• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2022年03月20日

SUZUKI小型船外機 DT5・6・8シリーズ リコイルロープ交換とスターター考察

さて今回は何度かこちらのブログで取り上げている、小型DTシリーズのリコイルスターターについて、改めて考察していきたいと思います。

古い小型船外機レストアおよび再登録・再使用においてまずまず以て問題となって参りますのが、5馬力以上の船外機に必要となります急発進防止装置
日本国内において各メーカーの旧品情報があまりにも乏しく、5馬力2ストロークを手に入れて最初に困ったのがこの問題でした。
先にも書きましたが何度かこちらのブログでも取り上げております。


小型船舶安全規則の条文に恐らく?平成6年(1994年)からの施行として追加された新たなる項目。
細則詳細についてはこちらのブログをご参考に。

簡単におさらいしますと.....
昔の小型船外機はギアが前進・後進・中立のどの位置にあってもリコイルロープを引いてスタートする事が出来ました。
しかしながら例えば前進にギアが嵌入された状態でスタートを引いた際に急発進して、操船者もしくは乗船者がバランスを崩し落水するケースがありました。
その事から日本国内において法改正となりJCI新規登録時より急発進防止装置の取付け義務化がスタート。
なので、おおよそ95年以降に製造された船外機についてはメーカーより何らかの対策が講じられていますが、それ以前の機種についてはメーカーによって取り付けられているものとそうでないものに分かれます。
ですので自動車のシートベルトやウィンカーなどと同様、法令施行前に生産されたモノはおとがめなしと言う事になります。
ただし小型船舶の船検登録においては、新規登録に際して新基準に適合する装置の有無が確認必要となるため何らかの対策が必要となります。
なお結構旧き時代でも大型(25馬力以上?)には出力がかなりあったので、装置が付属してたのかもしれません。
私の知る限りこの問題に直面する馬力数が5~15馬力程度?
これもメーカーによって違うと思いますが、そもそもいちいち取付け取外しのしないボートに旧い小型2スト船外機をセットされる方は超稀ですね(笑)。
おおよそが3m未満の可搬式FRPボートかインフレータブルボート。
出来るだけ軽量化に特化する一部の変態共だけに妙な人気があるんですよwww。
特に5~10馬力は注意が必要ですね!


で、そうなって来ると.....
古い船外機を買う際に急発進防止装置取付け有無の確認出来うる方法は!?

【実物確認可能である場合】
・ ギアシフトレバーを中立(N)から、前進(F)または後進(B)へ嵌入。
その際に手動リコイルが引けなければOK。
急発進防止装置が付属しています。

【実物確認出来ない場合】※オークションサイトなど画像判断
・ 製造年月日が95年以降か?
・ リコイルスターターに樹脂製の部品やワイヤー装置などが付随しているか?

特に最初の製造年月日について.....
これも装置を外されて旧品に組み替えられている可能性がありますので、少なくとも画像目視との\両方を確認する必要があります。
私が触っているDTシリーズも、たま~に高年式にも関わらずリコイルスターターが古いモノと差し替えられている事例もありますしねwww。
そしてネット購入で一番ダメなのは、トップカウルを外さず中身画像を撮っていない場合。
こんなの怖くて買えませんわwww。

オークションサイトなどでも未だ旧品でもそれなりの売り買いがされておりますが、その殆どが一体どのような結末になっているんだろうねぇ?といつも疑問に思っております(笑)。
まぁ裏技としては対応出来るパーツを取り付けて船検が終われば外して使うと言う、車と同じような技もありますが、あまりお勧めできませんね~。
てか面倒くさいですわwww。


前置きかなり長くなりましたが、本題であるスズキ船外機の対象となるDT5・6・8の状況について。
パーツリストとして把握出来ているDTシリーズについて、一度大きなマイナーチェンジがございます。

DT5 前機型: ~’98 ※501、502型式
DT5 後期型: ’99~’00 ※503型式、504型式
DT6: ~’95 ※601型式
DT8: ~'02 ※801型式

