本日は今年のやる事リストの一つであるアンカリングシステムの再構築を図るべく改良を施しましたのでその様子を書き認めたいと思います。
まずミニボート(全長3.3m未満)において特に免許不要艇などにおいてはアンカーをそもそも積まれていない方も散見されます。
アンカーは法定備品の一つですが、せめて自身の航行区域における深度を含め万一のトラブルの際に流されない様にするための重要な装備です。
要免許船においては法定備品の一つとなっていますが、面倒かつ邪魔ではあっても必ず何か積んでおきましょう。
さてここからが本題ですが、アンカーも沢山種類がありまして最初何を買うべきか非常に迷いますね。
私の場合中古の前艇を購入時に3kgのマッシュル
ームアンカーが付属していましたので、何も考えずにそれを最初は使っていました。
マッシュルームアンカー自体は法定備品としても合格しますので、そのまま使っていました。
特にミニボートの中でも比較的重量の軽いゴムボートにおいては重みで強制的にとどめるよう感じです。
ですのであまり軽いモノよりかは最低3kg程度のモノが良いと思います。
これもウネリや波の強いときは走錨(アンカーが効かずアンカーを引きずりながら滑りだす事)しまうので、アンカーチェーンの根元に更に漬物石(樹脂製)3.5kgを追加させて安定させていました。
それでも上手く効かない時は走錨します。
まぁ使い勝手は良かったのですが、ちょっとしたミスからアンカーを流してしまい、ここから確実かつ安定して使えるアンカーを色々と勉強してみました。
で、法定備品として使え、かつミニボートに使えるモノの残りとして.....
まずはダンフォースアンカー。
こちらは1.5kgの最小サイズですが、砂泥地でかなりの威力を発揮するとの事で先日購入。
特徴として大きな爪が砂に食い込んで留まるのですが、角度がおよそ35°より高くなると効き目が無くなります。
なので一つにはロープにチェーンや別の錘を付けてしっかりと角度を寝かし砂泥地に食い込ませます。
※私はチェーンに漬物石を付けてチェーンの角度が上がらない様にしています。
軽くてコスパも良いのですが岩礁帯には不向き。
砂泥地メインの現行良く行く場所はこれをメインに今後使っていく予定です。
そしてもう一つ。
フォールディングアンカー。
こちらは4本の爪が開いたり閉じたりします。
特徴として砂泥地には不向きで岩礁帯での引っ掛かりが良く効きます。
現在まだ購入していませんが、岩場用に今後追加購入の予定。
他にもバーフッカーやフィッシングアンカーと言った形状のモノがございますが、ミニボートの場合は上記3種のどれかで充分だと思いますし、特に流し釣りメインの方なら場所を取らないマッシュルームアンカーかフォールディングアンカーがお勧めです。
さて話戻りまして、今回どのようなコンセプトでアンカリングシステムを改良したかと言いますと.....
➀ 砂地で確実かつしっかりと効き目がある。
② 万一岩場に引っ掛かっても回収可能。
③ リフターの使用で楽に回収が出来る。
この3点に拘りました。
そもそもかかり釣りですが、風向きと潮向きや流速、そして波の高さによってアンカーを掛ける位置など計算して付けなければなりません。
特に軽いゴムボートは一瞬で流されてしまうので、瀬着けをモタモタしているとポイントからすぐに外れてしまいます。
そして積載出来るロープの長さにもある程度の限界があります。
ですので当然長く出せば容易にアンカリングは可能ですが、やはり少々の角度が付いてもしっかりと掛かるシステムが必要です。
また一般的に水深の3倍の長さのロープでアンカリングすると船舶免許の教本で書かれていますが、これはあくまでもボートを確実に留めておくための長さであり、かかり釣りにおいてここまでロープを出すことはございません。
ボートの特徴としてアンカーを打たない場合はスターン(船尾)が風上を向きます。
そしてアンカーを打つとバウ(船首)が風上を向きます。
そこに波や潮流、風向きの変化などでアンカーを起点にボートが左右に振られます。
当然この振り幅はロープが長ければ長いほど大きく振ります。
ですので理想は最短のロープ長でしっかりとアンカリングさせるのが一番釣りとして効率の良い掛け方となります。
ですので凪の場合はかなり短め、波のある時や風の強い時は長めのロープ出しを心がけます。
さて説明はこれくらいにしまして.....
今回新たに導入いたしましたダンフォースアンカーについて、アンカーロープにかなりの改良を加えました。
先に全体図を紹介してから細かい部分の解説に。
これでは解りづらいので解説入り画像を。
こちらが解説入り。
まず赤丸部分はロープとアンカーをがっちり繋ぐポイント。但しアンカーを掛けた状態では支点となりません。
青丸部分が支点となるポイント。
ロープ部分にヨリチチワと言う輪っかを作るのですが、アルミ製のスリーブと言うワイヤーカシメ部品でタイラップロックをはめ込んでいます。
詳細は後ほど。
そして黄緑部分はアンカー回収hシステム用のロック。
こちらも同じくアルミ製スリーブをはめ込み、タイラップ4本を放射状に広げ熱収縮チューブで被覆したもの。
画像茶色の線を海底に見立てますが、ステンレスチェーンの2番目には漬物石3.5kgをロープで括りつけているので、ロープの角度を立ててもチェーンの角度が35°を上回る事はありません。
横から見るとこんな感じでチェーンを強制的に落として角度を殺します。
そして赤丸部分のロープ。
スチール製のカラナビよりチェーンノットでやや重めに編み込んで青丸支点より長めにロープを取ります。
このように回収ロープ用の輪っかがありますのでそこに固定。
アンカーの効く方向は青矢印。逆にアンカーを抜くのは赤矢印。
次にアンカー回収するための回収支点とアンカーを効かすための支点を分けるための輪をロープで作る作業。
青丸の部分とチェーンをタイラップで繋ぎとめるのですが.....
このようなワイヤー用のアルミスリーブを活用。
左側が2つが加工前で右は叩いて丸くしたモノです。
叩いて丸くしたモノを2つロープに通しておきます。
ヨリチチワと言う便利なノット(結び)ですが、うまく説明出来ません。
非常に簡単なのですが締め込みにコツが要ります。
ある程度輪の大きさを残したいのでハンマーの柄を用いて輪を残します。

