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2013年09月03日

【組織作りの転換】「始末書」を取るのをやめた会社

彷徨っていたら見つけました。
地方のスーパーの管理をやっておられた方のようです。
リンク元はココ。このなかの「組織作りの転換」の記事です。リンク先では音楽がシツコク鳴るので要注意ですw。

<前略>
◎トップダウン組織の本質
 ところで、どの企業もそうであったように、当時の企業組織はチェーン化を目的とした拡大化を図るために、すべてのことについて本部が考え企画したものを店舗に強制するという、典型的なトップダウン方式の経営組織でした。
 売上高を初めとした各店舗の運営計画の策定から、商品の本部での一括仕入交渉、従業員の採用から配置および配置転換、各種規則の制定など、企業活動の重要な部分は全て本部で立案され、実行に移されていく組織形態です。
 ですから、各店の店長はそうした予算や運営方法によって、本部の指示通りに動くだけで店舗の運営をすることが出来たのです。
 急速に店舗数を拡大するには、店長が育つのに長期間待つことが出来ないために、全てを本部で管理して、店舗内でしか出来ない作業のみを店舗で行うという、急速拡大のためのチェーン化の組織ともいえるかも知れません。


 ところで、こうしたトップダウン組織にあっては、企業活動を常に本部の立場から見ることになっていきます。それは、折角本部で計画したことが各店舗内で実行に移されていかないと、組織活動にはならないからです。
 そのために、仮に店舗が思うように動いてくれない場合、或いは計画に則った行動を行わない社員等に対しては、常に管理とチェックが行われていきます。

 月々の売上高目標に対して達成できた店には表彰を与える反面、達成できなかった店長に対しては罰則として「始末書」なるものの提出が求められます。
 3ヶ月間売上目標が達成できなかった店長に対しては、店舗の配置転換や次長への降格処分が待っています。
 就業規則には、社員の行動を規制する様々な項目が設けられ、それに違反するとたちまち始末書の提出が求められます。そして、この時は同時に店長も「部下の管理責任」或いは「教育責任」を取って、やはり始末書の提出です。
 出された始末書は1枚当たり500円という評価で、その枚数に応じた金額をボーナスから控除されてしまいます。
 ここまで、読まれた方の中には、そんなことが実際の会社であったのかと、不審に感じられる方もおられるとは思いますが、これは現実にあった組織形態なのです。


 こうした組織形態では、絶えず行動をチェックされる店舗や本部の一般社員も、監視の目を意識して大変だとは思いますが、これらをチェックしなければならない立場の管理職も大変だったと思います。
 こうした組織では、本来お客の方を向いて行動しなければならない小売業であるにもかかわらず、絶えず上司の視線や本部の意向を気にしながら、仕事をする組織になってしまいます。

 当時、スーパー業界では、チェーン化組織についての、経営学に関する書籍はほとんどありませんでした。経営学に関する著書としては、ピーター・F・ドラッカーの、シアーズ社をモデルにした「現代の経営(ダイヤモンド社)」位であったかもしれません。
 また、国内にはチェーン店というものがなく、そうした規範となる企業がなかったために、業界の経営者が学んだ組織論といえば、当時、売上高世界一の小売業であったアメリカの「シアーズ・ローバック」の組織形態を取り入れようとしたのです。
 
 確かにアメリカは人種の異なった人たちが集まって構成された国です。ですから、言葉も違えば生活習慣も違います。ですから、会社の運営にあたっては様々な基準を作ってそれに従わせることが必要だったのかも知れません。
 無学文盲の社員も多くいることですから、本部の優秀なスタッフ達で仕事の手順などを実験した結果をモデルにして、それを絵に書いた作業マニュアルにし、作業方法や手順をそれに従わせることが、最高の能力を発揮させる手段であったのかも知れません。
 膨大に膨れ上がっている店舗の運営管理をしていくためには、こうした本部の管理能力の強化と各種の規制やマニュアルなどが重要であったのかも知れません。
 そして、こうした組織づくりの背景にあった基本的な考え方は、荀子の「性悪説」に近い思想に基づいたものではなかったかと思います。
 余談になりますが、私が感じたアメリカという国は、自由と個人主義とが中心になって明るい社会であると同時に、逆に全ての面で個人責任が追求される国ですし、違反者に対する罰則は極めて厳しい国でした。ですから、会社組織についても様々な行動規範が明確になっていて、それに違反した場合の個人責任と罰則も重くなっていたのだと思います。