結論から申し上げます'95年から2スト最終供給年度である'02年までのモデルで急発進防止装置が取り付けられています。
ですので、恐らくですがDT5は501型式から502型式に変わった’95年モデル以降対策済み。
全くケース形状などコンセプトの違う503型式504型式においては、土台形状など違うため検証の余地がありますが取付け可能かは不明です。
見た目は完全に違う形状ですが、別品番の重要パーツであるNISセット(品番18280-986A0)がDTシリーズの7,095円に対して4,125円とお得。
更に更にNISセットはワイヤーケーブルからロックに関わる樹脂パーツとのアッセンブルとなっているため、樹脂のロックパーツのみはDFシリーズのモノで代用出来ます(確認済)。

言葉だけでは中々伝わりませんので、図説と画像を折りこみながら、リコイルロープ交換作業も織り交ぜていきます。
まずはDTシリーズのリコイルスターター現物。
alt
左が急発進防止装置付きリコイルスターターで右が旧品です。
明らかに左のほうがゴチャゴチャとパーツが取り付けられているのが判ります。



左側パーツとしての図説はこちら。
青枠部分がNSIセットに関わるパーツ類一式ですが、割としょぼいくせに非常に高価なので驚きますwww。
alt



そして一応右側旧品も。
alt




さて今回触ります雅機に取付けられていた、こちらの元のリコイルスターターのロープ交換とNSIパーツの取り付け作業を行います。
準備したパーツとともに並べています。
※インターロックアームと言うパーツは後から見つかるwww。
alt
ちなみにこちらは最初から意図的にロックを外されていたのか樹脂が壊れたのか微妙なところですが....
本機購入時に雅工房長松社長さんよりちゃんと説明を受けておりましたが、少しでも早く手元に欲しかった事から承知の上で現状のまま送ってもらいました(笑)。
と言うのもこの形状のスターター幾つか手元にありましたので到着してすぐにポン付け交換www。
こちらのスターターキットは部品ストックとしてお蔵入りとなっていました.....が、今回のDT8レストア計画で再び日の目を見ることに。


作業しながら各パーツの構造を見ていきましょう。
alt



まずは#2プラスネジを解除。
alt



ローラーを外す際にグリスこてこてのゼンマイバネが飛び出しますので軍手必須(笑)。
alt



メーカー出荷時の結び目はこのような形状となっています。
alt



ささくれこそありませんが結構な汚れですね。
ちなみに海水で使用もあり得る船外機のスターターロープですが、農機具などと若干仕様が違います。
ケチれば何ぼでもでもやっすいのがありますが、オイル浸潤タイプで織込みの多いタイプをお勧めいたします。
またロープの太さも機種によっては全然違いますのでご注意を。
私はYAMAHA純正の4mmを使用いたしました。
alt
このロープは長さを計測したのちにお役御免となり廃棄させて頂きました。


分解後は各パーツを洗浄。
alt



しかし何故樹脂のロックパーツ、無くなってんだろな?と思うところですが、一つは何らか強い力が働いての欠損。
もう一つは意図的な削除。
前にも弄りましたDT5は意図的にこのパーツを取り除いていた痕跡ありました。
淡水のバスボートなど移動を急ぐような釣りスタイルの方は、いちいちギアをニュートラルに戻すのが面倒なのでしょうかね?
alt



これが問題のパーツ。
DTのパーツカタログでは、バラでこのパーツを得る事が出来ません。
イチかバチかのDF5のパーツを試したんだけど.....
結果は寸分たがわず全く同じ形でした。
お値段400円弱(笑)。
alt



併せてEリングもい必要となりますが、こちらは市販品のほうが絶対お得です。
サイズは6mm。
alt



品番18280-91J00には樹脂と一緒に特殊バネ(キックバネ)も同封されています。
alt



ワイヤーに固定されていないとこのように外側へ反発します。
alt



で、このリコイルカバーのロック樹脂の台座、滑りが非常に悪い...??
alt



まずはサンドペーパーで調整。
alt



微調整ではなくかなりの調整を行います。
alt



これでようやくスライドするように。
alt



更にワイヤーをロックする樹脂台座も欠損あり。
ワイヤーの固定が出来ません。
alt



ステンレスワッシャーで固定の補助。
alt



これは手作業です。
alt



このように削り込んで.....
alt



これでワイヤーケーブルはがっちりと固定出来ました。
alt



あとはパーツが飛ばない様、接着剤で更に固定。
alt



スライドレール部分もかなり削り込みましたが、何故なんだろうね?この調整.....
alt



グリス湿布。
alt



樹脂パーツにEリング装着。
alt



ちなみにこちらは現主機に取付けられている純正リコイルスターター。
何か記号が色々と書かれていますね。
alt



こちらは今回レストアしているモノ。
樹脂の肌艶もさながら、謎の記号の刻印がございません。
???なのですが、どういう事なんでしょうかね?
謎は深まりますwww。
alt




