日産時代にグループCカー用のエンジン・VRH35などを開発した、現東海大学工学部教授・林義正氏の書いた読み物にこんなのがあった。
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ガソリン添加剤でエンジン性能は向上させられる?
Q.
燃料に添加剤などの混ぜ物を加えて、エンジンの性能を向上させることはできるのでしょうか。また、そもそも燃料による性能の違いとは、どういうことなんですか?
A.
日本で売られているガソリンの発熱量は、1kgあたり10,250キロカロリーです。
10,500キロカロリーというのも存在するのですが、一般的には前者だと思っていいでしょう。
つまり1kgの燃料は、10トンの水の温度を約1℃上昇させる熱量しか持っていないということです。
これはガソリンを作るときに設定されている数値で、レギュラーもハイオクも同じ数値です。
もし仮に、何らかの混ぜ物を加えることによって熱量が10%増えれば、熱費も10%向上しますが、現実的にそういうものはありません。
また燃料に混ぜ物を加えることによって、燃焼がよくなることもありません。
燃焼というのは速ければ速いほどいいわけですが、これは等容度と言って、仮に0秒で燃え切る燃料が存在すれば等容度は100%となり、完全なオットーサイクルを実現することができますが、現実にそのような燃料はありません。発熱量の増加、あるいは等容度のどちらかが実現できる混ぜ物があればいいのですが、2次公害なども発生させずに、燃料に10%や20%程度混ぜるだけで明らかに有効だと言えるような物質は、見つかっていないのです。
加えて言うと、オクタン価を向上させるとかいう混ぜ物も存在するようですが、燃料のオクタン価が向上するだけでは
エンジンパワーは上がりませんし、したがって
燃費も改善されません。
オクタン価の高い燃料を使うためには、点火時期を最適に調整し直さなければ、オクタン価の低い燃料の使用時よりも相対的に点火時期が遅れてしまうことになり、逆に効率は悪化の傾向をたどります。
市販車のエンジンに備わっている点火時期調整機構は、点火時期を遅らせてエンジンを守る働きをするもので、オクタン価の高い燃料だから点火時期を進めて性能を引き出そうという機能は備わっていません。
つまりECUのプログラムを書き換えるくらいの覚悟がなければ、オクタン価がどんなに高くても意味がないんです。
燃料の改善による性能向上が、そんなに簡単でないことがわかっていただけましたか?
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やっぱりね♪
“燃料タンクに放り込むとオクタン価が上がります”くん
とかっていうのあったけど、あれでオクタン価が上がるっていう効能も疑問だが、エンジンパワー・燃費には
効かないのね~。
しかし沢山の人の脳には効いてたみたいだけど・・・(?_?)
Posted at 2007/09/03 11:40:54 | |
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科学的に考察する | 日記