◎トップダウン組織の行き詰まり
 こうした状況の中で、私たちの会社の組織も最初に述べたような、本部によって各店をコントロールしながら、社員を管理していくトップダウンの方式を採用していました。
 そして、この組織運営で7年目を迎えた頃のこと、ふとしたことからこの組織形態の矛盾と限界に気がついたのでした。
 それは、別稿「80%の中での全力投球」にも書いたように、全社挙げての3つのルール作りに取り組んだ時のことでした。
 3つのルールというのをここで再掲しますと
①「清潔な売場作りのための清掃」
②「働きやすい売場作りのための後始末」
③「感じのよい売場作りのための服装・態度・言葉遣い」です。

 そして、これらのことについては、お互いに相手の気持ちになってものごとを考え、自主的な行動をとるようにしようというものでした。
 この社内運動が始まってから3ヶ月間、私は各店を巡回しながら、その変化を見て回るようにしましたが、その成果は一向に上がってきません。
 店内の清掃もなかなか捗らずに、床はあまり綺麗にもならず、作業で使った道具は元に戻す定位置を決めているにもかかわらず所々に放置されたままです。店舗内の通路には、補充されかけた商品が、ダンボール箱のままで放置された状態が続いています。

 私は、こうした状況を見るにつけて、すぐさま店長を呼んで叱りつけたりしましたが、その時には直った状況になる売場も、再度訪問した時にはまた同じような状態に戻ってしまいます。こうした状況から、私の店舗巡回の回数は、次第に増えていくことになりました。そして、各店長や社員からの「始末書」の枚数は増えていくばかりでした。
 つまり、会社の方針を徹底させるためには、更にチェックの回数を増やして、厳重な管理体制をとらない限り、こうした社員の行動の変化や、組織の改革は出来ないと思ったのでした。
 この運動が始まってから2ヶ月の年末の賞与の査定に入った時、その「始末書」枚数のあまりの多さに、ただ唖然としたことを覚えています。
 そして、新たな正月を迎えた時に、私がふと気がついたのは、今回の3つのルール作りにあたっては、全社員に対して「自主的な行動」を求めていくというのが、ルール作りの前提になっていたことでした。
 実のところ、全社員に対して自主的な行動を求めていながら、自分自身はこれまで同様にチェック体制を強化して、以前と同じような行動をとっていることに気がついたのです。
 社員に自主的な行動を求めながら、それを行わない店長や社員に対して、罰則としての「始末書」の提出を求めることが、とても不自然な感じを受けたのです。
 「始末書」の提出を求めるということは、やはり社員の行動を監視・規制していることであり、こうした管理体制からは自主性は生まれるはずがありません。こうしたことに気づいた私は社長と相談の末、
すぐさま「始末書」制度をなくすことを目的にして、全店長を招集して、この廃止を伝えると同時に、これまでの就業規則の改正に入りました。

 就業規則の罰則についても、たとえば飲酒運転などの社会的に問題があるような項目だけは残し、他の小さな罰則は撤廃していきました。
 けれども、ルールの浸透に気がかりな私は店舗の巡回だけは、あいも変わらず続けていたのです。
 そうしたある日のこと、私の部下である若い女性社員から、「部長さんの仕事って、なんだかいたちごっこをしてるようですね」と言われてしまいました。

 彼女にしてみれば、私の日常の行動を見て、感じたままを素直に表現したのでしょうが、それを聞いた私は愕然としてしまいました。
 考えてみれば、ルールの社内浸透を目指して、各店舗を巡回しながら出来ていないところを指摘し、次回巡回までの改善策を店長と打ち合わせて本部に帰るのですが、一旦その場では良くなっていたものが、再び巡回したときにはまた元の木阿弥に戻ってしまうので、チェックする立場の私と管理される側の社員との追いかけっこになってしまうのです。
 このままの状態が続くとすれば、今後の店舗数の増加によって、途轍もない巡回が必要になってきます。勿論、1人ではチェックしきれないので、巡回者を増やすことくらいは考えていましたが、「いたちごっこ」と言われれば、そこにチェックによる管理体制の限界を痛感したのです。

