さて、どうにかこうにか3個1状態で組み上がりましたDT5船外機!
3台の本体がどれもこれも使える部分と使えない部分がありまして、とりあえずはそのエエとこ取りを行っている訳なんですが....
3台の状況をとりあえずまとめてみた。
A. DT5 501S
・ エンジン本体2気筒の総排気量113cc(内径43×行程39mm)と502より若干少ない。
・ リコイルスターターに急発進防止装置付属せず。 ※~'94モデルまで
・ ケース類各所に錆が見られるが全塗装施行済み。
・ ティラーハンドルにコイル式キルスイッチの台座が無い。
B. DT5 502S ➀
・ エンジンは始動良好。総排気量165c(内径50×行程42mm)※'95~'98モデルまで。
・ エンジン本体エグゾースト部分ボルト3本とアンダー1本ボルトが塩噛みによる破断。
・ エンジンヘッド冷却水導水部分塩噛みにより酷い塞ぎあり。
・ インペラ台座であるベアリングケース、塩噛みによりジャンク。
・ ギアケース最下部のアノードボルトが固着。
・ エンジンケース下部は腐食多い。
C. DT5 502S ②
・ エンジンは始動するもふけ上がらない。
・ ギアケースに後付けキャビテーションのボルト穴痕あり。
・ リコイルスターターの急発進防止装置の一部パーツが見当たらない。
・ ロアカバーのボルト3本が塩噛みによる破断。
とまぁ3機3様の状態でありまして....
特にDT5 502S➀のエンジン本体へのボルト残しは今後対処していくものの非常に時間もかかりそうです。
まぁ幸いだったのがヘッドのボルトについては何とか全て外れてくれたことですが、センターの2本は負荷が掛かっているので要ボルト交換となります。
口径の小さいキリで粘り強くセンターを取って徐々に広げてタップを切るかヘリサート加工のいずれかとなりそうです。
と言う訳でエンジン本体は未だヘッドも開封していないDT5 502S②の方をチョイス。
501のロアケースに502のギアケースにハンドル。
エンジン本体からキャブレターに至るまでの期間はDT5 502②に乗せ換え、併せてクランクブラケットへの製造シリアルナンバープレートを打ち込みます。
さて初爆確認。
チョークを引いてとりあえず初爆は発生。
アクセルを開けると不安定なアイドリングの末にエンストを起こします。
まぁ前オーナーさんの言う通り確かに吹けあがりどころかコレ大丈夫なん?くらいの酷い症状。
まずは簡単に出来る怪しいところからチェック。
ちなみに燃料ホース系統は不思議と過去購入したモノ全て当時のまま付いています。
逆に言うと問題なければ無駄に交換しないのでしょうかね?
私は一番最初に硬化したホース類一式を基本交換出来るモノ全てを外して交換いたします。
大概カチカチに硬化していますのでヒートガンで温めれば比較的無理せずスルッと取れますよ。
で、当然ストレーナーも新しいモノを取り付けますから燃料系として最初の部分は消えます。
次にキャブレターの洗浄。
こちらもガスケット類やパッキン類の状況確認と、メインジェットや本体の小さい穴に至るまでヤマハの強力キャブクリーナーでしっかりと洗浄いたします。
何度となく外したり取り付けたりの繰り返しですわ.....しかしこの2工程を経ても一向に改善されないアイドリング。
次に燃料ポンプのダイヤフラムを疑います。
ここも相当疑わしいので501に取り付けた新品のダイヤフラムを移植。
品番15170-98110 フューエルポンプ、ダイヤフラムセット。
お値段税込み2,805円(税込み・送料別)。
ちなみに左が502、右が501のモノ。中のダイヤフラムの膜やガスケットなどの形状は全く同じですが、カバー本体が全く逆転しています。
※本体は交換せず中のフィルムのみ移植です。
中をバラして掃除しても不調が続くようならゴムの膜に微細な穴が開いているかもしれません。
マイクロ単位での穴でも不調をきたすことがあるそうです。肉眼での確認は無理っすね。
とりあえず予備も分解ついでに洗浄しておきます。
で、この措置で少しアイドリングが改善されましたがまだまだダメな感じ....
キャブのセッティング以前の問題ですね。
こうなると燃料系のトラブルは一旦置いといて....
電気系統の不具合をチェックします。
まぁ何となく嫌な予感はあるのですがwww、とりあえず少額でできる怪しいところより試していきます。
まずはプラグを新品に交換。

ウーム.....改善されませんネ。
次にイグニッションコイルの交換。
ウーム...やはり変わらない。
で、最後にCDIユニットの交換....
※多分ここだと踏んでおりますが
で、結果は?
バッキューン!
と気持ちよくエンジンは掛かり、アイドリングが恐ろしいほどに安定しています。
アクセルスロットルのワイヤーを微調整していないのでマークとリンクしない状態ですが、ワイヤー調整し中域までアクセルを開けるとけたたましいエンジン音で回転を始めました。
要するにCDIが逝ってしまっていたようです....
ちなみにご参考までに、502型CDIユニットはDT5・6・8の3種共有でイグニッションコイルと別に分けられいます。
※’95~'00の5年間。
恐らく経年劣化でいきなり壊れるCDIユニット。
古いタイプのイグニッションと合体しているモデル、品番32900-98110が5万円強に対し、イグニッションと分かれているタイプの後期型CDIユニット品番32900-98120はおよそ2万7千円とほぼ半額の金額。
とは言ってもすでに販売終了から20年以上とCDIはとにかく壊れます。
まずまずの2スト船外機中古1台の相場ですな(爆)。
とまぁ簡単に書いていますが、実は雅工房の長松社長さんに電話で相談。
色々と的確なアドバイスを頂いたので決して私の引き出しではございません(笑)。
社長、とりあえず冬にはまたお世話になりますからwwwm(_ _)m。
で、先ほど最終確認するべく検水も含めもう一度チェック。
アイドリングはあるものの今度は中域から高域での不調があり、今度はもう一つのキャブをポンッと入れ替えてみました.....
パイロットウォーターは犬のショ〇ベン並みに勢いよく飛び出しますな(笑)。
まぁとりあえず大丈夫な領域まで戻ったようです.....疲れたorz。

まだ物足りないけど今後微調整をとりあえずホチホチと....
まずは臨時検査を受けて船検登録まで月内中に登録したいかと思います。
と、言いながらもうJCIに予約入れましたwww。
てな訳で中古機でこれからオーバーホールなど考えている皆さま、現実はそう甘くは無いと言う事を少しは体感いただけたでしょうか(笑)?
見た目まぁまぁの船外機でもこんなモノで、よほど前オーナーさんがコマメにメンテナンスしているような優良機は1/20くらいの確率でしょうかね?
そして外観に粉が吹いているようなモノは絶対ダメ。
あとアノードが軽石のようにスの入っているような船外機もかなりの要注意物件です。
まぁ私の今回の2台なんて全くもってマシなほうだと思いますよ。
※想定内です。
私の場合自分でメンテナンスをしたいがゆえに心置きなくバラせることが出来る中古で遊んでおりますが、時間もかかるし工具類もどんどん増えますwww。
その見返りはトラブルシューティングの引き出しが対処出来る事かな?
このシリーズまだあと少し投稿がありますが、今回はここまでにしておきます。