの中間の車格として位置づけされました。ローバーが絡んだという事もあって、確かにそのルックスは日本車らしくない気品らしきものを感じますね。そして当時の1600ccクラスとしてはらしくない上質な印象もあります。6ライトウィンドウの透明感あるキャビンを持っていることがその理由でしょうか。
この当時のホンダ車はとにかくワイド&ローであることが使命同然で、セダンであったグランドシビックやCAアコードも同じでした。両車とも5ナンバー目一杯の全幅に1350mmというセダンとしては低めの全高だったのに対し、コンチェルトは1400mmに届こうかという1395mmの高さを持っていました。
でも、背が高いからかっこ悪いという印象はこのコンチェルトから私は感じませんでした。

コンチェルトには5ドアも存在していました。日本では5ドアHBはあまり人気がありませんが、欧州では5ドアHBというのは当たり前でしたね。
コンチェルトが登場した翌月に、リトラクタブルヘッドライトのインテグラがMCされましたが、同じ5ドアでもインテグラのほうがスタイリッシュでしたね。また、インテグラが“5ドアHB”と呼ばれていたのに対しコンチェルトは“5ドアセダン”と呼ばれていたのも興味深いです。どちらが5ドアらしいかと言われれば、5ドアの本場欧州で生まれたコンチェルトの方なのかもしれません。
因みに5ドアは4ドアセダンよりも全長が140mm程度短いのが特徴。ホイールベースは同じですからリヤオーバーハングが短いということになりますね。

ホンダ車で、しかもこのクラスにしては珍しい木目調パネルを採用したインパネ。でもこの当時のホンダ車ではお馴染みだったトレー式。個人的には木目調とトレー式のマッチングはイマイチに感じました。グランドシビックが登場したとき、あのインパネが結構上質に感じたものでしたが、それにそのまま木目調パネルを貼り付けてみました的な印象かなぁ。

それでもブラウンの内装色と木目調の相性はなかなか。トレー式じゃなかったらもっと上質感があったように思えるのですが・・・。

シートは若干シビックとは差がつけられていました。ファブリックやトリコットが主体なシビックに対し、コンチェルトは上質なフルモケットタイプで座面の厚さも大きさも1ランクアップ。そして、シビックよりも50mmほどホイールベースが延ばされているので後席足元も余裕がありました。

コンチェルトの売りだった本革シートの設定。初代レジェンドもそうですが、本革の高級感というものをローバーとの提携によって知ったホンダは、内装の質感アップに本革と木目のコンビネーションをよく使うようになりましたね。
小さな高級車を目指しただけに、この本皮シートは是非とも上級グレードに標準にしてほしかったと思います。まぁ私がこの車を買っていたとするなら装着していたでしょう。

そのシートも、一部のグレードにはこのクラスとしてはびっくりのパワーシートを採用。
小さな高級車を目指していたのがよく分かりますね。

エアコンも売れ筋グレードまではフルオート式を採用。グランドシビックにはないデジタル温度表示付きでした。

ついでにシビックにはない装備を挙げると、サンルーフはチルト式。それにキーレスエントリーや電動可倒式のミラーも。これらはコンチェルトよりも半年遅れでフルモデルチェンジしたカッコインテグラ(DA型)でさえ採用されなかった装備ですから、ホンダとしてはかなり頑張っていたのが分かりますね。

エンジンは2機種3種類。
左の二つはホンダファンなら型式を聞くと間違いなくピピッとくる「ZC」。当然ですがあのスパルタンなZCをこのコンチェルトに搭載するはずもなく、ヘッド周りをSOHC化し圧縮比も若干低めにした、いわばディチューン版のZCです。
とはいえ、実はワンダーシビックに搭載された初期のZCと同じ120ps(ネット値)の馬力と、0.5Kgm太い14.5Kgのトルクを出しています。でも本家のZCだってコンチェルトが登場した頃にはしっかり進化していて、ネットで130ps、14.7Kgを搾り出すほどになっていたんですけどね・・・。
ま、所詮エンジンの諸元値なんて参考程度にしかならず、フィーリングを含めて本家ZCとは随分と異なるZCではありましたけど。逆にあの本家ZCをコンチェルトに載せていたらホンダの戦略を疑いますよ(~-~;)
ちょっと話しがそれましたが、ZCにはPGM-FI仕様とホンダお得意のデュアルキャブレター仕様の2種類がありました。PGM-FI仕様のZCは120馬力で、グランドシビック(4ドア&シャトル)の36iや、コンチェルトの8ヵ月後に登場したカッコインテグラ(DA型)のZXiにも搭載されました。そしてデュアルキャブ仕様は105馬力で同インテグラのZXにも搭載されました。
画像右は1.5Lで、こちらはD15B。D型もZC同様3バルブだったEW型の発展型ですが、こちらはシティの1.2Lからストリームの1.7L(VTEC)までをカバーした息の長いエンジンでした。対してZCはあくまでも1.6Lのみで、バリエーションもDOHC版がPGM-FI&シングルキャブ仕様(リトラのインテグラに搭載)、今回のSOHC版もPGM-FI&デュアルキャブ仕様だけという、あまり派生のないエンジンだったと言えます。

