さて久し振りに登場する都道府県難所シリーズブログもネタが枯渇した?訳ではございませんが、久し振りに執筆したくなるような、私の大好きなCPに出くわしましたので皆様を誘いたいと思います。
しかも初の中国地方難所シリーズwww。
ついに活動エリア圏外の難所に!
週明けに仕事を絡めた土日に鳥取県北西部および島根県北東部を巡ったのですが、そんな中でも絶品のCP、それが鳥取県西伯(さいはく)郡伯耆町(ほうき)父原にございますこの『井谷溜池』です。
ざっくりとどの辺りかと言うと米子自動車道、溝口ICと江南ICのいずれかより西に進んだ場所辺りです。
ここの何が難所なのか?と言うと.....
1.父原集落奥より地図上に車道や林道の記載なし
※グーグルマップ、国土地理院、yahoo地図のいずれもルートの掲載が無い
2.車両通行林道は地元区長の許可が必要
3.ゲートより先、車両通行林道はなかなかの酷道
4.最後は少しだけ徒歩
5.溜池は地元の方すら滅多に行かない場所(爆)
6.ウェブ上でもその姿や歴史など情報が無い
さてまずは攻略MAPから先に。

実はここが難所である事を一部の方から情報を収集はしておりましたが、それでも
このゲートまでが判らず、父原集落と古市集落の道を徐行しながら情報を収集しておりましたが、その途中地元有力者Nさんと言う親切な方(70歳代)に出合いまして、
『井谷溜池』と言う場所に写真撮影などに行きたい事を説明。
するとこの方、村の農地調査などもしている方らしく、そこの林道はよく入るとの事で、途中まで案内してあげると!!
メチャメチャ親切で超ラッキーでした。
ちなみにこの井谷溜池、私は『いたに』と発音しておりましたが、地元の方には通じず、
『いだに』と濁音が入るようです。
このNさん、ご案内していただけるまでの前段階に色々とお話くださりまとめると.....
1.この溜池はその方が知る限り高度経済成長以降一切使われていない。
2.恐らく昭和初期まで灌漑用として使われていた。
3.かなり以前はこの溜池の下、野上川周囲に小さい田と民家があった。
4.地元の方も滅多にこの溜池までは行かない。
5.地区部外者を阻むゲートは動物除けと山菜泥棒除けである。
6.野上川周辺にあった田は場所が場所だけに、その昔(江戸時代?)年貢を逃れるための『隠し田』だったんじゃないか?と言うNさんのお話。
いやぁ、地元の方も滅多に行かないなんてワクワクMAX(笑)。
『とりあえずゲートまで案内したる!』と言われ、深々と頭を下げてNさん運転の軽トラの後についていきます。

ゲート到着の画。
ここは父原・古市の両集落の管理下におかれております。

緑ルートからオレンジルートに変わるところの動物除けゲート。
看板拡大!

地区外の方!
許可なく入山はダメです。
勿論Nさんは古市集落の方で、当初ここまでの約束でしたが、
『ここまで来たら上まで連れてってやるわ!』と更に有難いお言葉を。
ご覧の通り酷道ダムあるあるの典型的な砂利道(笑)。

ゲートは鍵がございませんが、開放した後はイノシシが降りて来ないよう厳重に閉めておきます。
いきなりの轍で底に『ゴリッ』と嫌な音.....

(泣).....
途中崩れていたり.....
今にも崩れそうな?壁だったりw。
あと途中にこの溜池より灌漑水をひいていた遺構がございます。

Nさんより懇切丁寧な有難いご説明を頂き.....
こんな穴が左手に二か所。
これは手掘りの隧導水路だそうですが、説明無かったら正直全然判りません。
全く気付かなかったと思います。
恐らく江戸時代より以前などに使われていたのかも知れませんね。
水たまりwww。
途中草ブラシが更に強烈に

