この内容がまさかシリーズとして発動するとはよもや夢にも思わなんだ.....
※前記事その①は
こちら
てか、メッセージを頂きましたとある方・(とりあえずミスターXさんと呼ぼうwww)よりすぐにご連絡頂きようやくリコイルカップの形状における役割を80%くらい理解できました。
色々と詳しい情報有難うございます。m(__)m
その上で前回ブログにて書きました、カップの高さ変更だけで果たして対応出来るのか?と言う疑問も新たに発生。
こうなってくると.....
➀ 純正パーツを死ぬ気で探す。
② 一からパーツを製作する。
③ 形状の近いパーツをカスタムする。
と言う3択に絞られてきます。
今回➀が中々難しいため自ずと②や③の選択になりますゆえ、あらためてパーツの詳細を紐解いてみます。
まず教えて頂きましたリコイルスターターの仕組みなんですが.....
テンションが少し掛かる程度に軽くロープを引っ張ると、あら不思議!!
謎の突起もしくは天使の羽根ような樹脂製構造物がピョコッ!と出てきます。
ロープ交換で分解は何度もやってますが、ようやくこのパーツの役割が判りました。
1. 前期型リコイルスターター、ロープを引く前の状態。
2. ロープを少し引いた状態にするため矢印に向けて手で軽く回す。
クランキング時にロープの遊びを感じるのは、この突起物とカップ窪みに引っ掛かるまでの遊び部分。
3. 突起物がピョコッと飛び出てカップの窪み部分に引っ掛かる。
では、後期型と比較。
1. リコイルスターター、ロープを引く前の状態。
2. ロープを少し引いた状態にするため矢印に向けて手で軽く回す。
クランキング時にロープの遊びを感じるのは、この突起物とカップ窪みに引っ掛かるまでの遊び部分
3. 羽根のような突起物がピョコッ左右2枚飛び出てカップの窪み部分に引っ掛かる。

そしてカップの高さは勿論の事、パーツの役割として重要なのがカップの内径部分にあります引っ掛かりの窪み。
この窪み構造が突起部分ときっちりと噛み合う事によってフライホイールを回転させることが出来るんですね。
確かに手慣れないと難しいクランキング。
この構造を判ると最初少しリコイルロープを引き、引っ掛かりを感じてから一息に力強く引く意味がよく判ります。
ナルホド、ナルホド!
で、もう一つ謎だったカップ外周部分の切れ込み。

こちらは何らかの理由でリコイルスターターが故障した際の非常用スタートする為のロープの引っ掛ける場所だったんですね。
大昔の船外機はそもそも手巻きでしたが、現行船外機で万一ゼンマイ式リコイルが使えない時にこちらのカップにロープを巻き付けて対応するそうです。
そう言えば非常用工具の中にクランキングロープ入れとりますが、実際の使用は全く考えておりませんでした(笑)。
ナルホド、ナルホド、ナルホド!!
まぁ正直のところ、あんましここを使うような状況にはなりたくねぇなwww。
これで小型船外機リコイルスターターの構造が更に深く判って参りました。
で、話また戻りまして実際に②か③で対応するとなると.....
ある程度精度の高い寸法で違う素材か何かで形状の近いモノを作り上げる事。
例えば金属の円柱を旋盤などで削り出し加工するなどしてお椀状のカップを製作し新たに取り付けるなども一考。
ただ重くなるし素材によっては難しいし、何よりも材料費が嵩む事とプロでしか製作出来ないような特殊な技術と工作機械が確実に必要。
例えばアルミのような軽い素材を材料に使っても金額がバカ高になるのではと思います。
ちなみに純正素材は安そうな2mm厚の鉄板をプレス加工した後に穴を開けている模様(笑)。
うーんエライ違いになりそうですな(笑)。
で、そうなってくると一番安くて確実に行けそうなのが③の形状の近いパーツのカスタマイズ。
ただしよくよく見ると微妙に形状が違います。
まずは本来の後期型カップ。
ピンク部分のスリットと言うか窪みと言うのか、内径も狭いですね。
そしてこちらが前期型。
内径部分でつごう6mm直径で違ってきます。て事で左右約3mm分変わります。
問題はこの3mmが樹脂製の羽根に与える影響です。
内径約60mmの後期型専用カップよりもより高負荷が掛かりますと間違いなく良くない。
て、事で高さ調整は必須事項ですが一番良さげなのはスペーサー的なモノを高さ(幅)20mmで溶接などしっかりした形で取付け。
鋼板の3mmでカップ形状内側に合わせしっかりと取付できれば完ぺきかな?
イメージで言うと黄緑色の部分に溶接。
全て私の勝手な判断ですが、この部分だけ厚みを増やせば完璧かなぁと思いますが、それはそれでまぁまぁ面倒な作業工程です。
そして一応念のため後期型リコイルスターターで形の異なる2種類の手動テストを実施。
ミスターXさんの懸念としてセンター部分樹脂製の羽根の部分。
左右3mm引っ掛かりが少なくなる分、羽根の広がりが増えて樹脂パーツに負荷が増大。
繰り返しリコイルを行ううちに破損しないか心配があるとの事でした。
確かに高負荷を繰り返すうち海上で破損してリコイルできなくなり、それこそカップにロープ巻いて帰還なんて洒落にならんわなwww。
後期型リコイルスターターがNSIセットと言う面倒なロック機構が働くのでとりあえずガムテでニュートラル状態にしておきます。
これぞ最新のテスト方法やなwww!
方法は単純!
裏返したリコイルスターターのセンターにカップを乗せて出来るだけセンター位置に置いて左手を添える。
次に右手でカップの引っ掛かりまでロープを伸ばす。
そして引っ掛かり具合、手の感触でトルクの掛かり具合を見る。
下記画像は501型式のロングカップ。
内径の広いカップですね。
で、こらは後期型の内径の小さいカップ。
どちらも同じような感じで何度も何度もロープを引いて、突起物がカップに引っ掛かる際のロープストロークのチェック。
右手から飛び出すロープの位置は大体30cm前後。これはどちらのカップで複数回行っても同じ結果です。
こちら上とは別のカットですがカップを前期後期入れ替えても突起の飛び出し具合も同じで全く判別できません。
特に内径の広い前期型で引っ掛かる際のトルクを手の感触で比較しても同じくらい。
羽根が飛び出し過ぎる心配をしておりましたが、判別不能なくらい同じ飛び出し方でした。
ですので、あくまでも私個人主観ですがカップの高さ変更でどうやら後期型への移植は可能と推測できます。でも断定ではありませんから、カスタマイズについては完全自己責任で宜しくお願い申し上げます。
って、こんなマニアックなカスタムするの日本に何人くらいいるのだろうか(笑)?
ところで今回の記事を書くに至るまで、リコイルスターターカップの違いなどミスターXさんと、かなりのやり取りをさせて頂き、私自身リコイルスターターの構造詳細をようやく理解できました。
ひょんなきっかけではありましたが、非常に勉強となりました。
最後におさらいですが......
この構造が判るとリコイルの引き方において、注意点がよく判ります。
1.リコイルロープのハンドルを持つ。
2.軽く引っ張り始め、ロックが掛かるところまで持ってくる。
3.ロックが掛かったところより一気に思いっきり引き抜く。
よく見かけるのは遊びのある状態で目一杯引かれる方、ゴルフでインパクト同様に肝心なところで減速しエンジンが起動しない上、カップとロックがぶつかる衝撃で中のパーツを傷める恐れがございます。
そう言った意味からも上記方法でのリコイルスタートを習得致しましょう!!
ではでは。