まだ免許を取得していませんでしたが、とりあえずDTシリーズの構造を知りたくてバラす目的で購入すると言う無謀の極みでしたが、これを分解することで分解組上げの手順や、腐食しやすい場所の認知、そして廃番パーツの状況など、ありとあらゆる情報を得る事が出来ました。
特にケース周りは塗装の下地より内部腐食が進行。
インペラのベアリングケースは今見ると奇跡的に良好です。
サービスマニュアルなんぞ当然ございませんのでパーツリスト片手にバラしまくります。
ボルト折れを特に心配しましたが、このDT5でボルト系を破断もしくは破壊させたのはフラッシングボルトとグリスニップルと言った真鍮ネジばかりで、とても各パーツの状態が良かったです。
※この後に仕入れた502の2基は本当あちこち壊しまくりましたからwww。
細かな作業は割愛いたしますが、我流で考えた末に亜鉛メッキ塗料のコーティングを施して自動車用のメタリックスプレーで塗装。
この作業は下地の処理に手間がかかり大変でした。
最終の仕上げに2液性のクリアコーティングを実施。
ドライブシャフトハウジングの冷却水通路も綺麗にやり直しました。
インペラ台座のベアリングケースも亜鉛メッキ塗料+クリアコーティング。
とりあえず邪魔だったので一旦は大阪の実家倉庫で塩漬けとなりますが.....
DT5 502の部品取り基の購入を機にエンジンの移植作業が始まります。
そして無事船検登録を経て実用機として復活を果たすことに。
このボートでの最高速度が約20km/hをマーク。
本当にお疲れ様でした。
そしてDT4 402Sですが、こちらは某オークションに香川県出品で出ていたのを直接ショップに訪問して購入。
まだ免許取る前でしたがボートに取り付けてニヤニヤしておりました(笑)。
しか~し、そこは中古機.....
世の中そんなに甘くはないですね。
見よ!この錆具合と腐り具合(爆)。
燃料タンクから異物の除去は骨の折れる作業でしたよ!
キャブメインジェットの通路なんかはタール状に変貌したヘドロで埋もれておりましたwww。
そしてギアケース排気口付近に出来た泥バチの巣跡。
恐らく納屋なんかに長年放置されていたんでしょうね。

外見だけでは想像もつかないダメージ多数(笑)。
まぁベースとしては金額も良心的でしたのでまだ我慢出来ます。
そして腐った小パーツは全て交換。
腐食部分は勿論レストア。
特にゴム系のパーツは念入りに調べて交換いたしました。
やはり綺麗になると気持ち良いです。
勿論キャブも幾度となく分解と洗浄を繰り返しようやく安定した状態に。
単気筒の本当軽い船外機で持ち運びはかなり楽でした。
在りし日のDT4。
当然2馬力よりは快適でしたが、私の装備では速度もそこまで出ずに不満が溜まり始めます。
こんなゴロタ浜からも出しましたねぇ。

で2020年度の冬に思い切って初めて雅工房の長松社長に連絡。
とりあえずダメもとで弄って欲しいと相談の上、WPC&各加工を依頼しました。
ただヘッドが特殊形状の為に爆速チューニングの基本となるヘッド面研が出来ないため、やはり速度は思ったより伸びませんでした。
噴け上り、エンジンの掛かりは文句なしで良好。
まぁそれでも以前とは違うんですけどね(笑)。
サブタンク付属してるのでガス欠する心配無くて良かったなぁ.....

その後やむなく重たいDT5へと傾倒するのですが、その際も長松社長からは惜しみなく色々な情報を頂いておりましたので、『また来春(2022年の春辺り)にDT5のチューニングをお願いしますわ』と申しておりましたが、突如雅工房に戻ってきたLIMITED EDITIONとのお見合いとなりまして、一目ぼれで飛びついたわけです(笑)。
で、恐らくですが......
現在雅工房さん、移転された新しい工房のリノベーションと現在引き受けられているチューニングや一般整備などで相当恐ろしく忙しい模様です。
今回のLIMITED EDITIONに巡り合っていなければ、恐らく来年のシーズンに間に合うかどうかも正直不明な所でした。
またDTシリーズのパーツも年々高騰、もしくは廃番にもなって来ておりまさに昭和・平成の亡霊のような貴重な船外機になりつつあります。
そう言った意味でも今回巡り合えたのは本当に良かったなと思っております。
次にLIMITED EDITIONに準ずる2スト船外機を世に出してくれるのはいつになる事かな?
さて話は戻りまして、DTを2基並べた貴重な画像。
こちらは2基仲良くフラッシング。

そして幻の1基。
こちらは完全部品取りとして用意しておりましたDT4。
こちらも先日ある程度バラシ終えて、DT4雅機を購入して頂いた次の方へオマケとしてお譲りさせて頂きました。
パーツとしてまた光り輝ければ良いのですが....
で、最後に....
個人情報もありますのであまり所在地など詳しくは明記出来ませんが、次なるオーナー様。
ネットなどの売買においてメッセージやメール連絡などはあるものの、今回の2基はある意味非常に密に連絡も取れてその後の様子も判る状態です。
1名の方は直接お会いして話も出来ましたし、もう1名の方も直接の電話連絡で色々とお話しすることが出来ました。
まずDT5ですが、近県在住の方でFRPボートに取り付けられるようです。
取引のオマケとして余っていた燃料タンクをお付けしたことにより納品後もう一度お渡しに行った経緯がありまして、どうやら船外機も気に入って頂いたようです。
そしてDT4については関東の方が購入されたのですが、こちらの方もDT8とジョンソンノ5馬力をお持ちのようでして.....
このジョンソン船外機がどうやらスズキのDTと同じタイプのOEMなんだそうです。
※本当かどうかは私知りません。
そもそもDT8でそれなりの船速は承知の上との事ですが、腰痛をお持ちで最近は軽いジョンソン5馬力ばかりをご使用されているとの事です。
ただこちらの船外機のギアの嵌入がパーツ劣化で思うようにいかないとの事で今回私のDT4に目を止めて頂いた次第なんです。
確かに単気筒と2気筒では重量かなり変わりますからね。
てな具合で2基ともとりあえずちゃんとしたご主人の元へ旅立ち、私としても非常に嬉しく思っております。
お陰様で嫁さんへの借金も約90%返済出来ました(爆)。
と言う訳で今回の備忘録はこの辺までとさせて頂きます。m(_ _)m