サイド&アンダーwww草ブラシウォッシング。
最終マップ濃いオレンジで記載している野上川沿いの林道と合流
※振り返り撮影、

実は勾配も結構あります。
まじかよ!?ってなところを結構走りますが、4駆軽トラのNさん.....
ガンガン登って行きますが、私は必死かつ慎重に.....
そして車で上がれる最終ポイントまで無事到達。

ここより先は間伐などの作業される営林関係者が入るらしいです。
ここで更に色々雑談を交えた後、お別れいたしましたが、最後に
『万一何方かに出くわした際は、私の名前を告げて許可もらったと言え!』まで仰っていただきました。
ここで車が邪魔にならないよう徒歩林道方向に車を駐車。

ここから先は徒歩で進みます。
ゆったりモードから万全の戦闘モードに!

長袖シャツ、作業ズボン、スパッツ、軽登山靴、腰鉈、虫除けスプレー、熊鈴、飲料と。

ところで少し話が逸れますが、着替えるために車のリアハッチを開けるや否や、どこからともなく大スズメバチ来襲(爆)。
リュックサックの開け口に羽音をブンブン立てながらウロついております。
静かに虫除けスプレーを周りに噴霧して退去願いましたが、こう言う人里の林は危険生物がウヨウヨと居ります。
動物の呼気や食べ物の匂い?にかなり敏感なのか、蜂や虻(あぶ)の類って車外に出ると速攻で襲い掛かってきます(笑)。
さて林道入口付近、勿論車両が通過した僅かな痕跡はございますが、恐らく数年?いや十数年は入っていないでしょうか?

雑草に木の枝にボウボウ状態です。

井谷溜池のCPバッジは駐車ポジションより5分程度のところで無事認証いたしました。
そしてここから先は緑化に関係なく趣味の世界。
Nさん曰く
『あんなんただの小さい池やぞ!しかし長い事井谷溜池は見てないわぁ~。どないなっとるんやろうな』と言った言葉が脳内に焼付きまして。
もうこれは行くしかないな!と。
まず大量の女郎蜘蛛がお出迎え。

丁度目の高さあたりにこいつらがうじゃうじゃいます(泣)。
徒歩ですら阻む草や枝の数々に鉈は大活躍。
が、これアカンやつ(笑)!。

自生のタラの木?
春なら嬉しいですが.....
酷い場所になると一瞬道を見失います。
周囲木々に囲まれており風が無いので、過ごしやすい季節とはいえ、すでに額は汗だくに。
無我夢中で進んでいるうちに井谷溜池を知らん間に通り過ぎておりましたwww。
と言うのも林道より溜池のある左側は木々や草が鬱蒼と茂り、更に笹藪がエゲツなくて溜池が一切見えません。
とりあえず踵を返して井谷溜池を探す事5~10分。
木々の陰から少しだけ池の姿を臨むことが出来ました。
更に多少なりとも見える場所は無いのかと堤から笹薮を掻き分け安全な場所まで迷わないよう降りて行きまして。
何とか撮影!
これが井谷溜池です。

ひっそりと静かに、ここだけが時間止まっているかのようです。
無事に井谷溜池も拝むことが出来ましたのでゆっくりと戻ります。
途中、沢蟹や
見た事もない薄茶色のカエルなど、汚れていない山ならではの生き物の息吹を感じます。
帰りも酷道を慎重に戻りゲートをきっちり開け閉めして戻りました。
特別ダムマニアでも無い私ではございますが、やはりハイドラを楽しむ上では一番楽しいCP!
とりわけ黒部ダムのように一般的に有名かつ雄大なダムも魅力的なんだけども、私が一番大好きなのは今回のようなひっそりと佇むダム。
ダムマニアならいざ知らず、そこまで興味の無い私がこんなところで出合うこと自体がまさに奇跡であると!
そう思うとこのアプリの奥の深さをあらためて思い知らされます。
さてこちらの攻略ですが、それなりの酷道経験者には問題ございませんが、未経験者の方は車両の幅や車高などご注意を。
また入山に際して地元の方への許可を取ってチャレンジして下さい。