ホンダの4WDといえばリアルタイム4WDと呼ばれる簡便な構造の4駆が主流ですよね。フロントトランスアクスルからトランスファーで導いたプロペラシャフト中間にビスカスカップリングを設けリヤデフに動力を伝えるタイプです。しかし、このコンツェルトからイントラックと呼ばれる新方式が追加されました。
この機構を詳しく書くつもりはありませんが、簡単に言えば4WDでありながらセンターデフもなければリヤデフもなく、プロペラシャフトから入ってきた動力を一旦リヤの減速ユニットに入れ、そこから左右車軸に連結されている2対のトルクスプリット型ビスカスカップリングへと伝えられます。つまり前後の駆動力はもちろん、左右の回転速度差もこのビスカスカップリングで吸収されることになり、つまりはデフの機能とLSDの機能が兼務していることになります。
これにALB(現ABS)を組み合わせたのが目新しいところ。3チャンネルのALBだと前後の駆動力ががっちりスクラムを組んでいると本来の機能が生かせるはずがなく、そこでALBが作動する時だけ後輪の伝達力をカットするわけです。
因みにホンダは国内で最初にアンチロックブレーキを採用しタメーカーですが、その呼び名が前述の通りALB。しかし他メーカーがこぞってABSと名づけたため、同じ機能であるなら統一した名称にするようにと行政側から指導があったようで、仕方なくホンダもABSと呼ぶようになりました。
では最後にグレード紹介。

4ドアのトップグレードであるJX-i。ZCのPGM-FI仕様です。
装備的にはCAアコードを凌ぐほどで、キーレスエントリーや電動可倒式ミラー、パワーシート、パワーアンテナ、イルミネーションコントロール・・・。特に照明関係はシビックやインテグラよりも上をいく装備です。ただ、驚くのはフットレストがこのグレードしか付かないこと。ちょっと信じられないですね・・・。

ZCのデュアルキャブ仕様を搭載する3グレード。
JXはフットレスト以外は全てJX-iと全く同じ装備。燃料噴射の違いでJX-iとは10万円差となています。
JGは高級装備が若干省かれていますが、これが一番コストパフォーマンスが高いですね。格上のアコードやプレリュードが気化器仕様になると13インチにグレードダウンされるタイヤ&ホイールもちゃんと14インチ。足元が貧弱に見えないとこがGoodですね。
JLは見た目からしてガクッと装備が省かれてます・・・。

唯一1500ccエンジンのD型を搭載したグレードのJE。完全に低価格重視のグレードですね。

4WDはイントラックにZCのPGM-FI仕様を搭載したJX-iと、リアルタイム4WDにデュアルキャブ仕様を搭載したJL。4WDは車高が1400mmを越えます・・。

こちらは5ドアセダン。
シンプルに3グレードしか用意していないところをみると、売れ行きも予想していたんでしょうね。
グレード名からなる装備は4ドアセダンと同じです。
実はコンチェルトはこのあとMCを行なっていくのですが、私はMC後のコンチェルトが大嫌い・・・。イギリスタッチな雰囲気がよかったコンチェルトですが、その良さを完全に捨ててしまい興味が全く沸かずカタログも貰わずです。
ということで、今回はいつもよりアッサリぎみに紹介してみました。車としてはとても真面目に作られていて私は好感を持っていましたが、読まれた方の多くは興味がなかったかもしれませんね。ホンダ車はいつも華やかで驚きの技術を引っさげて登場することを望まれていますが、このコンチェルトはアコードと並んで地味でありながらとても真面目に作られるホンダにしてはある意味珍しい車だと感じていました。
ホンダ車で数ある音楽用語としても「コンチェルト」って知的でいい響きだと思うんですけどね~。