
J・ロレンソ選手談(優勝)
「こんなシチュエーションは、今まで想像したこともなかったよ。今日僕は、優勝して、そしてランキングトップに立ったんだ。今シーズンはこれまで、とても慎重に、落ち着いて取り組んでいたつもりだったので、前回のヘレスでの転倒は予想外で自分にとても腹が立った。でも今日の優勝で、その失敗をしっかりと埋め合わせることができたと思う。
チームの作戦が完璧だったので、ウエットタイヤでもドライタイヤでも常にいいペースをキープできた。ウエットタイヤのままあれだけ長く走っても、走りは好調だったし、ドライ用のマシンへの交換も絶好のタイミングだったと思う。運も味方してくれたのだろうけれど、僕らは確かに強かったし、落ち着いていて慎重だったことが、この結果につながったのだと確信している。
決勝レースの途中でマシン交換をするのは、今回が初めての経験だったので、ちょっと緊張したけれど、意外にスムーズに対応できてトップを守ったまま復帰することもできた。バレンティーノのことは、不運な転倒があり残念だった。でも今は僕らふたりでランキング1位と2位につけていて、ポイント差もほんの僅かだから、ここからまた新たにチャンピオンシップが始まるという感じ。MotoGPでの3度目の優勝を心から喜んでいるよ」
D・ロマニョーリ、チーム監督談
「チームのみんなが一丸となって、ホルヘのために最高のマシンを作り上げてくれた。そしてホルヘのほうも見事なレースで、それに応えてくれたのだ。チームの取った作戦はとても素晴らしく、マシン交換のタイミングも絶好だった。みんな、とてもよくやってくれた。心から感謝している。これからまたチャンピオンシップが面白くなりそうだ」
V・ロッシ選手談(16位)
「今日はスタートから難しい状況で、ベストの状態で乗ることができなかった。4ラップ目までで、すでにペースが上がらないことがわかったし、思い通りにマシンを操ることができなかったんだ。そして、たいていいつも早めの判断が功を奏してきたので、今日も早い段階でマシン交換を行った。そのあとはタイヤを暖めなければならないことは、もちろん分かっていたけれど、あのコーナーはまだ路面が少し濡れていて、僕のほうもちょっとだけ急ぎ過ぎて転倒してしまった。
ラッキーにもピットに戻ることができたので、もう一度マシンを交換することにしたんだけれど、2度目のマシン交換では同じウエットタイヤを使わなければならないということなので、それに従った。ところが、ピットを出て行くときにピットリミッターが効いていなかったため、ライドスルーのペナルティーを課されてしまった。それでもう、すっかり遅れてしまったというわけなんだ。今回はウイークを通してセッティングに悩んできたので、今日は何とか少しでもポイントを獲りたいと思っていただけに残念。次はホームグランプリのムジェロだけれど、いつも以上に気合いが入りそうだよ!」
D・ブリビオ、チーム監督談
「今日はいろいろなことがありすぎた。もうこれで十分だろう。早めのピットインという判断が間違っていたとは思わない。実際、メランドリ他、何人かのライダーはそれでうまくいっていたのだから。でもバレンティーノは不運にも転倒してしまった。そしてそれがその後のペナルティーにつながり、すべてを台無しにしてしまった。今日のようなコンディションはいつもギャンブルのようなもの。うまくいくときもあれば、うまくいかないときもある。今日は、まったく運が味方しなかった。ポイントではまだ1ポイント抜かれただけなので、ここからまたトップへの返り咲きを目指して戦いを挑んでいくよ」
C・エドワーズ選手談(7位)
「表彰台を狙っていたのに、実現できず残念。ウエットタイヤで走ったレース序盤は、コーナリングがうまくいかず、ペースが上がらなかった。そしてどんどんポジションを下げ、ほぼ最後尾まで落ちてしまうほどだった。マシンは、まるでリアのほうに傾いているようで、フロントにまったく荷重がかからない。それでコーナー進入がうまくいかなかった。そのうちに何人かがピットインを始めたが、その時点では、まだウエットの部分が残っていたので、まだ早いと思い僕はもう少し様子をみた。
