2015年03月07日
【パワハラ自殺】労災認定:飲酒検知を苦に自殺、バス運転手遺族勝訴
飲酒検査でアルコール反応が出た後に自殺した京王電鉄バスの男性運転手(当時51歳)の遺族が労災認定を求めた訴訟の判決で東京地裁は25日、「解雇されるかもしれないと強いストレスを受けたことが原因で、自殺は労災だ」と認め、遺族補償年金などを不支給とした国の処分を取り消した。原告側の弁護士によると、飲酒検知を苦にした自殺を労災と認めた判決は初めて。
佐々木宗啓裁判長は「男性は飲酒に身に覚えがなく、アルコール検知器が誤作動したとみられる」と指摘し、会社が血液検査を提案したり、男性の自宅から酒を持ち帰ったりした対応を「退職強要に等しいものだった」と批判した。
************************************************************************************************毎日新聞 2015/02/26*******
「京王電鉄バス運転士自殺労災事件弁護団・京王電鉄バス運転手自殺労災認定を勝ち取る会」発行の声明
京王電鉄バス運転手自殺労災事件について控訴断念を求める声明
2015年(平成27年)2月27日
1 . 本年2月25日、東京地方裁判所民事第11部(佐々木宗啓裁判長)は、京王電鉄 バス(株)の運転手(当時51歳、以下「被災者」)の自殺を労働災害であると認め、 妻の労働者災害補償保険法に基づく遺族補償年金及び葬祭料の不支給処分(2010 年1月7日付)を取り消す判決を言い渡した。本判決は、飲酒検知を苦にしての自殺 を労働災害と認めた初めての判決である。
2. 被災者は、2008年(平成20年)6月28日の出勤時にアルコール検知器が反 応したことを契機に上司による事情聴取を受け「自認書」を作成し、会社の処罰基準上解雇を免れないとの思いから6月30日には自殺未遂を図った。そのような状況下 で発生した7月4日のアルコール再検知によりさらなる事情聴取・「自認書」作成を 余儀なくされたうえ、上司による家宅捜査を受けた後、7月7日、「アルコールチェ ッカーをすると思うと怖くて怖くてたまりません」との遺書を残し、自ら命を断った のである。後に遺されたのは妻と4人の子(当時18歳、16歳、15歳、4歳)で あった。なお、6月28日付け検知は飲酒から16時間経過後、7月4日付け検知は飲酒飲食を一切していない中での検知、いずれも出勤直前に実施にした自宅でのアルコール チェッカーでは反応はなく、検知器の誤作動の可能性が極めて高いものであった。
3. 本判決はまず、6月28日付け検知について、飲酒検知及びこれを契機とした事情 聴取、自認書作成、上司へのコップ交付等の一連の出来事は重大な仕事上のミスに準 ずること、同検知により被災者はクビになると誤信し所長の発言がこれを強めたとし て、同検知の発生の心理的負荷の程度は「強」と評価した。次いで、7月4日付け検知については、アルコール摂取が原因でないことを正面から認め、にもかかわらず会社の対応は誤作動を念頭におかず重大な処分を想定させるものであり、同検知及び一連の出来事は退職強要に準じるものというべきであるとして、その心理的負荷の強度 は「強」と評価した。他方で、業務外の出来事による心理的負荷は小さいと判断し、 被災者の精神障害は、心理的負荷の強度が「強」である出来事の後に発症したもので あるとして、労働災害であると判断した。
4. 本判決は、突然一家の大黒柱を失った遺族の補償を認めるとともに、アルコール検 知を契機とする一連の会社対応を痛烈に批判した点に極めて大きな意義がある。ま た、運転労働について飲酒検知は必要ではあるが、アルコール検知を契機とする行 き過ぎた責任追及や退職強要に警鐘を鳴らすものである。
5. 私たちは、国が控訴を断念して遺族の早期救済を図るよう強く要求するものである。
以上
本件は、会社相手ではなく国が相手の訴訟です。これがもし確定すると会社の不適切な対応により命を落としたことでの損害賠償が発生するかも知れません。メンツもあるでしょうし控訴になるんでしょうかねぇ・・・。
飲酒検知をすることは必要ではありますが、ヒットしたらクビダーとか事情聴取の名の下に吊し上げるようなことをやるのは明らかにやりすぎではないのかということです。
さて、飲酒検知からみの記事は拙ブログでも取り上げたことがありましたが、機器には誤作動の可能性があるんです。メーカーも承知のことです。
そもそもの目的が「飲酒運転の防止」ですので、仮に測定結果が飲酒起因でなければ問題は無いはずです。せいぎのみかたみたいに「カイシャの定めた機器でヒットしたら飲んでいようがいまいがとにかく酒気帯びダー」みたいのはちょっと激しくズレているのではないかと思います。というか「コンプライアンス」とやらに毒されて集団ヒステリーに陥っているようです。
なんでもかんでも「法令遵守」「(出所不明な)世の中の流れw」「(出所不明な)厳しい世間の目w」を盾に、必要以上に過剰に厳しくして「オレ様に従え」調でギスギスの職場を作れば結果ロクなことになりません。かえって事故やらミスやら労労対立が増えます。グレーゾーンをあうんの呼吸でスルーしながらうまくやっていく能力が必要なのではないでしょうかねぇ!?
しっかしまぁ、なんですな。この事件、活躍したのは建交労系の京王新労組でして、私鉄総連にいるはずの京王さんの労組がでてきませんな・・・。
「この事件は京王のバス事業で賃金引下げられた子会社労働者への置き換えの施策 の中で起こりました。自殺したバス運転手は連合系労組の組合員でした。職場の連合系労組の同僚から京王新労組に相談があり「京王電鉄バス運転手自殺労 災を勝ち取る会」(会長 米田貢中央大学教授)を結成して共にとりくんできました。
連合系労組への組合員からの応援要請に対して、連合系労組は返答もせず、それど ころか労組役員が会社と一緒になり認定を阻んできました。」
ってワケなんですな・・・(引用元ココ)。
役員さんのキャリアプランもありますし、問題のありそうな個人の案件にはあうんの呼吸でタッチしないのがソシキのオキテなんデショかね(うははは〜〜〜wwww)。
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Posted at
2015/03/07 22:02:13
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