さてGW期間中にどうしてもやっておきたかったのが、琵琶湖用に稼働している4スト5馬力のパワーユニットの簡易点検整備。
とりあえず初めての4スト機なので自身で出来る範囲の点検整備はなるべく出来るようにと思いまして、調べに調べまくるのですが.....
そこはやはり船外機の情報.....
まずほとんどヒットしませんし、さらに言えば機種毎で出てくるなんてもはや宝くじ当たるレベルでしょうか(笑)?
本当日本国内におけるマリン業界の体質は非常に閉鎖的であることを痛感させられます。
たまに出てくる記事と言えば先般訪問させて頂いた雅ファクトリーの長松さんが書いた記事であったり、こちらで紹介させて頂きました福岡でポータブル船外機を中心に整備されているゴムボくらぶさんの記事が非常に目立ちます。
どちらの方にも共通して言えますのが、ミニボートなり小型ボートを経験され、恐らくその辺りの不便さを分かっているからこそ啓発されているものと推察出来ます。
※勝手な想像ですが間違っていたらすいません。
いずれにしましてもそれくらい情報が中々ございませんね。
とは言え自分である程度は解決していきたいので、大袈裟でなく出来うる限り自分なりに色々と調べて火傷しない程度にやっていきます。
そして先ず揃えたのがこちら!
YAMAHA F4B F5A F6Cのサービスマニュアルとサービスガイドの原本Www。
たまたま上手く手に入れることが出来ましたが、今回ある程度読んでみて色々と勉強になりました。
まぁまだまだ工具類が足りていませんねぇ....
その内潰す覚悟でパワーユニットのオープンもチャレンジしてみようと思いましたが(笑)、ある程度現代に近し年式のエンジン故に細部にわたり丁寧な記載があり非常に良いです。
あと併せてシクネスゲージ25枚(シンワ測定)も購入。
ようやく購入した感あり(笑)。
本体カバー外します。
YAMAHA船外機の親切なところは、大切なヘッドカバー部分に必ずボルト締結の順番が刻印されています。
また規定締結トルクも表示されています。
外す際は、こちらの番号の逆から(5)番から順に緩めていきます。
本体内部非常に綺麗でしょ!
下側はブッシュを支えるアルミカラーの一部が若干錆びていますが、比較的許せる状況かと。
まずは気になる圧縮をチェックするため5分間暖機運転実施。
コンプレッションゲージはストレートと言うブランドのモノを購入しました。
まずキルスイッチコードを外し。
プラグキャップを外し。
プラグを抜き取ります。
ヘッド側ねじ山に傷や異物が無いか確認したうえでコンプレッションゲージのニップルを取り付けて。
ホースの取り付け。
アクセルを全開にします!
ゲージを安定している場所に寝かせたら.....
3~4回リコイルスターターを引きます。
ちなみにF5AMHの規定最小圧縮圧力は20℃で7kgf/cm2。
綺麗に数値は出たので圧縮漏れは問題無さそうです。
計測機器を外しプラグを規定トルク13N・mで締結。
次はCDIユニットのエアーギャップ調整。
先ずはリコイルスターターを外すのですが、急発進防止装置のワイヤーを取り外すためシフトを中立より。
手前(F・フォワード)に引く。
ワイヤーが伸びて緩むので、白い爪のスリット部分からワイヤーを外します。
次にリコイルカバーからワイヤーを取り外します。
10番スパナ2本で外す。
フライホイールが剝き出しになったら永久磁石部分とCDI突起部分の接点(マグネットと一番近い部分)までフライホイールを回す。
赤○は永久磁石、黄○がCDIの突起部分2ヶ所。
この際の大きな注意点として時計回り必須で接点が行き過ぎても決して逆回転させない事。
インペラの羽が不規則(逆向き)になる事例は取り付けの問題と言うよりフライホイールを逆転させる整備士がいるからです。
サービスマニュアルにはインペラの損傷と言う言葉が注意事項として書かれています。
単車などでは逆転しても何の問題もありませんが、ウォータポンプの役割となるインペラを持つ船外機特有の事情ですね。
私も気にしていなかったので勉強になりました。
マグネットとCDIの突起部分接点は2か所ありますが、手前側から調整すると上手くいきました。
ちなみにCDIユニットエアーギャップは0.4~0.6mmでしたので0.5mmに合わせました。
何度か微調整しながら.....
調整は10mmのスパナで行いCDIユニットボルト締結トルクは10N・mです。
最後にバルブクリアランス調整です。
まずバルブクリアランスの測定はエンジン冷機時。
キルスイッチコードを抜き、バルブカバー周りの配線をを取り外し(クリップより)ます。
ボルト5番より逆順に緩めヘッドカバーを外します。
と言ってもケースに納まった状態では結構至難の業ですね(笑)。
このような少し角度の変わったスパナで無事開放。
ロッカーアームが出て来ました。
そこから大切なのはフライホイールマグネットのTDCマークがリコイルスターターカバーの矢印に来ているようフライホイールを時計回りで回してポイントに合わせます。
この時はCDIエアーギャップ調整後でリコイルスターターを外していましたので、位置的には丁度10mmボルト締結する位置がポイントと同じ場所になります。
リコイルカバーのポイント位置とはここです。
バルブクリアランスですが、F5AMHは吸気側(上)も排気側(下)も同じ0.08~0.12mmとなっていますので、真ん中の0.1mmで調整を行いました。
調整は2種類のスパナで行いますが、バルブ調整ナット10mmの締結トルクは10N・mで最終締めると、若干クリアランスが狭くなります。
この辺り何度か調整して最終的に締め終えてからシクネスゲージの入りでクリアランスを確認しました。
最後にくどいほどガスケットの再使用不可!と書いていましたwww。
と言いながらパーツ注文してないのでとりあえずそのままです(笑)。
※次回パーツ発注時に注文いたします!
その後の稼働は勿論問題無いので、あとは実走行ですね!
あと今回の整備と全然関係ないけど、サービスマニュアルによるとインペラ部分に塗る推奨グリスが、ヤマハグリスAと言う事実(笑)。
通常ゴム類で油脂を塗る場合ですが、シリコングリスを使うのが通例です。
が、サービスマニュアルに記載されているので使用については問題無いようです。
これはグリスの質がゴム類に適しているのか、インペラの材質が耐油ゴムなのかと言うところかと。
恐らく後者だと考えますが、他メーカーに適しているのか不明ですので参考程度としてください。
と言うわけでその後当たり前ですがアイドリングから稼働は問題なく出来ています。
が、前回淀川でオイルリーク後のテスト運行した際にパワー不足を感じました。
内燃機系に詳しいsyuun1さんに症状を伝えたところ、このままパワー不足なら例のオイル漏れによるコンロッド辺りのかじりが原因でパワーロスになっているかも!と言う恐ろしいご指南ご指摘が(爆)。
これでいよいよクランクケースの開放になるんか?と言う感じですが、そうとなればとりあえずビワマスシーズン終わってからにしたいと思いますわ.....
てかここから先の土日は予定入りすぎて6月末までに琵琶湖行けるのか自体が疑わしき状況でもあります。
そんな感じで今回は気になる点検・整備をやってみました!
最後に素人整備につき、この記事で整備されて不利益を被られても一切の責任を負えませんのでご理解宜しくお願い申し上げます。
ではでは。