今回は船外機の海水使用による塩害がどれくらいの使用頻度と期間で発生するのか?
身を以って実証した、たまたまの記録。
対象とされるのはDT6 雅ファクトリー LIMITED EDITION。
昨年の秋(10月)に届きました本機ですが、購入した際のちょっとした経緯がございまして.....
当時次なる弄りとしてDT5のチューニングについて雅工房の長松社長と何度かやり取りがございました。
雅工房さんがDTシリーズの製作に熱を入れられていたのが恐らく2018年から2019年頃でしょうか?
特にベースとなりうる502型式は、5馬力でありながら2ピストンの164cc、重量面や大きさでも群を抜いて良く、チューニングベースとしては良かったモノの.....
その頃よりどんどんと絶版となるパーツ類、そして供給パーツの値上げラッシュ....
純正ピストンなんて常軌を逸した値段に跳ね上がっています。
特に致命的だったのはオーバーサイズピストンの絶版。
しかも世界中を探してもオーバーサイズは中々見つかりません。
※ノーマルピストンは海外で比較的許せる価格での供給があるようです。
また良品ベースも市場から数少なくなる半面、中古マーケットの値は下がらず。
やはりある一定の人気はかわりませんねぇ。
そう言った事情の中、突然のお電話で過去放出した数少ないLIMITED EDITIONが『手元に戻ったのでどうですか?』とお電話いただきwww。
一晩考えた挙句.....
『買っちゃえ!』と、購入してしまったいきさつは過去ブログにも確か書いておりますねwww。
一時的に嫁から借り入れをし、年明け1月に無事返済を終えたばかりです(笑)。
購入金額は内緒ですが、それなりに大枚をはたきました。
当然っちゅうたら当然ですが、それをきっかけに雅工房さんには惜しみなく様々な貴重な情報を頂きました。
メンテナンスや様々な技術に至るまで全ての質問に答えて下さる。
何せ全くのトーシロが始めたメンテナンスですからね。
正直船外機の購入よりも情報供給の方が大きな糧とも言えます。
単に船外機の購入!と言う事にあらず、私の知る限り所謂メーカーが推奨するサービスでの対応はまり気持ちの良いモノを感じることはありませんでした。
またその辺りのお話もブログアップしていきたいのですが、そもそも売上単価の張る新製品を買ってもらって何ぼの世界なんでしょうね?
なので自分自身でメンテナンスを試みるきっかけになったのもこう言った業界体質が原因の一つでもあります。
少々話が脱線しましたが、購入の際に言われましたのが『戻ったばかりで、若干の塗装割れ、一部パーツの欠損、その他の通常メンテナンスも行っていない状況! お時間くれませんか?』と社長からの申し出を全て断りましてwww、『すぐに送って下さい!』と私が急かせたんです(笑)。
そんなこんなで10月の初旬に到着!
あとの中身は当然自己責任でメンテナンスなのですが.....
前オーナーさん、話によるとおよそ2年程度の使用ですかね!?
年間出艇回数などは判りません。
あまり個人情報的な事もほじくり返すのもアレですが前オーナーさん、私よりもかなりお若い年齢でのご家族持ちとの事。
よくある?
家庭の事情(この遊びに対して、ご家族の理解を得られなかったのかな?的な)で泣く泣く手放されたとの事です。
突き詰め始めると結構な散財になりますからね~.....
私も日々野草を摘んでその日の糧にしていますからwww。
そんな事情で引き継がせて頂いた貴重な雅機。
到着後すぐにインペラ周りのチェックなどをするためエンジン下ろして、ドライブシャフトハウジングの冷却水通路などをチェック。
赤丸部分がインペラで汲み上がられた水が一時的に溜る場所。
インペラで巻上げられた水の圧力がこの部屋で高まり、エンジンヘッドに繋がる細い通路を通過。
当然巻き上げられた細かな砂やゴミもある程度ここに溜る仕組みです。
青丸は冷却水が排水される側で、所謂パイロットウォーターと呼ばれる出口です。
しかしまだ完全に乾ききっていないようなドロッとした感じの塩?が結構な堆積をしていますね。
勿論全て除去して綺麗サッパリにいたしました。
これが10月初旬時。
で、そこから何回出船したかは数えておりません。
まぁテスト走行含め10回行くか行かないかでしょうか?
勿論出船後は毎回フラッシングを行い、教科書通りのメンテナンスを施して保管しとります。
さて今回2月に実施したスタビライザーの取付け。
ギアケースごとゴッソリと入れ替えを行いましたが、良いのか悪いのかギアケースの装着が毎回下からの装着が上手く行かずイライラするので、いつもの通り私は一旦エンジン本体を下ろして作業します。
その際に当然ドライブシャフトハウジングが顔を覗かせてくれるので、約4か月振りでしょうか?
中を確認してみた!!
この角度では判りづらいですが...
ガ━━(゚Д゚;)━━ン!
海水使用の宿命でしょうかね?
今回は側にカピカピ、底にドロドロの塩の塊のようなモノが既に析出。
早速鋭利な鉄の棒でサッとほじくってみる。
もうジャリジャリですなwww。
僅か半年も経過せずとも中はこんな感じであります.....
グロメットに冷却水チューブの出口もかなりコテコテ。

勿論ビカビカにしましたよ!
ついでにプロテクションアノード。
ここも塩害で固着しやすい箇所。
ペラを外したりするちょっとしたときにネジを回してあげて研磨、ネジ山のグリスアップをお忘れなく。
インペラケースカバーのナットとワッシャの1本が何故かコテコテに錆びてますな。
何でか理由は判らんのだけれど赤錆半端ねぇ.....
当然ここも5か月前にグリス塗って締めた場所です。
こう言う場所から固着が始まると思います。
勿論ギアケースごと交換と言う事で、インペラ台座(ベアリングケース)などもかなりお掃除いたしました。

如何でしょうか?
使用場所、使用方法、使用頻度、洗浄方法など複合する要因が幾つかございますが、一応毎回フラッシングをしている状況でこんな感じです。
4ストモデルのエンジン分解など複雑なものならさもありなんですが、さほど大層な工具も要らないこのような箇所についてはたまーに開けてみると船外機も喜んでくれますよwww。
ではでは!