その後ピットインしてマシン交換したが、その時にはまた大きく遅れてしまうことになった。というのも僕は、ソフトコンパウンドのフロントが使えないので、硬めのものを履いたが、それを暖めるまでに少し時間がかかったんだ。危ない場面も何度かあったが、調子をつかんでからは身体を伏せてペースを上げ、どんどん抜いていった。あのときは多分、ホルヘを除く誰よりも速いタイムだったと思う。そんな状態で、最終的に7位に留まったのは悔しいけれど、前半戦の遅れが響いてしまったのだから仕方がない。次のムジェロではきっといい走りを見せるよ。あとは、もっとドライで走る時間がとれることを祈るばかり」
J・トーズランド選手談(9位)
「大変なレースだったけれど、マシン交換ではチームがとても良い判断をしてくれてとても助かった。フラッグ・トゥ・フラッグレースは初めての経験だったので、僕は少し戸惑ってしまったが、ピットのなかは、状況の変化に素早く対応するために、常に集中してくれた。マシン交換後はしばらくスリックタイヤを履いて濡れた路面を走るわけで、僕も集中する必要があった。最初のひとりがピットインしたら、サインボードに'OK'サインを出すと言われていた。そのサインを見たとき、僕の周りはまだ誰もピットインしていなかったが、結果的には絶好のタイミングでピットに戻ることができた。
ピットンアウト後は、まだ乾いていないコーナーもいくつかあったが、コースの3分の2は乾いていて、やはりスリックが必要だった。スリックを履いてからはとても好調で、一時は7位まで上がった。でもフロントにソフトコンパウンドを履いていたので、気温が上がるにつれて厳しい状態になった。フロントには硬めのものを選んだほうが良かったようだ。終盤コーリンについていこうとしたときは、運悪くフロントグリップがなくなっていた。あの時点でバトルできたのは良かったが、本当なら7位に入れたはずだと思うとちょっと悔しい気持ちだ。最高の出来というわけにはいかなかったけれど、今回もまた一歩、前進することができたことには満足。この調子を続ければ、次の2、3戦もきっといいレースができるだろう」
H・ポンシャラル、チーム監督談
「もっと上を目指していただけに少し残念な結果となったが、コーリンもジェームスもホームGPで素晴らしい戦いをしてチームとしての誇りを見せてくれた。そしてテック3チームの20周年に華を添えてくれたのだ。ただ今回は、何か大きなものが欠けていたと思う。
我々はトップ5が夢だと言ってきたが、ドライになってからのコーリンのペースを見れば、ここルマンでまた表彰台に上ることも不可能ではなかったのだ。ウエットでは問題もあったが、ドライ用のマシンに交換してからは、あるエリアでは誰よりも速いペースで走れたのだからね。その意味で7位という結果は残念だが、彼が確かなポテンシャルを証明してくれた。ジェームスのほうも素晴らしかった。ウイークを通じて今回もまた大きく成長し、前の3戦と比べるとずっと良くなっている。開幕前に起きた問題がそんなに早く解決するとは思っていないが、彼は一歩一歩、着実に本来の実力を取り戻している。次のムジェロは雨が降らないように、そしてモンスター・ヤマハ・テック3が好成績を挙げられるよう願っている」
中島 雅彦談(技術開発部MotoGPグループリーダー)
「今年も天候不順に悩まされることになり、十分なセットアップ時間が取れませんでしたが、序盤3戦のデータを活かした事前検討が功を奏し戦闘力のあるマシンをライダーに託すことが出来たと思います。レースは直前まで降り続いた雨のため、ウエットコンディションでのスタートとなり、刻々と乾いて行く路面状況を見ながらマシン交換の時期をどうするかで明暗が分かれました。ロレンソ選手がウエット、ドライとも素晴らしい走りで優勝、ヤマハの3連勝を達成してくれたことは大きな励みになりました。ロッシ選手は早めのマシン交換で勝負しました。ウエットパッチにフロントをすくわれ転倒してしまったことは非常に残念ですが、既に次戦へ向け気持ちを切り替えています。長いシーズンの中でこういうレースもありますが、やはり良いコンディションの中でレースをやりたかったと言うのが本音のところです」
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MotoGP | スポーツ
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2009/05/18 23:43:32