おっと大事なのは輪の中に1つアルミスリーブを通しておいてください。
まだ若干締め込みが浅いですがこんな感じで途中にスリーブ入りの輪が出来ます。
スリーブにタイラップを通します。
次にステンレスチェーン先端をタイラップで固定。
拡大するとこんな感じ。

何でこんな事するのかって?
これはアンカーが万が一引っ掛かった際の救済システムで力の弱いタイラップを切れるようにしています。
そして海にゴミが出ない様スリーブでタイラップを固定しています。
漬物石に足を乗せて力任せに引っ張ります。

この部分に力が掛かり.....
最後は破断します。
注意点はタイラップの余分な端は取付時に切っておくことです。そうすれば破断部分すべてゴミとして回収できます。
最後にアンカーリフター(回収システム)の再構築。
輪っかより更に奥に通しておいたスリーブにタイラップを押し込みます。
最終的には放射状に4本入りました。
そして余分な端をカット。
更に最初にですが熱収縮チューブを通しておきます。
熱をかけてこのように。
てか本当はその前にアルミスリーブとロープをカシメるのが先ですわ(笑)。
私は忘れて後からしましたが....
がっちりと固定が重要。
あとは浮輪なりボールなり浮力体を何らかの形でロープに滑り込ませるのですが....
以前テストした滑車は、アンカリング時に面倒なので、このようなアルミ製のS字型のカラビナを取り付けることに。ナスカンでも何でも良いんです。最終的にはタイラップのストッポーを通過すれば確実にアンカーの回収が楽になると思います。
たぶん(笑)。
てな訳で本当はロープの材質も替えたいし、長さも50mから100mに替えたいし、フォールディングアンカーも追加購入したいし、リフター使用時の絡み防止も考えないといけないし、アンカー回収時のロープ巻きも作りたいので、約70%の完成です。
あとボールが黒色ならセーフティーフラッグの所につけておけば形象物としても使えます(笑)。
※黒色球はアンカーしている際の目印です。
と、道半ばですがとりあえずかなりイメージ通りに行ったかな?
また次回釣行時にテストしてリポートを行いたいと思います。
ではでは。