さてロックの取付けは終わりましたので、いよいよ新しいロープを取り付けての組上げです。
まずはカットした端をヒートガンで固めます。
ライターで焦がすのキライwww。
alt



このようにコブを作り.....
alt



持ち手側へ先にロープを通します。
alt



長さはあらかじめ純正品と合わせるのですが、手計でざっと1.3m程度でした。
alt



さてここからが何度やっても一番嫌な作業(笑)。
alt



まずはロープを本体側に通しておきます。
alt



その後樹脂系のパーツに付着したグリスは全て取り除いておいて.....
alt



次なる作業はゼンマイバネをこのように樹脂のローラーパーツ内側に納まるまで丸めて収納。
赤丸部分にゼンマイを引っ掛けます。
alt



グリスをたっぷりと湿布。
alt



そしてここからが説明し難い作業。
ゼンマイ取付けたローラーを反時計回りに何度も回します。
ゼンマイは本体と中心部がフックで固定されるので反時計回りが所謂反発する方向となりますので出来るだけ絞り込みます。
そしてもう限界か?と言うところでロープを通す位置まで持って行く。
※青矢印部分
alt



そしてバネが反発しない様に注意を払いながらロープをローラー穴に通し....
alt



コブを締めたら完成。
alt



コブの拡大。
alt




あとは逆の手順にパーツを組んでいくだけです。
alt



そんなにパーツも多く無いので紛失さえしなければまず間違えることはございません。
alt



そしてつい先日の平日、予備機とジャンクDF15の2台を実家の物置土間に行って参りましたところ.....
alt



無造作に放り込まれたDTパーツ箱の中から、インタロックアーム(¥1,540)とスナップリング(¥110)が出て参りましたwww。
あと後期型ティラーハンドルも!
alt
非常に小さいパーツではありますが、特殊形状かつまぁまぁ高い部品なので何だか嬉しいですな(笑)。


これで一つ重要パーツが蘇りました。
alt
これをDT8に取付けるのかどうかは未定ですが、DT5をパワーダウンの5馬力登録もアリかな?
とも現在目論んでおりますwww。
※5馬力キャブも余っているので。



リコイルスターター復活!
alt
と言う訳でDT8レストアと並行しながら、思いつくカネの掛からない作業は進めております。
そして一昨日ようやくDT8のギアケースベアリング装着が終わりました。
個体差のせいか中々綺麗に挿入できず3回のやり直し、ケースの修正を経て完了しました。
何分素人作業&工具類につき、一度頓挫すると心が折れそうになりますが.....
これでDT8レストアも少しの光が見えて参りました。
作業の遅れによりパーツ発注が中々決まらず月内組上げは非常に微妙になって来ましたが.....
とりあえずこの2日間である程度まで進めて行きましょうか?
ではでは!
ブログ一覧 | 船外機 SUZUKI パーツ関係 | 日記
Posted at 2022/03/20 13:04:22

イイね!0件



タグ

今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

80年目の夏
どんみみさん

8/16 土曜日の朝‼️
ミッキーたんさん

信号待ち。
.ξさん

CAR-T細胞を移植しました
FLAT4さん

2025.08.15 今日のポタ& ...
osatan2000さん

全然動きません😇
R_35さん

この記事へのコメント

2022年3月20日 14:24
少しずつ準備が整ってますね。
DT8のノーマル状態だと、limitededitionよりパワーもレスポンスも落ちるでしょうね。
limitededitionのコンセプトが15馬力をロックオンですから!
恐らく13馬力位は出てるでしょう。
大分暖かい日が続く様になったのですが、風や波の状態が悪くテスト出来ません。
挙句に震度6強の地震...
余震がしばらく続いているので、テスト出来るのは4月になってかなあ...
コメントへの返答
2022年3月20日 15:19
本当少しずつですが前に進んでいます。
DT8ノーマルですがチューニング機より多少劣ってないと悲しすぎますよ(笑)。
こちらは先日例のテストに行ってまいりましたが、とあるトラブルでしばらくボート休止ですwww。
※心配して頂く内容ではございません。