◎トップダウンからボトムアップ組織へ
 このこと(1週間の精神的ダウン)を期にして、私は組織形態の転換をすることにしたのです。その心底には「なるようにしかならない」という、諦めの心境であったのも事実ですが、兎に角、店舗を巡回したり、社員の行動を細かくチェックしたりすることを止める決心をしたのです。
 もう少し、言い方を変えれば、これまでの
「社員(人間)というものは、誰かに指示・命令されたり、チェックされたりしなければ行動をしないものである」という考え方から、「社員(人)は指示や命令、或いはチェックをされなくても、自分が納得すればそれに沿った行動をするものである」という考え方への転換です。

 そして、会社の組織形態も、こうした善意の人間の集団である以上、説得をし続けながら、彼らが納得すれば自主的な行動に変化するという、考え方の組織への転換を考えたのです。
 そして、チェックの割りに社員との話し合いの時間の少なかったことの反省から、店舗内での店長や社員との会合の時間を多くとるようになりました。
 こうしたことによって、私自身の考え方も幾つかの面でこれまでとは異なった考え方へと変化していきました。
 たとえば、「人に裏切られても、人を裏切るな」、「裏切られたらそれは例外と考えよ」、「企業組織は、お互いの信頼によって成り立つものでる」、「人間関係に信頼のない組織は形骸化された組織である」など、どちらかと言えば、孔子の「性善説」を基本にした考え方への変化でした。

 私がこうした行動をとるようになってから、数ヶ月たつと社員の私を見る眼も次第に変わってきました。これまでの、チェックばかりをして歩く監督者として恐れを抱いていたような眼から、次第に様々な問題などを相談を持ちかける相談役のような眼へと変わってきたのです。監視者としての私から相談としての私への変化でした。
 こうして、私自身も毎日のチェック巡回行動から解放され、ルールの浸透についても時間的余裕を考えながらの精神的不安定状況からも脱出できるようになってきたのです。
 社風も随分と変化してきました。今までの上司を恐れながら仕事をこなしていく、何となく嫌々ながら仕事をする姿勢から、自らの行動を自ら考えそして自主的に仕事を進める明るさをもった社風へと変化していったのです。

◎トップダウンとボトムアップ
 企業運営に当たっては、企業の経営理念を初めとして、様々な方針はトップダウンで出されます。そこに経営者としての重要な職務があるからです。
 ですから、トップダウン組織が決して悪いと言うのではありません。けれども、組織の運営に当たっては、トップダウン組織で運営に当たれば、ともすれば機械的な社員(人間)を造ってしまいます。
 かと言って、行き過ぎたボトムアップ組織形態をとれば、組織としての運営が困難な状況にもなりかねません。
 ただ、私がここで感じるのは、基本的に性善説に則った考え方を基本として、社員の自主性を尊重する組織形態が望ましいと感じているのです。


<引用終わり>

いやぁ、どこかでみたよ・どこかできいた・・・ような会社みたいですな。
このスーパーの話はだいぶ昔のことのようですが、今でもあいかわらず監視&厳罰型の組織が結構ありますな。
なくならないのは一部の人が甘い汁にありつけなにかと都合がよいからなんデショかね!?
下々の者の生殺与奪の権利をゲットして恐れられる立場になれば威張れてキモチヨイだらう。監視されるよりする側に回った方が楽そうだし・・それじゃ管理者にゴリゴリして出世をめざそうかなと。

こんな調子ぢゃよい仕事はできませんよね。見かけ上は回っていたとしてもいつかトンデモナイことが起きるかも知れません。

自称「恐れられている」上司がアラサガシの目で現れてはみんな忌み嫌うのは無理もありません。ふだんから雑談でもしなければ、職場環境の変化に関わる情報もなんもあがってこないわけです。突然退職者が続々出て慌てたりするわけです。
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Posted at 2013/09/03 15:04:40

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