ハイパーブルーのブログ一覧

うん十年前の学生時代の事。
　たくさんのアルバイトをしました。
　その中の一つ、配送のアルバイト。
　最近、地方のコンビニでは、御用聞きと配送をするお店があるようですが、その魁でしょうか。
　主に、食材の注文をとって配送する問屋さんのような会社でした。得意先は飲食店、風俗、ラブホといろいろです。
　そこで、配送のアルバイトを始めて数週間めの事。
　たまたま、会社に誰もいなくて、電話番を始めておおせつかりました。
　（やだなあ。電話かかってこなければいいな。）と内心思っていると電話のベルが、
　「はい。○○商会です。」
　「あー、キャバレー○○だけど、いつのもチャカ頼むよ。」
　（チャカって　まさか　拳銃？。あやしい会社だと思っていたけどそんなモンまで売っての？どうしよう。だから時給いいんだ）
　とりあえず平静を装い
　「まいどありがとうございます。○○さんですね。いつものチャカですね。数量のほうかいかがいたしますか。」
　（コルト何丁とか言われたらどうしよう）
　「いつもと一緒でいいよ。いつ入る？」
　（そんな、いつっていわれても）
　「今、みんな出払ってますので、いつもと同じ納期だと思います　　が、変更があれば後ほどこちらからお電話差し上げます。」
　「いいよ。いつもといっしょなら、入ったら電話頂戴。」
　電話を切った後、考えました。このままバックれるか。でも履歴書出してるし、こういう世界は後が怖いし。どうしよう。
　電話なかったことにしてシカトするか。

　そうこう迷っているうちに会社の人が戻りました。
　「注文の電話あった？」とっさに
　「はいキャバレー○○さんから、いつものチャカをいつもの数でとありました。納期聞かれましたが。こちらから電話しますかと聞いたら。入ったら電話くれと言っていました。」
　「ふーん。あ。そ。」
　　（ふーんて。そんな普通に。秘密を知ったのになにもされないの。それとも完全に仲間だと思っているの。）

　おそるおそる聞きました。
　「あの。チャカってなんですか？」
　「ああ。チャカって。業界用語で、チャームといったりおとうしと言ったりいろいろだけど。最初に出すつまみの事だよ。○○さんでは、のりを巻いた個装になった○○製菓のせんべいだよ。いつも12袋入りを２０ケースかな。」

　ほっとしました。悪の道に入らなくて。
　ちなみに結構有名なチェーン展開のキャバレーです。

　そこの店にその後、配送に行った話は次回　ＰａｒｔⅡで。