またブログでご報告させて頂きますが、スタビライザーはお陰様でバッチリでした。
こちらも併せてご報告させて頂きます。

それよりも地震の方が気になりますね.....
通常の荒天などでしたらいざ知らず、巨大地震など洒落になりませんから。
こちらも高知県などは津波の心配もありますのでお互い気を付けましょうね。
2022年3月20日 17:06
オイラ急発進防止装置外すタイプの人間です
(ΦдΦ)オホホホ
コメントへの返答
2022年3月20日 17:35
それは勿論知ってますよ!
(ФωФ)フフフ...

それよりも早くご自身にマジキレ防止装置を付けてあげないと、会社の部下たちが可哀そうでなりませんwww。
2022年3月20日 17:56
今晩は、いつからだったかリサイクルしやすい様にプラスチック製品に素材(PPとかABSとか)の表記するようになったような。

左の三文字は分かりませんが右側のGFはガラス繊維入りの表記では?

対熱や強度が欲しい部品には良く使われます。

コピー機なんかの内部でよく使われています。
コメントへの返答
2022年3月20日 18:28
コメント有難うございます。
そしてまさかの貴重な情報有難うございます。
m(__)m

なるほど~!
何なのか調べる手掛かりが見つかりました!!
確かにトップカウルはガラス繊維使っています。
リコイル本体は普通の樹脂っぽいですが、リサイクル法に関わる何らかの表記っぽいですね。
非常に興味深い情報ですし引き続き調べてみます。
2022年3月21日 11:09
SAEはアメリカの規格 オイルのアレと一緒ですわ。
で、このリコイルカバーは6ナイロンのガラス繊維45%ですな
削りカス付いたまま服を洗濯機にぶち込むと後で泣けます(笑)

ガラス45%の上にアセタールのロックアーム乗せて滑らせるとすぐに削れちゃいそうな…

台座の上ちょん切ってロックアームごと強引に外してる気がしまする。
コメントへの返答
2022年3月21日 12:03
情報ありがとうございます。
なるほどそんな規格があるんですね。
早速ググりましたが、日本で言うJIS規格的なもんでしょうか?
そして.....
PA6~ポリマー / プラスチック、熱可塑性 / ポリアミド (PA6, PA6T...)
私にはサッパリ判りませんwww

そう言えば本機は、かなりあちこちに輸出されている製品でして、恐らく当時最先端の北米において樹脂類の規格などいちいち表示しないといけない時代になっていたのかもしれませんね。

プロフィール

「生存報告と最近ハマっているモノ。 http://cvw.jp/b/1672597/48480086/
何シテル?   07/09 11:07
大阪→名古屋→髙松(香川)→大阪とあちこちに飛ばされ続ける、哀しきサラリーマンのおっさんです。 フォロー/フォロワーについて... 折角興味頂いた方に対...

ハイタッチ!drive

みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

ブログカテゴリー

リンク・クリップ

ビワマストローリング プレジャーボート使用者の採捕状況報告について 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2023/02/09 10:10:52
ハイドラ/ダムCPマップ 画像協力要請 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2019/05/31 11:14:41
ハイドラ/ダムCPマップ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2018/12/21 03:05:43

愛車一覧

ホンダ モビリオ モビッ太@imo (ホンダ モビリオ)
モビリオLA-GB1前期(初期)のエターナルブルーパールに乗っています。 モビリオ特有の ...
その他 釣り道具 HEMU 8 (その他 釣り道具)
アキレスFLA315-HY アルミフロア 歴代4艇目のゴムボートで初めてのCSM素材のボ ...
その他 釣り道具 HEMU 7 (その他 釣り道具)
讃岐単身赴任生活3代目ゴムボート。 R2年9月に小型船舶2級免許取得に伴い念願の船検付き ...
その他 日本人 その他 日本人
ハイドラ専用、山間部徒歩専用アイコン。
ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation